全道代表高校長研で道教委所管事項説明・下(道・道教委 2018-07-05付)
《学校教育局参事(生徒指導・学校安全》
【生徒指導】
▼いじめ問題への対応
各学校においては、国の調査のほか、いじめの把握のためのアンケート調査や、いじめの問題に関する各種調査に取り組んでいただき、感謝申し上げる。
アンケート調査については、いじめを認知した場合はもとより、いじめの兆しを把握した場合には、関係生徒に必ず面接を行うとともに、いじめの認知件数がゼロであった場合は、その事実を生徒や保護者に向けて公表し検証を仰ぐことで、認知漏れがないか確認するなど、適切に対応していただきたい。
また、いじめの調査については、本年四月に配布した『北海道いじめ防止基本方針のポイント』を活用するなどして、自校の調査結果に基づき取組状況を検証し、いじめの防止等に向けた取組の一層の充実を図っていただきたい。
▼自殺予防教育
昨年度末に各高校に送付した『児童生徒の自殺を予防するためのプログラム』を積極的に活用し、自殺対策基本法第一七条第三項に定める自殺予防教育にかかる取組を適切に実施していただきたい。
▼SNSを活用した相談体制の検討事業
本年度新たに、国の事業を活用したSNSを活用した相談体制の検討事業を実施する。
道立高校の生徒を対象としてSNSを活用した相談を実施し、その成果や課題を検証するなどして、児童生徒がいじめ等の悩みを安心して相談できる多様な相談体制の在り方について検討を進めることとしている。
▽実施期間=8月17~31日
▽実施時間=午後4~9時
▽対象者=道立高校の生徒
▽使用SNS=LINE
▽対応者=心理カウンセラー、有資格者など専門的知識を有する人
夏季休業前に、対象となる道立高校の生徒全員に対し、登録用のQRコードを印刷したカードを配布する予定なので周知いただきたい。
なお、スマートフォンを所有しない生徒に対しては引き続き、道子ども相談支援センターへの電話やメールによる相談窓口について、併せて周知いただきたい。
▼どさんこ☆子ども全道サミット
本年度の全道サミットについては、参加者相互のコミュニケーションを図りながら意見を共有し合い、協議をより深めたり、人間関係づくりのスキルを身に付けるプログラムを充実させたりするため、ネイパル砂川を会場に八月九~十日の一泊二日で開催する。
各学校においては、参加生徒の選出やネットトラブルを含めたいじめ防止に関する取組などに協力いただきたい。
▼ネットパトロール講習会および保護者向け学習会
本年度も、各管内でネットパトロール講習会および保護者向け学習会を開催することとしており、講習会や学習会における会場の提供、教職員や保護者の積極的な参加について協力いただきたい。
また、各学校においては、自校のネットパトロールを確実に行うとともに、総務省で実施するe―ネットキャラバンを活用した保護者向けの学習会を実施するなど、インターネットの安心・安全な利用に向けた啓発に取り組んでいただきたい。
なお、四月に『ネットトラブル対応マニュアル』を作成し通知した。生徒指導・学校安全グループのウェブページにも掲載しているので、積極的に活用していただきたい。
▼道教育カウンセリングICT活用事業
昨年に引き続き、心理・福祉などの専門家と学校をインターネットでつなぎ、児童生徒や保護者、市町村教委に対して指導や助言、教育相談などの支援を実施する。
道教育相談スーパーバイザーである富家直明教授(道医療大学)、大友秀人教授(北海商科大学)、山谷敬三郎学長(北翔大学)、福間麻紀講師(道医療大学)から、直接コンサルテーションや教育相談を受けることが可能であることから、積極的に本事業を活用していただきたい。
本事業の活用に関する問い合わせは、各教育局の高校教育指導班へ連絡していただきたい。
【学校安全】
▼学校安全教室・学校安全推進会議
学校の安全教育・安全管理に関する取組の推進について、教職員、PTAおよび関係機関・団体等の理解を深めるとともに、学校や地域の実情に応じた安全教育の普及ならびに地域ぐるみで子どもを守る体制の一層の整備を図るため、つぎのとおり、学校安全教室および学校安全推進会議を実施する。
▽学校安全教室=渡島10月17日、空知19日、留萌23日
▽学校安全推進会議=全管内7~12月予定
※渡島・空知・留萌管内においては、学校安全教室と学校安全推進会議を兼ねて実施
各学校においては、各管内で開催する学校安全推進会議へ積極的に参加し、国の動向なども踏まえ今日的な課題の解決に向けて取り組んでいただきたい。
▼安全教育の充実
新しい道教育推進計画の目標指標として、三十四年度までに、すべての高校において、防犯教室および防犯訓練を実施すると設定している。
基準年度である二十九年度の高校の実施率は、二十八年度の六〇・〇%程度から大幅に増加し、九八・八%となったことに感謝申し上げる。
すべての学校において実施されるよう、未実施の学校については、二十八年五月の事務連絡を参考に実施方法等を工夫するなどして、警察などの関係機関と連携した防犯教室および防犯訓練について確実に実施するとともに、実施済の学校においても内容の充実を図っていただきたい。
また、警察などと連携した体験型交通安全教育は、児童生徒が体験をもとに、自ら考え、実践することができるなどの効果があることから、各学校においては、スタントマンなどによる交通事故の再現事例の活用など、警察や外部団体と連携した体験型の交通安全教室の充実を働きかけるなどして、自転車の安全利用を含む交通安全教育の一層の充実に努めていただきたい。
▼生徒の交通事故防止
過日、札幌市内において自転車で下校中の高校生が走行中の自転車と接触し、乗車していた高齢者が転倒して負傷した交通事故が発生した。
また、十勝管内においても、自転車を運転中の高校生が児童と接触し、転倒した児童が負傷した交通事故が発生した。
各学校においては、三十年五月十五日付教生学第一四六号通知を踏まえ、自転車安全利用五則にのっとり、自転車を安全に利用することはもとより、特に、生徒が交通事故の当事者となった場合には、直ちに負傷者を救護するとともに、事故の概要を警察へ通報するなど、交通事故が起きたときの応急手当と措置についての指導を徹底していただきたい。
《教職員課》
【教員採用候補者選考検査】
本年度の選考検査は、第二次検査を八月三~五日に五地区七会場で実施する。
また、六月の選考検査とは別に、期限付教諭などを対象とした特別選考を実施予定。
実技検査を八月三~五日に五地区五会場、実技検査以外の検査を十一月二十三~二十四日に札幌市内の一会場で実施する。
【長期休業期間中の校外研修】
七月には夏季休業に入ることから、校外研修の申請が予想される。
校外研修の承認に当たっては、研修計画書によって研修場所、期間、内容などが適切であるか、十分に確認するとともに、研修後は、報告書や成果物などによって、研修内容の把握を確実に行っていただきたい。
【体罰事故の防止】
体罰事故については、これまでも機会あるごとに注意喚起するなど、その未然防止に取り組んでいるが、二十九年度においても二十一件の体罰が発生し、そのうち、四件の体罰が体罰調査によって初めて把握され、また、その四件はいずれも「自身の行為が体罰ではない」または「通常の指導の範囲内である」と考えていたものであることなどを踏まえると、教職員の体罰に対する認識がいまだ不十分な状況にある。
また、体罰調査の結果について教育委員会に報告した際、教育委員から「昨年度発生した体罰九件のうち、七七・八%に当たる七件が日ごろから指導に苦慮している児童生徒や特別な支援が必要な児童生徒に対するものであることを踏まえ、指導に当たる教員が児童生徒の指導について、一人で悩みを抱え込んでいる状況もあると考えられるので、学校として、組織として、教員の悩みに対応し、適切な指導を行うことができるような体制づくりや研修を一層強化していくことが重要である」といった意見をいただいている。
各学校においては、こうした意見も踏まえ、教職員全員を対象とした全体研修や教職員個別に行う研修などの校内研修を確実に実施するとともに、職員会議や職員打ち合わせなど様々な機会を通して教職員の体罰防止にかかる意識が根付くよう徹底して取り組んでいただきたい。
これまで配布している体罰防止に向けた研修資料『教職員の不祥事防止のために』や『教師と児童生徒間の望ましいコミュニケーションの在り方』、また、二十五年度に作成した学校教育指導資料『望ましい指導の在り方』について、必要な部分を必ず研修などの場で活用し、体罰に対する正しい認識や感情をコントロールする方法、厳しく指導をしなくても子どもたちが言うことを聞くような指導方法を身に付けるなど、体罰を未然に防止する取組を徹底していただきたい。
《生涯学習課》
【道立図書館の道立学校向け支援事業】
▼道立高校図書館運営相談事業
学校図書館の整備充実に向けた取組を推進するため、本年度から新たに高校に司書を派遣し、現状や課題の把握を行うとともに、情報提供や助言を行う事業を開始する。
本年度は、試行として、札幌月寒高校、有朋高校、羽幌高校、佐呂間高校、上士幌高校の五校で実施。
次年度以降も、引き続き支援を続けていく予定なので、検討いただきたい。
また、実施校以外であっても適宜、電話・メールによる相談に応じているので、利用していただきたい。
▼ふるさと映像資料等活用促進事業
道立図書館では、北海道百五十年事業の一環として、館が所蔵する一九五〇年代から六〇年代、昭和二十年代後半から四十年代にかけての北海道の様子を記録した16ミリフィルムの中から、選りすぐりの百十五作品をDVD化し、様々な場面で活用いただくために貸し出している。
地理、歴史、公民などの授業、総合的な学習の時間、教材研究の一助に積極的に活用していただきたい。
▼学校図書館への協力貸出
小・中・高校、特別支援学校に設置されている学校図書館を対象に、道立図書館の蔵書の貸出を行っている。
調べ学習・事業の事前学習などでの活用以外にも、資料展示に学校所蔵以外の図書を使いたい場合や、先生方の教材研究のため、指導関係の専門書を読みたい場合など、様々な活用の仕方が可能。
貸出の前に、学校単位で利用の登録をすることとなるが、活用について検討いただきたい。
《道立教育研究所》
【道研の事業】
本年度、道研では「徹底した現場第一主義で未来教育の創造を」の方針のもと、研修、研究、相談などの事業に取り組んでいる。引き続き各学校には、教員の計画的な参加をはじめ、各種事業の活用と協力をお願いする。
【遠隔研修】
管内研修センターなどと連携して行う研修講座、いわゆるミニ道研について、高校も対象となる講座の開催期日や講座内容などを一覧にした資料を作成したので、活用をお願いする。
通常の研修講座の遠隔研修やミニ道研の一部において、道立高校を会場として借りることとしており、当該校には協力に感謝する。
【どうけんオンデマンドの配信】
著名講師による講義を配信する「どうけんオンデマンド」について、ほっかいどうスクールネットのほか、道研ウェブページからも視聴できるので、校内研修などでの効果的な活用をお願いする。
(道・道教委 2018-07-05付)
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