災害に備え危機管理を 道高校長協会後期研で川口会長
(関係団体 2019-01-16付)

道高校長協会後期研会長挨拶
川口会長は、教育課題、経営課題、協会運営の3つの観点について述べた

 八日にホテルライフォート札幌で開かれた道高校長協会(川口淳会長)の三十年度後期研究協議会における川口会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

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 高校教育にかかる諸課題について、これまで、研究協議会などでお話ししてきたことなどを、本協会の重点目標である教育課題、経営課題、協会運営の三つの観点で、あらためて申し上げる。

 一つ目の教育課題では、高大接続改革についてふれたい。

 高校学習指導要領については、昨年七月に解説が公表され、八月に移行措置が示された。特に、総則の解説には、改訂の基本方針や要点のほか、総則の各項目について具体例を挙げて、内容を詳細に記載している。解説等を活用し、学習指導要領の趣旨や内容について十分に理解を深め、新たな教育課程を編成していく必要がある。

 各学校で早急に取り組むこととして、育成すべき資質・能力を明確にしてカリキュラム・マネジメントを構築すること、「主体的・対話的で深い学び」による授業の研究・実践を積み重ねること、「総合的な学習の時間」の内容を見直し「総合的な探究の時間」に生かすことが挙げられる。社会に一歩踏み出せば、様々な問題に直面することから、探究的な学習を取り入れ、様々な問題に対応できる素養を身に付けることが重要であり、各教科・科目や「総合的な探究の時間」の工夫が必要になってくると考えている。

 つぎに、「大学入学共通テスト」について。昨年八月に実施方針の追加分として、英語の民間資格・検定試験の活用で、特別な配慮を必要とする場合などの措置が示された。しかし、解決しなければならない課題がいくつかあり、大学での活用方法の公表もこれからであるので、生徒が不安を抱くことなく、「大学入学共通テスト」がスムーズに実施されるよう、情報の収集と共有に努めていくとともに、具体的な対応の検討を進めていく必要があると考えている。

 二つ目の経営課題では、危機管理と働き方改革などについてふれたい。

 昨年九月に発生した北海道胆振東部地震で、本道は大きな被害を受けた。多くの人々が犠牲になり、大変痛ましく感じている。各学校では、臨時休校の決定、行事等の実施の有無、教職員の勤務の扱いなど、判断に苦慮された場合もあると考えている。また、停電で固定電話が使えず、連絡網が機能しない状況になった。

 こうしたことから、大きな自然災害が発生したときに、生徒および教職員の安全の確認、臨時休校や行事等の中止の判断、停電時における連絡をいつどのように行うかなど、マニュアルを見直し、危機に備えておく必要がある。

 働き方改革について。「北海道アクション・プラン」において、部活動の休養日や活動時間などが示されており、施策をスムーズに進めていく必要があると考えている。一方で、部活動が高校生活において重要な役割を果たしており、生徒の能力の伸長が図られることや、進路選択にかかわる場合があることなどを考慮する必要があると考えている。

 また、昨年、教職員の出退勤について試行調査が実施された。勤務時間の把握をはじめ、新たな施策や取組の導入に当たって、課題などを整理し解決を図っていきたいと考えている。

 後継者育成について。来年度、校長の退職が多くなることが見込まれており、教頭候補の確保が大きな課題となっている。本協会では昨年度から、昇任教頭事前研修会を開催したが、今後も、後継者育成につながるような取組を推進していきたいと考えている。

 三つ目の協会運営について、協働体制と調査・研究についてふれたい。

 本協会の協働体制について。本年度、道教委主催のテレビ会議システムによる道高校教育改善研究協議会が八月と十二月の二回開催された。道教委の各課からの説明のあと、テーマに基づいた協議を行い、一回目は「働き方改革」、二回目は「勤務時間の把握」について、数多くの意見などが出され、参加された校長先生や道教委の方々で現状と課題を共有できたと考えている。今後も、こうした研究協議の充実が一層図られるよう努めていきたいと考えてる。

 調査・研究の推進について。本協会の活動の要であり、高校教育における喫緊の課題について調査・研究を積み重ね、冊子として取りまとめた。各委員会の校長先生方の尽力に、深く感謝する。先ほど申し上げた教育課題や経営課題の参考になるものと考えている。

 調査・研究については、教育の動向などを踏まえ、構成の見直しを図ってきた。今後も、必要な組織を構築していきたいと考えているので、意見などを寄せていただければと考えている。また、来年度の委員の募集をさせていただくので、協力をお願いする。

(関係団体 2019-01-16付)

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