札幌市小学校長会・鈴木会長あいさつ概要 自主性・自律性の発揮を(関係団体 2018-04-23付)
鈴木会長は、活力ある校長会を目指し結束を呼びかけた
札幌市小学校長会四月総会・研修会における鈴木宏宣会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
▼はじめに
三十年度札幌市学校教育の重点において、目指す人間像を「自立した札幌人」とし、その実現に向け知・徳・体の調和のとれた子どもを育む教育活動推進を掲げている。これは各学校・園が札幌の豊かな環境を生かし、地域や学校の実態などに即した特色ある教育課程の編成と実施によって実現するものと思う。
札幌市小学校長会としても、この方向性を大切にし、市民の学校教育に寄せる期待に応えるべく、校長としての職能向上に努め、本市教育の進展に寄与していく。
札幌市立学校の経営責任者の皆さんには、三十年度「活動の重点」の第一項にある「学校経営の充実」を図るために「主体的に裁量して実行する自主性」と「的確に判断し責任を負う自律性」を発揮する役割が求められている。
当面する取組や課題について、八点にわたってお話しする。
▼校長会の役割
校長会は、校長としての職能の向上を図り、会員相互の連帯と協調のもと今日的課題に取り組み、事務局研修会や理事研修会、支部研修会、専門部研修会、四月・三月の総会・研修会、経営法制研修会、二月研究大会と、一連のサイクルで活動することとなる。
十地区の支部研修会にあっては、当面する課題について各学校の状況を的確に把握し、必要な研修や交流などを重ね、会員が各校で学校課題の解決に向けて発信することができるよう、取り組んでもらいたいと思う。
七つの専門部研修会においては、様々な教育課題について専門的な見地からこれまでの研究の積み重ねを生かして研修を深め、積極的に発信することによって、会員に成果を還元してもらう。
校長会としての研修の場・交流の場の中心は、支部研修会と専門部研修会となっている。そのためにも、正確な情報の把握と共有が必要。情報を多面的に分析して総合的に判断し、会員や関係機関に積極的に発信していくことが重要となる。
また、関係機関・民間団体・企業から出前授業や各種の教育的イベントなど、子どもたちのために協力したいという申し出が、多方面にわたって増加している。校長会に大きな期待が寄せられており、今後とも各団体などとの連携を一層深めていきたいと思う。
▼子どもの安全・安心の確保
児童虐待・いじめ・問題行動などの報道があとを絶たない。また、不登校児童の増加も懸念されている。
各学校において、関係機関との連携や地域社会、家庭の協力も得ながら、様々な方法を工夫して、対応に取り組んでいることと思う。しかし、事案の背景が複雑化する中、その対応に苦慮している学校も増えている。
個々の事案については、これまでの対応事例をもとにした具体的な取組を迅速かつ効果的に行うことが重要と考える。市教委とも連携し、情報の共有化と、それをもとにした具体的な取組を継続的に進めていきたいと思う。
▼新学習指導要領と学校の教育力向上の取組
本年度は「特別の教科 道徳」の実施や外国語教育の充実など、新学習指導要領実施に向けた移行の一年目。新学習指導要領に込められた願いや新たな取組について、しっかりと把握しながらも現在の自校の教育活動を見直し、課題と改善策を明確にした実践をしていくことが重要と考える。
本年度も、各校の学ぶ力の育成プログラムに基づき、子どもたちの学ぶ力をしっかりと向上させていくことが求められる。
また、生涯を通じて運動に親しむ基礎を培い、進んで心身の健康の保持増進を図る力を育む健やかな身体の育成は、札幌市の喫緊の重要課題。「さっぽろっ子“健やかな身体”の育成プラン」に基づき、各校において、より効果的な健やかな身体の育成プログラムを策定・実行し、子どもたちが健康の素晴らしさを実感しながら、体力の向上を体感していく取組を一層推進していこう。
「さっぽろっ子“学び”のススメ」に示された子ども観を家庭とも共有しつつ、子どもたちの好ましい習慣づくりや自己肯定感を育む教育を一層進めていきたいと思う。
各学校においては、組織体としてチーム学校の教育力向上を目指していかなければならないと考える。
▼服務規律の確保
残念なことに、本年度が始まってすぐに不祥事の報道があり、心を痛めざるを得ない状況。信用失墜行為や交通違反、個人情報の紛失などの防止に向けて、過去には校長会としても緊急アピールを出すなど、その根絶を誓い合った。
学校の教育は信用・信頼関係を前提に成立している。教職員に対してたゆまぬ指導を続けていく必要がある。
私たち校長も、教育公務員として、学校経営のリーダーとしての自覚をさらに高め、率先垂範を心がけていかなければならない。
▼第七十回全国連合小学校長会研究協議会兼第六十一回道小学校長会教育研究函館大会
十月四~五日に、道小大会を兼ねた第七十回全国連合小学校長会研究協議会函館大会が開かれる。校長会としても、道小学校長会・全国連合小学校長会との連携をさらに強め、全力を傾注して支援していきたいと思う。会員の皆さんには、力を貸してもらうことになるが、全国大会開催の趣旨と意義を十分に踏まえ、理解してほしい。
具体的には、十三ある各分科会の司会や記録、グループ討議の司会など、研究協議の内容に深くかかわる部分で活躍してもらうことが多くなると思う。校長会の全会員がチーム北海道としての意気を高くもち、協力していきたいと思うので、よろしくお願いする。
▼第七十二回指定都市小学校長会研究協議会名古屋大会
十一月八~九日の二日間日程で、第七十二回指定都市小学校長会研究協議会名古屋大会が開かれる。
前年度開催された川崎大会の成果と課題を受けての、名古屋市での大会となる。大都市が共通してかかえる諸問題、県費負担職員からの移行、新学指導要領移行への対応など、様々な情報を得て札幌にもち帰り、各学校に還元したいと考えている。参加者は市小事務局からだが、次年度以降の市小の活動に還元できるようなメンバー構成で参加する。
また、本年度の札幌の割り当てテーマは「第三分散会 人権教育上の諸問題
(熊本、札幌)」となっていて、現在、事務局研究部でその準備に着手している。
▼第六十回全国公立学校教頭会およびび第五十二回道公立学校教頭会研究大会札幌大会
本年度は、教頭会の全国大会が札幌で行われる。八月一日からの三日間日程で、札幌コンベンションセンターをはじめ市内会場にて開かれる予定。校長会としても全力で応援したいと思う。
関係する教頭先生はじめ、多くの教頭先生が企画・運営にかかわって懸命に取り組んでいることと思うので、会員の皆さんの配慮をよろしくお願いする。
▼今後の校長会の方向性
校長会の組織の在り方については、前年度、一昨年度と組織運営検討委員会で検討を進めてきた。全連小とのつながりと、道小との連携協力も維持しつつ「一緒にできること、互いに進めていくこと」を見極めていくということの確認をもとに、本年度も検討を続けていく。
また、本年度も校長会は札幌市教委との一層の連携強化を目指していく。前年度は新学習指導要領実施に向けての時数増や「にーごープロジェクト」への対応など、様々な内容について、市小役員と市教委の担当者が直接に、情報共有および意見交換を行う機会をもった。
また、共同研究推進委員会においては、各専門部の今日的な課題の取組が札幌市教委の施策とどうかかわり、市小の研究の全体像がどうあればよいのかについて、議論を深めてきた。先鋭的な研究や実態調査など、市の施策の推進に寄与していけるよう、本年度も共同研究推進の運営に力を入れたいと思う。
さらに、市小ではチームとしての学校の具体化を活動の一つの柱に掲げてきた。学校事務共同実施や用務員主任制度など実施されている制度について注視するとともに、校長会としても引き続きチームとしての学校の具体化に力を注いでいきたいと思う。
▼結びに
不易と流行の二つの観点から、今後の教育の動向を確実に見据え、学校の果たすべき課題の解決を見通す必要がある。自らの教育理念と豊かな見識に基づき、一層の連帯と協調のもと情報を共有し、研鑚を重ね、活力ある校長会を目指していきたいと思う。
お互いに健康に留意していこう。一年間よろしくお願いする。
(関係団体 2018-04-23付)
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