働き方改革で宮下会長代行―道高校長協会　教育の質低下させずに　勤務管理に留まらない対策を

（関係団体 2019-04-15付）

宮下会長代行は、協会の活動方針にもふれた

　道高校長協会は11日、道庁別館で第1回理事研究協議会を開いた。宮下聡会長代行があいさつに立ち、教員の働き方改革について「教育の質を低下させずに、働き方改革を推進するためには、勤務管理にとどまらない対策が必要」と述べた。また、協会の活動方針にふれ、引き続き、全道の校長と連携して重点目標の実現や活動の充実に努めていく考えを示した。

　宮下会長代行のあいさつ概要はつぎのとおり。

　2019年度は、いよいよこれまで準備してきた高大接続改革が具体的に始動する年となった。学習指導要領の移行措置が総合的な探究の時間や特別活動等において実施される。総合的な探究の時間の学習を進めるために、教育環境の整備が必要になる。成人年齢引き下げに伴い、消費者教育も家庭科では先んじた実施が求められているが、学校によっては教育課程の編成上、実習のための施設や教員の確保が課題となっている。高校生のための学びの基礎診断の認定結果はすでに公表されているが、すべての団体に対して指摘事項が付いている。この秋には、大学入試英語成績提供システムに基づき、高校生一人ひとりにＩＤが付与されるが、詳細な情報が十分提供されているとは言い難い状況である。

　一方で教員の長時間労働が大きな問題となり、学校における働き方改革が進んでいる。

　2021年度を目途に、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインでは一日の勤務時間を超えた時間の1ヵ月の合計が45時間を超えないようにすることが求められる。本道でも「北海道アクション・プラン」に基づき、様々な取組が行われている。教育の質を低下させずに、働き方改革を推進するためには、勤務管理にとどまらない対策が必要である。現状の取組を生徒や保護者・地域などがどのように評価しているか、情報を収集し、実効ある運用について道教委と協議を重ねていくことが一層大切になると考えている。

▼30年度公立高校長人事

　本年度の本協会の加盟校数（予定）は公立228校、私立56校、合わせて284校である。公立高校では新たに33人の校長が採用された。転任および新採用を合わせて102人の異動であり、異動率は44・7％となっている。

▼協会の活動方針

　主題は「北海道の新たな時代を拓く高等学校教育の創造」、副題は「新高等学校学習指導要領が目指す教育を実現する」と修正した。また、教育課題、経営課題、協会運営ごとに設定した重点目標については、急速な社会の変化や高校教育における喫緊の課題等を踏まえて一部見直した。引き続き、全道の校長と連携して重点目標の実現および活動の充実に努めていく。

▼教育改革等の動向を踏まえた学校経営

　学習指導要領の移行措置の実施、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善、主権者教育、消費者教育などに関連した指導の充実、2020年度から始まる大学入学共通テストへの対応等、教育改革の動向を踏まえた取組が次々に求められている。一方で学校における私たちの働き方も見直しが求められている中、さらなる情報収集と共有、施策導入後の課題の解決に努めていく。

　間もなく元号が平成から令和に変わる。まさに新しい時代の幕開けとなった。本協会も昨年70周年事業を終え、つぎの節目に向けて動き出す最初の年になる。本年度も、理事の皆さんと連携を図り、本協会の活動を充実させながら、様々な課題の解決に努めていく。協力をお願いする。

(関係団体 2019-04-15付)