八雲町の30年度教育行政執行方針 全中学校区でCS実施 いじめ問題サポートチーム立ち上げ(市町村 2018-04-09付)
八雲町教委・田中了治教育長
【函館発】八雲町教委の田中了治教育長は、三月上旬の定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。全中学校区で実施する小中一貫型コミュニティ・スクールについては「学校・家庭・地域・行政がより一層連携を強化し、教育の推進に当たる必要がある」と強調。各地域での学校運営推進を支援すると話した。いじめ問題の解消に向けては、いじめ問題対策連絡協議会と生徒指導上の問題行動などに関するサポートチームを立ち上げ、児童生徒の心身の健全な育成や教育活動の安定した推進を支援する方針を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育】
▼新学習指導要領の趣旨の徹底を図る教員研修の充実 三十二年度から完全実施となる新学習指導要領の趣旨の徹底が図られるよう、校長会、教頭会に対する管理職研修はもとより、教職員研修を積極的に推進していく。
新学習指導要領の特徴として、時代の変化に対応し、小学校の英語教育の早期化や道徳教育の教科化などが新たに盛り込まれ、子どもたち一人ひとりが、豊かな人生を切り開き、持続的な社会のつくり手となることができるようにすることが重要。そのためには、社会に開かれた教育課程の編成や主体的・対話的で深い学びの実現、カリキュラム・マネジメントの確立が必要であるとの認識のもとに、研修はもとより、指導主事の派遣要請など積極的な支援に取り組んでいく。
グローバル化の急激な進展への対応が喫緊の課題とされていることから、さらなる国際理解教育の進展に向けた事業の展開についても検討していく。
部活動などによる超過勤務の実態に基づき、校長会、教頭会を通して改善を図るべき対応策についても示していく。
▼小中一貫型コミュニティ・スクールの完全実施
落部地区で先行実施された小中一貫型コミュニティ・スクールの導入によって、三十年度からすべての中学校区での実施に向け、各学校においては、準備委員会を設立するなどして、円滑な導入のための準備を進めてきた。地域創生の活力の源として、すべての児童生徒に義務教育としての一定の教育水準を保障し、生きる力を育むためには、学校・家庭・地域・行政が一層連携を強化し、教育の推進に当たる必要がある。
地域によっては学校運営協議会の設立に課題もみられるが、地域性を重視し柔軟に対応していく必要があると考えており、落部地区での実践をもとに、地域全体がパートナーとして学校を支え、地域ぐるみで子育ての仕組みができるよう支援するとともに、八雲町全域での実施の道標となるよう、さらには管内の先駆的な役割を果たすことができるよう支援していく。
▼児童生徒の個々のニーズに応じた教育の充実
子どもたちが、互いに思いやり、支え合いながら社会の一員として生きていくためには、健やかな心身の成長が極めて大切。これまで、いじめや不登校をはじめ、学校で起こり得る様々な生徒指導問題については、教委からの指示のもと学校での自助努力が求められてきたが、三十年度からは学識経験者や専門性を有する方々をはじめ、役場関係各課との横断的な連携のもとに、いじめ問題対策連絡協議会と生徒指導上の問題行動などに関するサポートチームを立ち上げ、児童生徒の心身の健全な育成や教育活動の安定した推進を支援する。
八雲高校については、出願者の減少傾向が続いているが、八雲町中学校・高校連絡会議を通して意見交換や連携を推進し、進学者の増加につながるよう、地域高校就学支援事業の一層の充実を図る。
【社会教育】
▼町民自らが構築する生涯学習社会の実現
町民が心豊かな充実した日々を過ごすためには、生涯を通じて主体的に学び、その成果を生かすことのできる社会の実現を図ることが極めて重要。
三十年度からスタートする新たな教育推進計画に基づき、町民への学習情報の提供の充実を図るとともに、町民自らが企画・運営に積極的にかかわる事業推進をはじめ、社会教育委員を中核として、関係機関や団体などからの意見や提言を集約するなどして、町民が生涯を通じて主体的に学び、その成果を生かすことのできる生涯学習の実現に取り組んでいきたい。
図書館の運営については、IT化に向けた将来展望も視野に入れつつ、本年度も適切な資料収集や町民サービスの提供に努めていく。
移動図書の新たな設置の整備も関係機関の協力のもと予定どおりに進められ、今後とも、図書館に遠い地域の方々への読書啓発活動に努めるとともに、多くの方々に読書に親しんでもらえるような広報活動にも力を注いでいく。
子どもの読書活動推進計画については、三十年度内に策定し、普及活動ができるよう進めていく。
(市町村 2018-04-09付)
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