学ぶ意味創造できる子を 道教育大附属釧路小・中が研究会 小・中合同開催
(学校 2018-11-16付)

釧路附属小・中公開研
資料の比較や他者の意見から自分の考えをまとめた

 【釧路発】道教育大学附属釧路小学校(内山隆校長)と附属釧路中学校(早勢裕明校長)は十月下旬、両校を会場に教育研究会を開いた。小中一貫教育を念頭に小・中合同で開催。道内小・中学校の教員、同大の教員や学生、ほかの附属校の教員など、道内外から約五百人の教育関係者が参加。研究主題「自ら学ぶ意味を創造できる児童・生徒の育成~“個の内面化”を促す学びのデザイン」のもと、両校で二十の授業を公開した。

 本年度は小中連携五ヵ年計画の最終年次。「子どもの“深い学び”を保障する“学びのデザイン”をもとに、“個の内面化”を促す手立てを講じることで、子どもが学びの価値を認識し、自律性を高めていくことにつながるであろう」との研究仮説を立て、研究主題に迫った。

 公開した二十の授業のうち、小学校五年一組の社会科「くらしを支える情報」(児童数三二人)は中村有佐教諭が指導した。

 本時は四時間扱いの四時間目。「情報ネットワークの進展による各種産業の発展の様子と国民生活の利便性の向上を関連付けながら、情報活用の在り方について多角的に考え、自分なりの意見をまとめ、表現することができる」を目標に設定し授業を進めた。

 中村教諭は、ペットボトルを見せ、コンビニの在庫管理から来客データなど販売計画の仕組みが分かる資料を提示。児童とともに課題を「なぜ、こんなにも情報ネットワークが活用されるようになったのだろう」と設定し予想させた。

 児童はこれまでの学習から、「農業では生産性の向上や安定供給ができるようになった」「物流がスムーズになって全国で新鮮な牛乳が飲める」などと述べ、国民生活の利便性の向上を指摘した。

 つぎに、農業や水産業に携わる人口の減少と食料の消費量が増加していることが分かるグラフと、農業未経験者が情報ネットワークを利用することで安定した農業を営んでいる様子の写真を提示し、「情報ネットワークは産業や国民にとってどのようなよさがあるのか」を考えさせた。

 児童は、資料や写真をもとに自分の意見を整理し、ペアになって他者の意見と比較して、情報ネットワークの進展が生活に与えるよさについてまとめた。

 このあと、研究協議では、小・中の授業者が共同研究者の教育大釧路校教員とともに実践発表。道教委や釧路教育局、釧路市教委、白糠町教委の指導主事、校長の助言を交えながら、研究や授業の進め方について話し合った。

(学校 2018-11-16付)

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