道技術・家庭科教育研釧路大会開く 主体的に創造する生徒を 社会に「いきる」教育目指し
(関係団体 2018-11-12付)

道技術家庭科教育研釧路大会
全道各地から150人が参加し研鑽を積んだ

 【釧路発】第七十回道地区技術・家庭科教育研究大会釧路大会が六日から二日間、釧路市内で開かれた。釧路での開催は七年以来二十三年ぶり。全道から会員ら約百五十人が参加。主体的に生活を創造する生徒の育成に向け、技術分野と家庭分野の二つの授業公開、分科会などを通し、授業改善の方策について共通理解を図った。

 主催は、全日本中学校技術・家庭科研究会、道技術・家庭科教育研究会、道技術・家庭科教育研究会釧路支部。

 大会の研究主題は「社会に“いきる”技術・家庭科教育」、副主題は「主体的に生活を創造する生徒の育成」。社会に“いきる”技術・家庭科教育は、問題解決的な学習において、課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを行うことと、社会とのつながりを意識した振り返りを重視することで実現することができると考え、研究を進めてきた。

 初日は、釧路センチュリーキャッスルホテルを会場に理事会・総会研修会を開いた。

 二日目は、午前中に釧路市立春採中学校と鳥取西中学校で授業公開、授業分科会を行った。そのあと、市生涯学習センターを会場に開会式、内容別分科会を開催した。

 開会に当たり、道技術・家庭科教育研究会の岩本正美会長があいさつ。

 次期学習指導要領が中学校では三十三年度から全面実施となることにふれ、「私たち教育に携わる者の使命は、子どもたちを将来の社会を創る大切な人材として育て送り出すこと。大会の成果を各地区で広めるとともに、これからの社会を担う生徒の育成を目指して技術・家庭科教育のさらなる改善・充実に取り組んでいただきたい」と求めた。

 次いで、あいさつに立った梅内尚子釧路大会運営委員長は「生徒が生活や社会の変化に向き合い、よりよい生活をつくる生きる力の育成には技術・家庭科教育の役割が重要。技術・家庭科の特性を生かし将来を見据えて、実生活の中に学びを生かしていこうとする生徒の育成を目指そう」と呼びかけた。

 全日本中学校技術・家庭科研究会の奥山拓雄事務局長は「単に何かをつくる活動だけではなく、生活の営みの見方、考え方を働かせた実践的、体験的な学習活動へと転換を図り、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に取り組まなければならない」と訴えた。

 来賓からは釧路教育局の鈴木淳局長、釧路市教委の高玉雄司学校教育部長が祝辞を述べ、技術・家庭科教育のさらなる発展に期待した。

 引き続き、道技術・家庭科教育研究会の半澤亮研究部長が研究概要を提言。

 文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・生涯学習政策局情報教育課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官の上野耕史氏が講評した。

◆献立決めるポイント考察 鳥取西中2年家庭科授業公開

第七十回道地区技術・家庭科教育研究大会釧路大会では、釧路市立春採中学校で技術分野、鳥取西中学校で家庭分野の授業を公開した。

 鳥取西中では、深澤麻依教諭が二年生の食生活と自立「バランスの良い食事について考えよう」の授業を指導した。

 本時では献立づくりを通して、栄養的なバランスや味、費用など様々な視点をもち、工夫して料理を組み合わせて、献立を考えることの大切さを理解させることをねらった。

 深澤教諭は学級担任の朝食と昼食の献立を紹介したあと、「いろいろな視点から夕食を考えて食べたいと思われる献立を考えよう」と伝え、学習課題「献立を決める上でのポイントは何かを考えよう」を提示した。

 生徒は、料理の食材や栄養素を知ることができる栄養計算ソフトを用いて献立を入力。グループごとに入力したパソコン画面を交流したあと、どのようなことに注意して献立を考えたらよいかについて短冊に書いた。

 次いで、「いろどり」「好きな食べ物」「費用」「旬の食べ物」「品数」などグループで出た意見を全体に発表。

 「食欲をそそるいろどりが大切」「味に飽きない品数が必要」「栄養が良くてもおいしいものでなければいけない」などとその理由も話した。

 深澤教諭は各グループの意見をまとめ、旬の食べ物として柿や鍋を献立に入れたこと、調理の手軽さの視点もあることを加え、生徒は意見を聞いて分かったポイントをワークシートにまとめた。

 学級担任の小山好明教諭は「冬なので鍋やカニが食べたいと思った。鍋は手軽で片付けやすい」などと講評。

 最後に、生徒は自分が考えた献立を自己評価し、つぎの時間に自分の献立を決める際、どのポイントを重視したいかをワークシートに記入した。

(関係団体 2018-11-12付)

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