道特長会が第1回理事研開く 宮崎会長 校長間で学び合いを 研究計画や働き方改革など協議(関係団体 2018-07-13付)
あいさつに立つ宮崎会長
道特別支援学校長会(宮崎真彰会長)は九日、道庁別館で三十年度第一回理事研究協議会を開いた。開会式では宮崎会長があいさつに立ち、協働した組織をつくるための経営ビジョンの在り方や、所属職員のパフォーマンスを最大限に引き出すための業務管理などについて、校長間で学び合う大切さを強調。その上で「本道の特別支援教育の一層の充実・発展を目指すために、今後の道特長会の取組の一つ一つが大変重要」と説いた。
理事研では、本年度の障がい種別校長会研究計画や支部活動計画、夏季・冬季研究協議会について話し合ったほか、管理職等の大幅交代期への対応や学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」への対応について協議。道教委の上林宏文教育指導監と道立特別支援教育センターの小原直哉所長が助言に当たった。
開会式における宮崎会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
先週は西日本を中心とした記録的豪雨によって、多くの方がお亡くなりになり、今なお行方不明の人が多数いる状況にある。各校の校長、支部長においては、二十八年九月の台風10号の記憶もあって、相当の危機感をもって陣頭指揮に当たったことと思う。
地域によっては臨休などの措置をとったとの報告を受けているが、危機に遭遇したときこそ、チーム力が試される。
教育活動の安全の確保、児童生徒の登下校を取り巻く状況の把握、ライフラインや給食等の確保、職員の出退勤から出張・外勤の確認など、あらゆる事態を想定して指揮することがミドルリーダーの育成や組織の協働化を向上させることにつながる。
今後も、様々な事態が発生することと思うが、各支部長、各障害種校の会長には、相互の連携をお願いする。
▼全国特別支援学校長研究大会
全特長総会・研究大会が六月二十一・二十二日に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催され、前年度の活動報告および本年度の計画が了承されたことを報告する。
文部科学省の特別支援教育課長による行政説明では、体制の整備から質の充実へと着実に移行していることを感じた。
多様な学びの場の整備として、高校の通級による指導、高等部訪問教育における遠隔教育など、合理的配慮をキーワードに制度化が広げられているのは承知しているが、切れ目のない支援体制の整備として、高度な医療的ケアへの対応の検討、文科省と厚生労働省が連携した「トライアングルプロジェクト」による放課後デイサービス事業所と学校との連携などの模索、学校卒業後の学びの推進など、今後は、学校教育の充実だけではなく、生涯を通じた学習活動に対し、学校として、どう参画するかが問われることを感じた。
特別講演は、学習指導要領の改訂に向けた論点の話であった。子どもにとって教育課程とは何か、学ぶとはどういうことなのか、そこで学ぶ知識とは何かなど、学習する子どもの視点に立ったそもそも論からスタートした論点整理の過程は興味深く、また、子どもたちの文脈や状況を豊かに含んだ本物の社会実践に参画する授業が求められているという視点は、まさに特別支援教育が積み重ねてきた実践と共通するものであった。
すべての教職員をカリキュラム・マネジメントの担い手として導くためにも、全特長の資料に目を通していただきたい。
▼学校経営にかかわる課題
▽学校事故の防止
学校管理下において、残念ながら事故に至ることがある。
忘れてはならないのが、二十六年に発生した給食中の誤嚥事故である。このようなことが二度と起こらないよう摂食嚥下に専門的視点を有する自立活動教諭を配置したが、指導に配慮を要する児童生徒は、肢体不自由校に限らず多くの学校に在籍しており、安全安心な給食の実施に向けて一層の研修が必要と報告されている。
このことから、肢体不自由教育校では、摂食指導の理解と実践力を図る研修を設定してきたところであるが、次年度は特センと連携して研修を進めていけるよう協議している。
しかしながら、摂食指導にかかる課題は、肢体不自由校に特化したものではないことから、校長会がリーダーシップを発揮して、研修を主催していく必要があると考えている。本年度は、肢体不自由教育校長会が主催するが、自立活動研究協議会が主催できる体制が整備できるまで校長会がリードしていきたいと思うので、次年度に向けて検討を願いたい。
▽校長のリーダーシップ
各校長においては、職員の構成も職務に対する認識も様々な中で、地域や自校の状況や課題を踏まえて学校経営に当たっているが、職員が課題を共有し、協働した組織をつくるための経営ビジョン提示の仕方、所属職員のパフォーマンスを最大限に引き出すための業務管理、健康管理や服務管理の手法など、大幅交替期もあって校長間で学び合う機会が重要だと感じている。
例えば、年度当初の経営方針や校務分掌の構成など、どんな発想や方法で進めているのか、各支部の研究協議などで還流の機会を検討願いたい。
本道の特別支援教育の一層の充実・発展を目指すために、今後の道特長会の取組の一つ一つが大変重要である。
つぎの時代を見据えた協議をお願いする。
(関係団体 2018-07-13付)
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