新任事務長対象にアンケート―道公立学校事務長会 知識不足や業務多忙の声 人材育成へ研修会開催を検討
(関係団体 2018-12-20付)

 道公立学校事務長会(阿部雅一会長)は、新任事務長を対象とした「事務長の資質向上に関するアンケート」調査結果をまとめた。事務長になって困ったことには、知識、経験などの不足をはじめ、部下職員等への指導や人員不足による業務多忙を挙げる回答が多かった。同会では「前年度同様、新任事務長の人材不足や管理職としての職務に追われ、日々仕事に余裕がもてない状況は変わらない」と分析。今後、人材育成に向け、新任事務長を対象とした研修会の開催を検討していくこととしている。

 調査は、多様な昇任形態に伴う課題などを把握しつつ、解決方法等を研究し、事務長の資質向上を図ることをねらいに、前年度から実施しているもの。本年度は八月に、新任事務長二十二人(道立学校二十人、市町村立学校二人)を対象に実施した。

 調査結果をみると、事務長になって初めて携わる仕事について「人事・服務」「栄典」「教員免許関係」と回答した人がそれぞれ約七割で最も多い。次いで「学校斡旋物品契約」「市町村との連携」などとなった。同会では「前年度と同様の傾向がみられた。栄典や免許関係など、もっぱら事務長だけが行い事務職員が経験してこなかった実務が相当数ある」と分析している。

 事務長の仕事を進める上で十分でないと感じていることには、約七割が「校内の書類の整理」と回答し、「過去の引き継ぎ書類等」「校内の財産や物品にかかる情報の処理」などが続く。前年度に比べ、「事務室内の人的体制」の回答数が大幅に減少したが、同会では「学校ごとの個人事情によるところが大きく、全体として改善しているとは言い難いと考えられるため、引き続き検証が必要」としている。

 事務長になって想像していた仕事と違うと感じたことは「管理職等の打ち合わせの多さや学校評議員、PTA等の対外的な対応」が最多。自由記述をみると「管理職として、教員、教育面でのかかわりや責任も多く、広い視野、知識が求められる」「校長から求められる資料など、校長対応の仕事が想定していたより多い」などの声が上がった。

 管理職の立場になって大変だと思う点については「責任感・判断力」と回答した人が最多で、職責を意識している人が多かった。

 事務長になって、特に困ったこと、不安に思っていること、気になっていることでは、知識、経験などの不足をはじめ、部下職員等への指導や人員不足による業務多忙などが挙がった。

 事務長に求められる能力では、「コミュニケーション能力」「実務能力」「決断力・判断力」を挙げる人が多い。

 資質を高めるために有効なものには、前年同様「コミュニケーションスキルの習得」「コーチングスキルの習得」「学校組織マネジメントの研修」など、人間関係を重視した回答が多くみられた。

 求められる事務長像では、実務ができ、人として信頼されることはもとより、上手に導くことができる事務長、学校現場の実情、特に財産管理上の問題点を上部機関に伝え、速やかに改善を図る事務長などを挙げる声があった。

 調査結果を受け、同会では「前年度のアンケート結果同様に新任事務長の人材不足や慣れない管理職としての職務に追われ、日々の仕事に余裕がもてない状況が変わらない」と分析。今後は「人材育成に向け、新任などの若手事務長を対象にした研修会の開催を検討していく」としている。

(関係団体 2018-12-20付)

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