利尻町30年度教育行政執行方針 小1から土曜学習で英語 小学校へのCS導入を検討
(市町村 2018-06-21付)

利尻町小杉和樹
利尻町教委・小杉和樹教育長

 【稚内発】利尻町教委の小杉和樹教育長は、十五日の第二回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。小学校での外国語教育先行実施のため、土曜学習において一年生から英語力向上に努めていくことを表明。また、コミュニティ・スクールの小学校導入について、既存組織を活用した導入を検討していくことを明らかにした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼はじめに

 教育環境整備として、引き続き学校図書館司書を配置し、読書環境の改善や学校業務の補助を行うなど、働き方改革を推進するためのアクションプランの策定と併せて、質が高められる環境整備を行うなど、教員が子どもと向き合う時間の確保に向けた業務改善を推進していく。

 また、本年度から利尻高校通学生徒定期バス運賃助成制度を実施し、保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、町内における高校教育の機会維持に努めていく。

▼利尻を愛し、夢と希望に向けて挑戦する子どもを育てる学校教育の推進

 社会で生きる実践的な学力を育成する教育の推進のため、コミュニケーション能力の育成を目指す教育、キャリア教育の充実と国際理解教育・情報教育・環境教育・産業教育の充実、さらには、ふるさと教育や特別支援教育の充実に取り組んでいく。

 確かな学力の育成を目指すため、全国学力・学習状況調査などの状況把握と分析を行い、常に指導方法の検証・改善を行いながら基礎的・基本的な学習の定着を図るために、チャレンジテストや基礎学力問題集の活用、さらに、大学生を活用した学習会の開催などにも取り組む。また、新学習指導要領の段階的な先行実施として、本年度から小学校で英語が教科化されることから、引き続き外国語指導助手(ALT)を配置し、英語教育や国際理解教育の充実に努めるとともに、社会教育で実施している土曜学習において、小学校一年生から各学年に応じた英語力の向上に努める。

 ICTの活用は、全国的に実績のある学習ソフトを導入することによって、離島という地理的条件でもICTを活用した教育を進め、都市部の大規模校と比較しても遜色のない学習環境とデジタル教材の活用などによって、個に応じた指導はもとより、グループ別指導や発展的な学習、考える授業と児童生徒の学習意欲の喚起と学力の向上に役立てたいと考えている。さらには、仙法志小学校・利尻中学校での実践を踏まえ、沓形小学校への導入も検討していく。

 特別支援教育では、本年度も特別支援教育支援員を必要とする小学校に配置し、切れ目のない一貫した特別支援教育が行われるよう、引き続き校内支援体制の整備を図る。

 道徳教育については、道徳教育推進教師を中心に取り組んでいるが、新学習指導要領に基づき、本年度から小学校、三十一年に中学校で教科化されることを踏まえ、適切に実施されるよう取り組んでいく。

 また、地域資源を活用した体験活動や朝読書などの読書活動、子どもたちの体力・運動能力の向上を図るために、全国体力・運動能力、運動習慣等調査への参加や、いじめ問題に対応するための生徒指導や教育相談体制の確立などにも取り組んでいく。

 利尻中では、コミュニティ・スクール制度を活用した学校づくりを実施している。今後は、小学校への導入についても推進体制整備を行いながら、既存組織も活用し、進めることで導入を検討していく。

▼心豊かにいきいきと学び、活力あるまちづくりを目指す人材を育成する社会教育の推進

 個々の多様な学習ニーズや現代的・社会的な課題に対応し、利尻町らしい教育資源の発掘・活用と学習環境を整備することが重要なことから、おはなし会やブックスタート事業をはじめとした幼児教育から、発掘探検隊などの自然体験事業、三世代交流事業や『うみ・やま・かわ新聞』を作成するふるさとlearning推進事業などの地域学習・交流事業も引き続き実施していく。

 さらに、文化・芸術やスポーツ・健康の町づくりを推進するため、劇団四季利尻公演の利礼三町全小中高校生の鑑賞や子ども文化の集い・町民芸能祭の開催、各スポーツ団体との連携による各種スポーツ教室の開催やスポーツ少年団への支援などを進める。

(市町村 2018-06-21付)

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