29年度の活動状況まとまる―道教委 文化・芸術は「計画どおり」 授業改善等で学力向上を
(道・道教委 2018-09-03付)

 道教委は、『二十九年度道教委の活動状況に関する点検・評価報告書』を取りまとめた。全十三本の基本方向の結果をみると、「計画どおり」は「文化・芸術活動の推進」など二本、「概ね計画どおり」は「社会の変化に対応し、新しい時代を切り拓く力を育む教育の推進」を含む八本、「やや遅れ」は「生きる知恵につながる確かな学力を育み、自立した生き方を支える教育の推進」など三本。小・中学校における学力向上に関しては「さらなる授業改善と望ましい生活習慣の確立に向けた取組が必要」と分析している。

 二十年度から毎年度、学識経験者の知見を活用しながら事務の管理・執行状況を点検・評価。報告書を議会に提出・公表し、施策に反映させている。

 今回は、二十九年度に行った活動状況や「道教育推進計画(改定版)」に掲げた施策について、PDCAサイクルによる取組状況や施策の課題、今後の方向性を整理するとともに、目標指標の進捗状況などを踏まえて評価した。

 評価は、目標指標の進捗率によって「計画どおり」「概ね計画どおり」「やや遅れ」「遅れ」の四段階。

 基本方向ごとの調査結果をみると、「計画どおり」は「文化・芸術活動の推進」と「ビジョンの推進に向けた体制づくり」の二本、「概ね計画どおり」は「社会の変化に対応し、新しい時代を切り拓く力を育む教育の推進」を含む八本、「やや遅れ」は「生きる知恵につながる確かな学力を育み、自立した生き方を支える教育の推進」など三本。「遅れ」と評価された基本方向はなかった。

 “知育”に当たる「生きる知恵につながる確かな学力を育み、自立した生き方を支える教育の推進」では、本道における全国学力・学習状況調査結果について、全国平均正答率との差が縮まるなど改善の傾向がみられる一方、記述問題での無回答率が高いことや望ましい生活習慣が十分身に付いていないなどの課題がみられることを指摘。さらなる授業改善と望ましい生活習慣の確立に向けた取組が必要であるとした。

 “徳育”の「豊かな人間性と感性を育む教育の推進」は、「概ね計画どおり」と評価。依然として多くの児童生徒がいじめに苦しんでいる状況にあることを踏まえ、児童生徒自らがいじめの問題について主体的に考える取組や学校、家庭、地域住民、行政その他関係者の相互連携協力を一層深め、社会全体でいじめの問題を克服することの必要性を指摘した。

 「やや遅れ」と評価された“体育”の「心身の健やかな成長を促す教育の推進」においては、体力・運動能力の向上、食育の推進に加え、児童生徒等の安全確保に関する体制のモデルを示した『道実践的な安全教育モデル』を作成・配布するなどして健康教育・安全教育の充実を推進。全国体力・運動能力、運動習慣等調査の体力合計点は、小・中学校の男女いずれも全国平均を下回っているが、前年度との比較ではいずれも上昇し、全国との差が縮まった。

(道・道教委 2018-09-03付)

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