東川町31年度教育行政執行方針 11月に研究大会開催 グローブの実践を全道へ
(市町村 2019-04-25付)

東川町教委林万里
東川町教委・林万里教育長

 【旭川発】東川町教委の林万里教育長は31年度教育行政執行方針において、基本方針に基づいた3つの重点施策と主要施策を掲げた。29年度から文部科学省委託事業「研究開発学校制度」に取り組んでいる国際教育(研究開発学校)の推進については、11月に新教科「グローブ(Globe)」の研究大会を開催。実践研究の成果を、全道に発信する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【基本方針】

「ふるさとを愛し、社会を支える自覚と高い志にあふれ、地球規模で活躍する人づくり」

【重点施策】

▼重点Ⅰ ふるさと教育の推進

 地域資源を有効的に活用し、地域の自然・地理、歴史や文化、産業や先賢になどに関する学習を深めることで、ふるさとへの愛着や誇りをさらに高め、地域を支える次世代の人材育成を図る。

▼重点Ⅱ 学力向上対策の推進

 授業についていけない子を一人もつくらないという信念のもと、子どもたち全員の学力を保障し、将来の選択肢が広げられるよう、学校、家庭、地域、行政が一体となった学力向上の取組を進める。

▼重点Ⅲ 国際教育(研究開発学校)の推進

 29年度、文部科学省から4年間の指定を受けた「国際教育にかかる研究開発学校」の取組は、文化や価値観などの異なる人々とよりよい人間関係を構築できる資質・能力の育成に重点をおき、幼・小・中・高を通して、東川町の地域資源を最大限に活用した国際教育を推進している。

 幼小中高までの長期にわたる学びの積み重ねであることから、各校種間の接続の系統性を確保することがより一層求められる。

 子どもたちが新教科「グローブ(Globe)」で学んだ能力をよりスキルアップさせるためには、実践の場で活用することが最も重要であることから、在住外国人や日本語留学生との交流や国際交流イベントなど体験する場を増やす。

 11月には、「ローカル」「グローバル」「コミュニケーション」で構成される新教科「グローブ(Globe)」の実践研究成果を全道の教員や教育関係者などを対象に発表する研究開発学校研究協議会(研究大会)を開催する。

【主要施策】

▼就学前教育(乳幼児保育・幼児教育)の推進

 地域資源を活用した特色ある教育を充実させ、家庭や地域との連携を図りながら新教科「グローブ(Globe)」をはじめ、「プレスクール」「スポーツ活動」「絵本の読み聞かせ」の推進を図る。

▼学校教育の推進

▽新学習指導要領への移行

小学校においては、授業時数の増加に伴う教育課程の編成も含め、主体的・対話的で、深い学びを視点とした授業改善、道徳の授業を考え議論する授業への質的転換、国際教育にかかる新教科「グローブ(Globe)」の推進、プログラミング教育の検討・実践等を着実に推進する。

▽組織力・学校力の向上

 専門性に基づくチーム体制の構築では、教員以外の専門スタッフを配置して、学校全体で機能を発揮できる体制を整える。

 働き方改革の推進では、学校と地域をつなぐ地域連携職員の配置やタイムレコーダーの導入、ICT機器の整備、部活動指導員の増員など様々な施策を講じることによって、教職員の働き方改革を推進する。

▽個に応じたきめ細かな授業の推進

 学習支援員・教育補助員・特別支援教育支援員などを配置し、児童生徒の実態に応じた習熟度や少人数による指導などのきめ細かな授業を実施し、学習内容の確実な定着と自ら学び考える力を育成する。

①習熟度別および少人数指導の実施(小・中学校)

②30人学級による少人数指導の実施(中学校)

③外国人子弟などに対する学習支援の実施(小・中学校)

④放課後学習サポートの充実(小・中学校)

⑤放課後学習ゆめスクール(小学校)と地域未来塾(中学校)の実施

▽読書活動の推進

 各小・中学校においては、朝読書や読み聞かせ事業の充実、教科学習での学校図書館の活用を図る。

 学校図書館の蔵書の充実を図るとともに、司書教諭および学校とせんとぴゅあ〓の図書館司書などが中心となり、本好きな子を育てる読書通帳やブックトーク事業を積極的に進める。

▽食育の推進

 7月に道教委主催で道学校給食研究大会が東川小学校と体験農園を会場に開催されることから、開催地として全面協力するとともに、町の食育事業の向上に繋げる。

▽学社連携の推進

 町学社連携推進協議会が推進母体となり、コミュニティ・スクール、地域学校協働本部が車の両輪となって、地域全体で未来を担う子どもたちを育んでいる。

 町地域交流センターを拠点に地域連携職員やコーディネーターが中心となり、地域人材の応援をいただきながら、農業体験活動や食育授業、放課後子供教室、土曜学習、ゆめスクールや地域未来塾の放課後学習、スキーや水泳のボランティア活動など、様々な学社連携事業を積極的に推進する。

▼社会教育の推進

▽早寝・早起き・朝ごはん運動の全町的な取組

生活リズム改善をテーマにした子育て講演会の開催や、小学生の夏休み写真絵日記、中学生の標語の募集などを行い、規則正しい生活習慣を身に付ける早寝・早起き・朝ごはん運動を全町的な取組として展開する。

▽スポーツ振興の推進

スポーツ推進委員やスポーツ国際交流員(SEA)、地域おこし協力隊などを活用し、幼児期からの遊びを通した体力づくりや小中学生の体育授業の改善、少年団や部活動の活性化、高齢者の軽スポーツの普及など、運動習慣の定着に向けた取組を進める。

(市町村 2019-04-25付)

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