沼田町31年度教育行政方針 沼田学園にCS導入 一貫・連携教育を定着
(市町村 2019-04-10付)

沼田町吉田憲司
沼田町教委・吉田憲司教育長

 【岩見沢発】沼田町教委の吉田憲司教育長は31年度教育行政執行方針で、沼田学園について、コミュニティ・スクールを導入する考えを示した。このほか、沼田スタイルを生かした組織的な指導力の向上に向けた研究・実践活動を継続し、一貫・連携教育の効率的、効果的な推進と定着を目指すとしている。

 教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。

 沼田学園について。一貫・連携教育の第3期を迎える本年度は、児童生徒が社会で自立できる基礎的な資質・能力の育成を図るため、これまでの一貫・連携教育の取組の成果を生かしながら、学校における組織体制・指導体制のさらなる充実を図り、義務教育の9年間における子どもたちの心身の発達段階に応じたきめ細やかな指導を進めるとともに、ふるさと沼田に誇りをもち、社会をたくましく生き抜く子どもを育てるための教育となる、新たな3年間のスタートの年とする。

 併設型小中一貫校のメリットを生かして、義務教育の9年間を見通した教育課程を整理し、系統性を意識した効果的な授業の深化と充実を図る。また、沼田スタイルを生かした組織的な指導力の向上に向けた研究・実践活動を続け、一貫・連携教育の効率的、効果的な推進およびその定着を目指していく。

 小・中学校においては、全国学力・学習状況調査やNRT標準学力検査などから明らかになった教育課題を学校間で共有・連携し、学力向上への取組を一層推進していく。また、小学校においては、町費によって補助教諭1人と学習支援員1人を配置し、チーム・ティーチング等によるきめ細やかな学習指導を進めていく。

 特別支援教育について。支援を必要とする児童生徒一人ひとりの特性を把握し、小学校から中学校まで児童生徒の発達に応じた教育の充実を図るため、支援員を小学校に継続して3人、中学校にも3人を配置し、体制の充実に努める。

 小学校の英語教育の早期化や、小・中学校の道徳の教科化、プログラミング教育など時代の要請に応じた授業が始まるため、教職員が先進地視察や各種研修会へ参加するなど、職能向上を図るとともに、信頼される学校ならびに教職員の育成に努める。

 また、地域とともにある学校づくりを目指し、学校と地域住民・保護者がパートナーとして連携・協働し、学校が抱える課題の解決に向けて取り組むための学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を設置し、目標やビジョンを共有することによって、一層地域に開かれた信頼される学校づくりの実現を目指す。

 地域素材を活用し、地域の人々に協力いただきながら、町の良さや魅力を知るふるさと教育に本年度も取り組んでいく。

 児童生徒が町内の様々な職業や地元企業の職場を見学したり体験することで、職業についての基礎的な知識と技能・勤労を重んじる態度を学び、個性に応じた将来の進路を選択する能力を養うことを目的としたキャリア教育も引き続き取り組んでいく。

 昨年から週5日の配置とした外国語指導助手の活用による効果的な授業の展開、小学校教員の英語の指導力向上に向けた研修活動や小中一貫・連携教育における英語授業の系統化、中学校英語教師の乗り入れ授業、中学生への英語検定の受検料助成を行ってきた。2020年度の全面実施に向けて外国語活動等のさらなる充実を図っていく。

 学校生活における児童生徒の意欲や満足感、学級集団の状態をアンケートによって調査するhyper―QUテストを実施し、生活意欲や満足度を知ることで、学級崩壊の予防や不登校・いじめなどを未然に防止するよう努め、小・中学校が共通の学習規律をもって、9年間を落ち着いて授業を受けることができる環境を保っていく。

 健やかな身体の育成については、沼田学園の全学年が実施する新体力テストの結果に基づき、児童生徒の体力向上に向けた検討を行い、小学校の体育授業でのコーディネーショントレーニングの導入、休み時間・放課後などにおける体力づくり活動の展開、少年団活動や部活動への参画奨励、社会教育事業や体育振興事業においても体力づくりにつながる様々な機会を提供し、体力と忍耐力の向上を図っていく。

(市町村 2019-04-10付)

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