道教育振興会と道退職校長会が教育会議 顔と顔合わせ連携を 推進指標に基づき意見交流
(関係団体 2019-01-29付)

北海道教育会議
〝自ら学ぼうとする子〟の育成を目指した

 道教育振興会(工藤達成会長)と道退職校長会(永峰貴会長)は二十五日、ホテルライフォート札幌で第十七回北海道教育会議を開いた。主題「“自ら学ぼうとする子”をどのように育むか~新しい時代に求められる資質・能力の育成のために」のもと、話題提供や推進指標に基づき意見を交わした。出席者からは、家庭・地域と連携を深めるために顔と顔を直接合わせ気持ちを通じ合わせる重要性や、他者とのかかわりの中で主体的に学ぶ子を育てる大切さを訴える意見が挙がった。

 道教育振興会は、北海道教育の正常化を願い、昭和四十九年に発足。以来、時代の進展とともに、様相を変えていく教育に向き合いながら、一貫して、教育の不易と流行を見定め、正常化と活性化を目指して、公正な教育世論の醸成、学校教育支援に尽力している。

 五十九年度からは、道退職校長会と共催で教育に関する諸問題を協議する教育懇談会を開催。平成十四年度からは、協力教育関係機関・団体が一堂に会し、教育にかかわる喫緊の課題を議論し、その成果を北海道教育の指針として共有する場として教育会議を開いている。

 十七回目を数える会議には、道内の教育関係団体から約百十人が出席した。

 開会に当たり、道教育振興会の工藤会長があいさつ。AIや情報機器などの目覚ましい発達に伴うグローバル化の進展にふれた上で「どんな時代でも学習の本質は人が考え学ぶことにある」と強調。「全道の関係教育機関が一堂に会し、主題に基づいて北海道の教育内容を協議することは極めて有意義」と述べ、活発な協議を呼びかけた。

 道教育振興会の田山修三常任理事が主題の趣旨を説明したあと、協議に移り、日本理化学工業〓常務取締役の西川一仁氏が話題提供した。

 西川氏は、知的障がい者二十八人を雇用する美唄工場の概要や主な作業内容を説明。従業員一人ひとりがもつ潜在能力を引き出す大切さを説き、従業員の理解力に合わせて作業工程や到達目標を工夫していることを紹介した。

 また、「幸せとは社会の役に立つこと」とし、誰もが働く幸せを感じられる職場づくりを進める重要性を強調。働くことの意義をあらためて社会全体で考え、子どもが自ら学ぶ意欲を高められる環境を整備する大切さを訴えた。

 このあと、主題のもと、話題提供や推進指標の内容に基づき意見交流。学校関係者からは「家庭・地域との連携を深める上で、顔と顔を直接合わせ、互いに表情をみて気持ちを通じ合わせることが大切」「自ら学ぶ子を育てていくためには、他者とのかかわりの中での学習が不可欠」などの意見が挙がった。 

 また、教育行政関係者は、本年度のコミュニティ・スクール(CS)の取組状況を紹介し「来年度からは、導入の促進だけでなく、取組の質を高める取組も進めていく」との考えを示した。

 推進指標はつぎのとおり。

 すべての子どもに新しい時代に求められる資質・能力」が育成されるように、「自ら学ぼうとする子をどのように育むか」という視点からあるべき姿や具体的な手立てを共有し、家庭・学校・地域が連携・協働する。

▼家庭では、子どもたちが自ら考え、進んで行動する家庭環境をつくる!

▽保護者は、自身の人生を豊かにする家庭を創ろう

▽子どもの良さをみつけ、褒めたり認めたりして、意欲を引き出そう

▼学校では、子どもたちが楽しく生活・学習できる学校文化をつくる!

▽主体的な子どもにする教育課程を編成して、分かりやすく発信しよう

▽「主体的・対話的で深い学び」の教育を実践しよう

▼地域では、子どもたちが参画し、地域で子育てする地域社会をつくる!

▽安心・安全に活動できる「まち」を創り出そう

▽子どもたちが企画・運営にかかわるイベントを工夫しよう

(関係団体 2019-01-29付)

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