鹿部町の30年度教育行政執行方針 高み目指す子を育成 グローバル社会に対応する教育へ
(市町村 2018-04-09付)

鹿部町教委川村利美
鹿部町教委・川村利美教育長

 【函館発】鹿部町教委の川村利美教育長は、三月上旬の定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。小学校では「伸びを実感し、より高みを目指す子どもの育成」を重点目標とし「生き生きと学習に取り組み学びの楽しさが分かる子ども」「人に優しく助け合いを大切にする子ども」「健康で元気に活動する子ども」の三つを目指す児童像に設定した。中学校では「確かな学力を身に付け、自らの考えを堂々と表現できる生徒の育成」の重点教育目標のもと「しっかりとした知識をもち、心豊かで変化に柔軟に対応し、鹿部の未来を切り開き、グローバルな社会に対応できる生徒の資質や能力の育成に努める」との方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼幼稚園教育

 幼稚園教育の一般的推進方針は年齢別指導に重点を置き、三歳児では園の生活が分かり自分のことは自分でする気持ちを育て、友達とかかわる心地よさを感じ、楽しく遊ぶ子どもを育てる。

 四歳児は、基本的な生活習慣を身に付け、自分なりに試したり、工夫したりして、自分の思いを遊びに実現できる自主的、主体的な子どもを育てる。

 五歳児では、幼稚園児として最後の年度となることから、自ら実践する力を育て、友達同士で協力したり、助け合ったりする心を育てて小学校に送り出していく。

▼小学校教育

 小学校は、教育目標を「かんがえる子・やさしい子・たくましい子」と設定し、重点教育目標を「伸びを実感し、より高みを目指す子どもの育成」とした。凛とした校内環境の中で、子どもたちに自分の成長を実感し、自己効力感をもって生活すること、自分の立てた目標に向かってもてる力を惜しみなく発揮することを目指していく。目指す児童像として二十九年度と同様に「生き生きと学習に取り組み、学びの楽しさが分かる子ども」「人に優しく、助け合いを大切にする子ども」「健康で、元気に活動する子ども」の知・徳・体の三つを掲げ、これら三つの姿に迫るため、子どもたち一人ひとりの伸びる可能性を見い出し、磨き、子どもたち一人ひとりに自己有用感、自己効力感をもたせることに努める。

 学力向上については、学習指導において、話す力と聞く力を高め、語いを増やし、文章の読解力を高める。また、探究的な学習を基本に、子どもたちが主体的・能動的に取り組める楽しい授業、達成感を味わえる授業、凛とした緊張感の中にも伸び伸びと参加でき充実感を感じることができる授業など、多様な学習活動を行う。具体的には、小グループによる学び合いという友達とのかかわりの中でともに刺激し合い、主体的・対話的で深い学びを取り入れた授業づくりに努める。

 子どもたちの指導については「自己存在感を与える」「共感的な人間関係を育成する」「自己決定の場を与える」ことに留意し、積極的な指導のもと個々の自己指導能力の育成に努める。

▼中学校教育

 教育目標は、「豊かな心をもち、進んで考え、たくましく実践できる生徒の育成」。重点目標を「確かな学力を身に付け、自らの考えを堂々と表現できる生徒の育成」として、しっかりとした知識をもち、心豊かで変化に柔軟に対応し、鹿部の未来を切り開き、グローバルな社会に対応できる生徒の資質や能力の育成に努める。子どもたちが目を輝かせ、生き生きと学校生活を送る中で、様々な知識や技能を身に付け、心を成長させ、将来に大きな希望をもてる学校を目指す。

 経営基本方針では、つぎの六点を掲げる。①生きる力の基礎となる確かな学力の育成を目指した実践②生徒の心を揺さぶる学校行事の充実③生徒の体力・運動能力の向上を目指した実践④生徒の豊かな心を育てる実践⑤生徒の意欲を伸ばす生徒指導の実施⑥教育活動を円滑に推進するための実践。

▼特別支援教育

 三十年度は特別支援教育支援員を幼稚園に一人、小学校に二人、中学校に一人配置するとともに、インクルーシブ教育の理念を踏まえ、特別支援コーディネーターを中心に合理的な配慮を充実させ、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応え、子どもの自立と社会参画を支援する。

【社会教育】

 子育て支援については、二十七年度から家庭が共働き世帯などによって、常時留守となっている小学生を対象に、放課後、安全で安心して過ごせるための放課後子供教室事業鹿部キッズクラブが本町らしい子育て支援策として定着している。また、二十九年度には、しかべ幼稚園長期休業中における預かり保育を試行実施して、好評だったことから、三十年度からは本格実施とする。

(市町村 2018-04-09付)

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