東川町がメディアルール策定 電子機器の有効活用を 各家庭にルール設定求める
(市町村 2019-04-10付)

東川町メディアルール策定
小学生低学年・高学年、中学生・高校生、保護者向けに作成した

 【旭川発】東川町学力向上推進協議会、東川町PTA連合会、東川町教委は、町内の児童生徒や保護者に向けて、スマートフォンなどの電子メディア機器の有効な活用を図るため東川メディアルールを策定した。各家庭で電子メディア機器の利活用に関するルールを決め、正しく利用できるよう意識の向上を図っていく。

 東川メディアルールは、スマートフォンなどの電子メディア機器を規則正しく有効的に活用するための行動指針を定めたもの。統一した指針をあえて示さず、個々の家庭事情を考慮し、子どもたちが家族と話し合って、使用時間や使用場所などのルールや目標設定ができるようになっている。

 策定に当たり町は、近年、スマートフォンなどの急激な普及に伴って小・中学生のスマートフォン等保有率が増加し続け、長時間使用による規則正しい生活リズムの崩れや学力低下、インターネット犯罪に巻き込まれるなど、様々な問題が懸念されていることを問題視してきた。

 そのため3者は、子どもたちや保護者に対して、正しい電子メディア機器の有効な活用を呼びかける方策について検討を重ね、昨年8月に町内の全小・中学校の子どもたちを対象に「スマートフォン・インターネット等の利用に関するアンケート」を実施した。

 アンケート調査では、家庭で過ごす子どもたちの電子メディア機器の利用状況などに関する9項目を設定し、実態を明らかにすることとした。

 その結果、電子機器の使用率が高いことが分かり、原因として保護者が安易にスマートフォンなどを買い与えてしまっている現状や、少年団活動や部活動で連絡手段として利用されているケースが見受けられ、当初予想していたよりもインターネットの利用開始時期が低年齢化していることが実態として挙げられた。

 この実態を踏まえ、3者はメディアルール策定に着手。完成した東川メディアルールは、小学校低学年、小学校高学年、中学生・高校生にA4判1枚で3部、保護者向けにはA4サイズで表紙を含め4ページにまとめた。

 内容をみると、小中高生向けには町の子どもたちの実態を紹介。長時間使用による心身への影響などについて示しているほか、自分で改善するための取組15項目が設定されており、できるものにチェックを入れられるようになっている。小学生向けは、個人の目標設定もできるようにした。

 保護者向けには、フィルタリングの設定やスマートフォンの有効な機能紹介、国や大学の研究結果からスマートフォンの長時間使用が学力低下に影響を及ぼしていることなどを掲載。

 パンフレットは、2月に行った中学校の保護者説明会で配布したほか、小中高生には入学式で配り、担任などが説明した。

 林万里教育長は「子どもと大人が一緒にスマートフォンなどの利用についてあらためて話し合い、ルールを決めて有効な活用が図られるように考えてほしい」と期待を寄せている。

(市町村 2019-04-10付)

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