上ノ国町30年度教育行政執行方針 外国語教育充実へ英語塾 新たに学力向上非常勤講師配置
(市町村 2018-06-18付)

上ノ国町教委矢代智樹
上ノ国町教委・矢代智樹教育長

 【江差発】上ノ国町教委の矢代智樹教育長は、十四日の定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。学校教育の推進に向けては、町の教育指針「かかわりあい・学びあい・そだちあう学びの共同体」を基盤とし、地域に開かれ信頼される学校づくりを進めていく方針を説明。外国語教育について「さらなる外国語の学力向上と、コミュニケーション能力のレベルアップを目的とした英語塾の開設に取り組む」との方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼子どもの人生と郷土の未来を開く学校教育の推進 

 本年度は、三十二年度に全面実施される新学習指導要領の移行期間となるが、これまでの学校教育の実践や蓄積を生かし、さらに本町の教育指針である「かかわりあい・学びあい・そだちあう学びの共同体」を基盤としながら、新学習指導要領にのっとった教育を確実に進め、地域と連携し新しい時代に求められる資質・能力を子どもたちに確実に育むため、地域に開かれ信頼される学校づくりに努めていく。

 このため、引き続き特別支援教育学習支援員と放課後学習支援員、スクールカウンセラーを配置し、新たに学力向上非常勤講師を据え、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援に努めるとともに、歴史文化や自然遺産など地域教育資源の活用など、ふるさとに根ざした学びの質を高めていく。

 さらに、社会に開かれた教育課程を進めるためには、保・小・中・高が連携・接続し、学校運営協議会の設置を見据え、地域の特色を生かした地域総がかりによる教育活動の展開を要請していく。

 また、長時間勤務が問題化している教職員の働き方改革については、教職員が意欲とやりがいをもって、健康に働ける環境を整備することが重要なことから、道教委が定めた北海道アクション・プランに準じて、時間外勤務縮減に向けた業務改善に取り組む。

 なお、地域との密接な連携のもと地道な努力と前進を重ね、新たに地域連携特例校としてスタートする上ノ国高校については、今後も少子化による入学希望者の減少など厳しい学校運営が予想されるが、上ノ国中学校との連携と接続の充実を図るとともに、地域の未来を担う生徒の夢や希望を育てる中等教育の充実を支援していく。

▼各領域における指導の重点

 外国語活動については、次期学習指導要領において小学校外国語教育の早期化が盛り込まれ、移行措置として先行実施に向けた教育課程の編成と授業、学習活動が進められるが、外国語教育の充実に向け、引き続き外国語指導助手などの人材活用を組み合わせ、外国語を通じてコミュニケーション能力を育むことができる授業づくりを進めるとともに、さらなる外国語の学力向上とコミュニケーション能力のレベルアップを目的とした英語塾の開設に取り組む。

 道徳教育については、小学校の道徳が「特別の教科 道徳」となる上で、読む道徳から考え議論する道徳への授業の転換が進んでいるが、身近な出来事や今日的な課題、地域の素材などに関心をもちながら、解決策をみいだし、協働的に話し合い、議論を深めていく学習の充実を進める。

 小規模・複式教育については、一人ひとりに目を向けた小規模校ならではの特色ある教育の継続と充実を図り、集団生活や社会性を育てるため、他校との交流学習をさらに進めるとともに、引き続き町へき地複式教育研究連盟を支援していく。

 特別支援教育については、教育上特別な支援が必要な児童生徒の学習を支えるため、個別の教育支援計画をもとに、保護者や関係機関と連携し相互協力に努め、引き続き特別支援教育学習支援員を配置し、学校と連携した支援に取り組んでいく。

(市町村 2018-06-18付)

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