道放送・道視聴覚教育研究江別大会 深い学び創造する教育を 番組やICT活用へ研究深化
(関係団体 2018-11-12付)

道放送視聴覚教育研究江別大会
放送教育等の充実に向け、公開授業などを行った

 第七十回道放送教育研究大会・第六十四回道視聴覚教育研究大会合同大会江別大会が二日、江別市立江別第一小学校などを会場に開かれた。大会テーマ「心を揺さぶり 主体的・対話的で深い学びを創造する放送教育・ICT教育」のもと、公開授業や研究協議、研究発表、講演などを行い、放送教育・視聴覚教育の充実へ研鑚を深めた。

 合同大会は、道地方放送教育研究協議会(=道放協、伊藤直会長)、道視聴覚教育連盟(=道視連、小笠原康友会長)などが主催した。開会式に先立ち、上江別幼の三保育のほか、江別第一小で算数・理科・体育・道徳・外国語活動の六授業、江別第一中で数学・社会・理科・保健体育の四授業を公開。研究協議を行った。

 江別市民会館で行われた全体会では、伊藤会長が開会あいさつ。大会で得られた成果をもとに、「研究成果の交流や放送教育の普及などを推進していく」ことを求めた。

 その上で、合同大会の意義について「放送教育と視聴覚教育のコラボレーションによって、より良い学びを具現化するコンテンツ・デバイス・カリキュラムが実現する」との考えを示した。

 続いて、比良彰男大会実行委員長があいさつしたほか、NHK札幌放送局の若泉久朗局長のあいさつを中田靖人副局長が代読。大会が各学校の放送教育、視聴覚教育のさらなる発展につながることを祈念した。

 引き続き、石狩教育局の岩渕隆局長(村上由佳次長代読)、江別市教委の月田健二教育長が来賓あいさつ。村上次長は「学校教育では情報活用能力の育成が求められている」、月田教育長は「小・中学校において、ICTの活用によって主体的・対話的で深い学びの授業を強化しようと学校一丸となって研究を進めている」と話した。

 このあと、三校種による研究発表が行われたほか、茨城大学教育学部情報文化課程の小林祐紀准教授が「主体的・対話的で深い学びを実現する放送番組・ICT活用」と題して講演した。

◆スムーズな会話を展開 江別第一小4年 外国語活動

 江別第一小(黒川淳司校長)では、研究主題「主体的に学び、伝え合い、高め合う子どもの育成~ICTの効果的な活用を通して」のもと、“伝え合う力”を育てるために積み重ねてきた研究の成果を、授業を通して紹介した。

 同校では、六授業を公開。四年二組(児童数三八人)の外国語活動では、金子創教諭が「Do you have a pen?」を指導した。

 本時は三時間扱いの二時間目。

 本時の目標を「Do you have~?を使って積極的に伝え合うことができる」と設定した。前時に児童は、文房具の発音の仕方や数え方を学習している。

 金子教諭は、前時の復習を兼ねたウォーミングアップのあと、NHK for schoolの「えいごリアン」の一部を上映。「Do you have~?」を使っている場面を視聴させることで、本時の学習内容を想起させた。

 金子教諭がALTと「Do you have~?」を使ってデモンストレーションしたあと、全体の場でしっかりと考えを発表できるよう、児童にペアや三人で会話させた。

 続いて、十二種類の文房具カードを提示し、「Do you have~」を使ったカード集めゲームを行った。

 デジタル教科書を開いたままにしておき、児童が発音を確認できるようにしたことで、スムーズな対話を生み出した。

 授業後に行われた分科会では、「児童たちが助け合いながら全体交流ができていた」「三人での交流で自信を付けてからアクティビティにつなげた流れが良かった」などの意見が挙がった。

◆動画でフォームを確認

 江別第一中(新田元紀校長)では、研究主題「学ぶ意欲を持ち、確かな学力を身につけた生徒の育成」のもと、授業を通して“生きる力”を育てるために積み重ねてきた研究の成果を紹介した。

 四授業を公開。一年三・四組(生徒数三六人)の保健体育では、竹治義規教諭がバレーボール「オーバーハンドパス」を指導した。

 本時は十二時間扱いの二時間目。目標を「オーバーハンドパスの基礎的な技術を身に付けることができる」と設定した。

 竹治教諭は、オーバーハンドパスの良い例と悪い例をプロジェクターに投影することで、全員で基礎的な技術を身に付けるポイントを確認・共有させた。

 練習では、一チームに一台タブレット端末を配布。生徒に交代でチーム全員の練習を動画で撮影させたほか、撮影した動画を通して一人ひとりにフォームを確認させることで自身の課題を見付けさせた。

 続いて、チーム対抗による試合を開始。

 試合では、課題を意識して取り組むことを求めたほか、ゲーム中の生徒のフォームをタブレットで撮影した。

 撮影した生徒の良い動きや改善点を動画で振り返ったあと、再び試合を展開。振り返りでは、フォームが改善した生徒の動画を投影することで課題の改善を実感させた。

 授業後の分科会では、竹治教諭の授業に対して、「練習中、常にプロジェクターに正しいフォームを確認できるスライドを投影していたことで、生徒がすぐに自分のプレーを修正できたのでは」「振り返りのあと、子どもたちの動きに改善点が反映されていて、タブレット端末の使い方が効果的だった」などの意見が挙がった。

(関係団体 2018-11-12付)

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