性教育・薬物乱用防止教育研究協議会―道教委 現状や課題考え深め 医師の講義と実践発表通し
(道・道教委 2018-10-31付)

性教育薬物乱用防止教室研究協議会
堀本院長は、子どもたちを守る早期からの性教育の必要性を訴えた

 道教委は二十九日、札幌市内の道第二水産ビルで三十年度性教育研究協議会・薬物乱用防止教育研究協議会を開いた。苗穂レディスクリニックの堀本江美院長が「性に関する現状と性に関する指導の課題」と題して講義したほか、実践発表、協議などを実施。道内の教職員、地域保健関係者など約九十人が参加し、性、薬物乱用防止に関する指導について考えを深めた。

 性、薬物乱用に関する教職員等の指導力の向上を図るとともに、保護者や関係機関と情報を共有し、学校・家庭・地域が一体となって指導、教育を推進することがねらい。

 道内の小・中学校、高校、特別支援学校等の教職員、PTAや地域保健関係者など約九十人が参加した。

 開会に当たり、山上和弘健康・体育課長があいさつ。インターネットを介して性、薬物乱用に関する知識が容易に手に入る現状を踏まえ、子どもたちが情報を正しく選択し、適切に対応する力が求められていると強調した。

 つぎに、健康・体育課の髙田真弓指導主事が「性に関する指導・薬物乱用防止教育の充実」と題して説明した。

 SNS等に起因する被害児童生徒、大麻使用による検挙人数が増加している現状を伝え、新学習指導要領における性、薬物に関する記載を提示。「指導計画の立案を通じた教職員の共通理解」など、各学校における指導に当たってのポイントを示した。

 続いて、苗穂レディスクリニックの堀本院長が講義。性犯罪や虐待を受けた被害者の多くは警察に被害を届け出ることができないこと、加害者は再犯の可能性が高いことを伝え、生徒が事件に巻き込まれた、またはその兆候があった場合、即座に警察に通報するよう求めた。

 また、義務教育段階で性教育を行う諸外国の事例を紹介し、早期からの性教育の必要性を提示。今後の課題として、被害者に対するサポート体制の充実、無理解や偏見の克服、性の問題を抱える子どもたちの治療プログラムの充実を挙げた。

 つぎに、いしばし病院の白坂知信院長が「薬物乱用の現状と薬物乱用防止の課題」をテーマに講義し、違法薬物の種類や症状、防止のための指導のポイントを示した。

 実践発表では、釧路市こども保健部健康推進課の笠井千惠保健師、道警生活安全部の大川善照少年課課長補佐がそれぞれ性に関する指導、薬物乱用防止教育に関して実践発表した。

(道・道教委 2018-10-31付)

その他の記事( 道・道教委)

北海道specialプロジェクト 特別支援学校3校を指定 専門家招き地域拠点づくり

 道は、三十年度「北海道Specialプロジェクト」の実施校として、新得高等支援学校、室蘭聾学校、東川養護学校の三校を決定した。スポーツ、文化、芸術などの分野で活躍する専門家を招き、生徒や地...

(2018-11-01)  全て読む

道文化賞・道文化奨励賞贈呈式 文化振興に一層協力を 高橋知事が4氏へ表彰状

道文化賞・文化奨励賞贈呈式  道は十月二十九日、ホテル札幌ガーデンパレスで三十年度道文化賞・文化奨励賞の贈呈式を執り行った。平取町二風谷アイヌ語教室講師の木幡サチ子氏ら三個人が文化賞、北海道大学総合博物館准教授の小林快...

(2018-11-01)  全て読む

道教委・坂本部長が渡島管内視察 頑張って目標達成を 授業見学し児童生徒と交流

 【函館発】道教委の坂本明彦教育部長兼教育職員監は十八日と十九日の二日間、函館市と七飯町の学校や教育施設を視察した。初日に訪問先の函館商業高校で生徒の夢を聞いた坂本部長は「ぜひ、頑張って目標...

(2018-10-31)  全て読む

幼稚園教育課程研究協議会開く―道・道教委 適切な教育課程編成に向け 文科省・河合調査官が講演 

幼児園教育課程研究協議会  道と道教委は二十六日、札幌市内の道第二水産ビルで三十年度幼稚園教育課程研究協議会を開いた。文部科学省初等中等教育局幼児教育課の河合優子幼児教育調査官が「新幼稚園教育要領を踏まえた幼児教育の...

(2018-10-31)  全て読む

11月は心の教育推進強調月間―道教委ほか 清水と登別でフォーラム 札幌では人権教育研修会

 「北海道心の教育推進キャンペーン強調月間」が、本年度もあす一日からスタートする。道、道教委、道警で組織する北海道心の教育推進会議(会長・佐藤嘉大道教委教育長)が毎年十一月に設定したもの。キ...

(2018-10-31)  全て読む

宗谷管内道立学校・市町村の文科省・道教委指定事業―宗谷局まとめ 文科省17事業、道教委14事業

 【稚内発】宗谷教育局は、本年度の管内道立学校や市町村における文部科学省と道教委の指定事業を取りまとめた。文科省指定で十七事業、道教委指定で十四事業を展開。新規事業では、文科省の教育課程研究...

(2018-10-30)  全て読む

31年度新設の函館高等支援学校 入学者選考や教育内容説明―道教委 173人参加し質疑応答

新設する高等支援学校の説明会  【函館発】道教委は二十一日と二十二日の二日間、渡島合同庁舎で道南圏に新設する高等支援学校に関する説明会を開いた。二日間で教職員や保護者など合わせて百七十三人が参加。道教委や開校準備室の担当...

(2018-10-30)  全て読む

道教委・佐藤教育長が記者会見 災害対応マニュアル整備へ 大学と連携して教員確保

佐藤教育長記者会見  道教委の佐藤嘉大教育長は二十六日、道庁別館で記者会見に臨んだ。教育長の定例記者会見は十年ぶり。佐藤教育長は、北海道胆振東部地震発生後の道教委、各学校の対応を検証し、災害対応マニュアルの見直...

(2018-10-30)  全て読む

暴力行為増、退学大幅減 私立校児童生徒の問題行動等 道まとめ

 道は、文部科学省がまとめた二十九年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」に関し、道内私立学校分の調査結果を公表した。いじめの認知件数は六百五十四件、暴力行為の発生...

(2018-10-30)  全て読む

円滑な推進に向け助言 道教委の高校OPENプロジェクト 第1回運営指導委員会開く

高校OPENプロジェクト  道教委は二十六日、札幌市内の道第二水産ビルで本年度から開始した「高校OPENプロジェクト」の第一回運営指導委員会を開いた。研究指定校二校の代表者が研究の重点や目標、今後の計画などについて説...

(2018-10-30)  全て読む