北海道子どもの生活実態調査 幼児教育施設 85%が満足 教育内容や保育料へ不満も
(道・道教委 2018-06-21付)

 道は、北海道子どもの生活実態調査(乳幼児調査)の結果報告書をまとめた。二歳、五歳の子どもの保護者を対象に、世帯、子どもの教育、生活、保護者の就労、経済、相談の状況について調査。幼児教育施設の印象について「どちらかというと満足(安心)している」が八四・九%となり、不満(不安)と回答した理由としては「保育(教育内容に疑問)」が六五・三%、「保育料・料金が高い」が四八・四%などと続いた。子どもの就寝時間が「二十二時台以降」と回答した割合は、母子世帯、祖父母同居の母子世帯で高く、子育てや生活面での相談経験でも父子世帯、母子世帯で相談先や方法を知らない割合が高かった。

 子どもの貧困対策を効果的に推進するため、世帯の経済状況と子どもの生活環境や幼稚園・保育所等、家庭での過ごし方などとの関係を具体的に把握することが目的。前年度は小学二年生から高校二年生を対象に調査を実施した。

 道保健福祉部と北海道大学大学院教育学研究院が、道内十四管内における三十市町において、昨年四月から十月に無記名のアンケート方式で調査した。

 今回の調査対象は、二歳と五歳の子どもの保護者六千十四人。有効回答率は、二歳の子どもの保護者が五〇・一%、五歳の子どもの保護者が七三・三%、全体で六二・〇%だった。

 報告書では、調査世帯の状況、子どもの教育、生活の状況、保護者の就労状況、経済状況、相談の状況について調査結果をまとめている。

 幼児教育施設等の利用状況をみると、認可保育所に通園している二歳児は二四・四%、幼児教育を受けていない割合は六〇・二%だった。幼稚園に通園している五歳児は四五・二%、認可保育所の通園は三七・四%などとなっている。

 幼児教育施設の印象は、全体で「どちらかというと満足(安心)している」が八四・九%。不満(不安)と回答した理由は、「保育(教育内容に疑問)」が六五・三%、「保育料・料金が高い」が四八・四%、「施設が不十分に感じる」が四七・五%など。

 認可保育所などの利用希望の有無に関しては、二歳児で「希望しており、すぐに預けたい」が七・〇%、「希望しているが迷っている」が一七・三%だった。

 子どもに関する施策の情報を得る手段については、「よくある」「たまにある」を合わせて「家族や友人からの情報」が八〇・八%、「園などからの便り」が七四・一%、「インターネット検索」が七二・五%など。「行政機関の広報誌・案内」「行政機関のホームページ」については、父子世帯・母子世帯で利用しない割合が高く、年収が低くなるほど割合が高い。

 生活状況では、子どもの起床時間は全体で「七時台」が五一・二%、就寝時間は「二十一時台」が五四・二%と最も高い。就寝時間が「二十二時台以降」と回答した割合は、母子世帯で三三・二%、祖父母同居の母子世帯で二八・四%となり、ほかの家族形態よりも高い傾向にある。

 家族の年収については、全体で「五百万円以上七百万円未満」が二四・二%と最も高く、「四百万円以上五百万円未満」が一三・八%。母子世帯では「二百万円以上三百万円未満」が最も多く、無回答を除くと年収三百万円未満が七割を超えている。

 子どもの栄養や成長などの悩みの相談相手に関しては、「同居の親族」が六〇・六%、「同居していない家族・親戚」が五六・九%、「友人・知人」が三八・八%など。五歳児の保護者は「保育園や幼稚園等の先生」が四五・二%と家族以外で最も高かった。

 子育てや生活面での相談経験では、保健師に「相談したことがある・している」が三〇・九%と高く、福祉事務所、児童相談所、児童家庭相談センターなど他機関や相談員への相談が六%未満となっている。また、父子世帯、母子世帯で「相談先や方法を知らなかった」と回答する割合が高い傾向にある。

(道・道教委 2018-06-21付)

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