道南ブロック教育長研修会開く　教育行政充実へ連携深化

（関係団体 2018-08-23付）

道南４管内の教育長が研鑚を積んだ

　【江差発】道南各市町教委の教育長が相互連携を図り、教育行政の諸問題などについて理解を深める道南ブロック教育長研修会が十六日から二日間、江差町文化会館などを会場に開かれた。胆振・日高・渡島・檜山管内から各市町教委の教育長二十五人が出席。講演や文化財などの視察を通して研鑚を積むとともに、教育行政の充実に向けて交流を深めた。

　研修会は、道南各市町教委の教育長相互の連携を密にし、教育行政の諸問題などについて理解を深め、教育委員会の円滑な運営と教育行政の充実に資することを目的に開催。

　開会式では、檜山管内教育委員会連絡協議会の石島孝司教育長部会長があいさつ。昨年度の日高管内での開催に謝辞を述べるとともに、日本遺産に認定され歴史ある江差町への来町を歓迎した。その上で「江差の歴史や文化にふれ、実り多い研修会に」と呼びかけた。

　続いて、檜山教育局の河野秀平局長が祝辞。各市町の特色ある教育行政に対して敬意を表するとともに、直近の教育行政で対応が求められる「教員の働き改革」「児童生徒の社会に生きる力の育成」のさらなる推進を要請し、「今後とも主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善と、学校と家庭や地域との一層の連携を図ってほしい」と述べた。

　このあと、文芸誌『えさし草』の松村隆代表が「昭和の時代に生きて―捕虜の青春」と題して講演。江差町文化財調査委員会の藤島一巳委員長が「箱館戦争と開陽丸」をテーマに講話した。

　このうち、松村代表は自身の戦争や戦後の捕虜体験を伝えながら「教育の重要性を感じるようになった」と強調。戦後、江差に戻ってからは「江差の文化風土で何ができる」かということを考えながら、江差追分会館のオープンにかかわったことや文芸誌の発刊などに取り組んできたことも紹介した。最後に「文化の活力を生かした個性豊かな教育やまちづくりに取り組んでほしい」と述べ、各市町での教育の充実に期待を寄せた。

　二日目は、江差町内の社会教育施設、文化施設などを視察。江戸から明治時代の繁栄をほうふつさせる「いにしえ街道」や国・道指定重要文化財の建物などを訪れ、江差町の歴史や文化への理解を深めた。

(関係団体 2018-08-23付)