道教委と道教育大がセミナー 授業力向上に向け研鑚 附属函館小の2授業公開(道・道教委 2019-03-12付)
澤田教諭による国語の授業
【函館発】道教委、道教育大は二月中旬、道教育大学附属函館小学校を会場に、授業力向上セミナーを開催した。渡島・檜山管内の教職員など、約百五十人が参加。国語と算数の公開授業のほか、実践発表などを通して、指導力向上に向けて研鑚を積んだ。
セミナーは、今後、教育界に求められる、二一世紀型学力の育成に対する現状や課題を踏まえ、道教育大学附属函館四校・園連携のもと、主体的・対話的で深い学び、特別支援、情報活用能力の視点からの授業公開、実践発表などによって、授業力向上を目指すことが目的。
本年度は、これまでの研究成果を踏まえ、児童への多様なアプローチをテーマに、学力の優劣や発達障がいの有無に関係なく、すべての子どもが楽しく「わかる・できる」よう工夫・配慮し、主体的・対話的で深い学びの実現を通して、資質・能力の向上を図っていくような指導を進めている。
開会式では、附属函館小の北村博幸校長が「大学と協働した先進的な研究や研修機会の提供などが附属学校の使命」と強調。四校・園では特別支援教育や情報活用能力の育成にかかる共同での研究実践に取り組んでいることを紹介し、「この機会に研修を深めていただくとともに、指導助言を願いたい」と呼びかけた。
続いて、義務教育課の丸山敏儀主任指導主事が、「北海道教育委員会からのメッセージ」と題して、本年度の全国学力・学習状況調査の本道の調査結果の分析や授業の質を高める取組などを説明した。
続いて三年生の国語と五年生の算数の授業が公開された。
このうち、三年一組(児童数三二人)の国語では、単元「どちらが生たまごでしょう」を澤田仁志教諭が指導した。
本時は八時間扱いの四時間目。目標を「中心となる語や文を見つけて要約したり、内容を捉えたりすることができる」と設定した。
はじめに、段落の要約のほか、写真と文章を合わせて読んでいきながら、前時の学習を振り返った。澤田教諭は本時の見通しを持たせた上で、「五から七段落を要約したり、写真と文章を合わせたりしながら読もう」と呼びかけた。
このあと、澤田教諭が段落の情報をまとめたカードや二種類のたまごの写真をホワイトボードに掲示。各段落で説明されている文章を児童と一緒に読み解いていきながら、生たまごとゆでたまごの違いなどの質問を投げかけ、二つを見分ける方法として、回り方で判断できることを理解させた。
最後に、本時の振り返りを記入し、次時への活用方法を考えさせた。
授業後の事後検討会では、五、六人ごとのグループに分かれ、単元計画や授業の展開などについて意見を交わした。
参加者からは「育成する資質・能力と単元計画、評価の関係が参考になった」「授業でのめあての確認や振り返りの仕方が工夫されていた」などの声が挙がった。
(道・道教委 2019-03-12付)
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