新ひだか町31年度教育行政執行方針 奨学金を給付型へ 町立学校再編計画策定
(市町村 2019-04-25付)

新ひだか町教委高野卓也
新ひだか町教委・高野卓也教育長

 【浦河発】新ひだか町教委の髙野卓也教育長は31年度教育行政執行方針で、町奨学金制度について貸付型を廃止し、すべて給付型奨学金として運用していく考えを示した。小・中学校の再編整備に向け町立学校再編整備計画を策定する方針を明らかにした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育の充実】

▼確かな学力の育成

▽主体的・対話的で深い学びの展開

 問題解決的な学習過程を基本に、ICT機器の活用などを通して主体的・対話的で深い学びのある授業づくりを推進する。また、ふるさと教育を柱に、地域の教育資源の活用による体験的な深い学びを通して、将来の町の担い手として、ふるさとへの理解を深め地域の発展に貢献しようとする意欲や態度を育成する。

▽家庭学習と補充的学習の充実

 引き続き、啓発資料『家庭学習のすすめ』を作成し、各家庭に配布するとともに、町内一斉に家庭学習強化週間を設けるなど、学校と家庭の協働による取組を推進する。

 また、子どもたちの学習機会を補充する放課後学習サポートや、長期休業中の公設学習塾など、地域の学習支援ボランティアや高校生などの協力による支援体制の強化を図り、町ぐるみによる取組を推進する。

▼豊かな心と健やかな体の育成

▽体力・運動能力向上の取組の充実

 地域の人材や教育委員会職員を派遣して指導・支援を行う体力向上活動サポーター派遣事業の活用を促す。さらに、小学校体育専科教員を引き続き高静小学校に配置し、町内小学校教員等に対する指導・相談に対応するなど、全町的な取組を進める。

▽いじめ、不登校および児童虐待等への取組の充実

 静内中学校区を推進地域とした中1ギャップ問題未然防止事業によって、小・中学校間の連携を促進し、不登校となる要因の解消に努める。児童虐待については、学校が子どもの様子などからサインを敏感に察知し、子どもの命を守ることを最優先として迅速に教育委員会および関係機関との連携を図り、組織的に対応する。

▼学校力・教師力の向上

▽学校組織の活性化

 道教委の学校力向上に関する総合実践事業の指定を受けた高静小学校の包括的な学校改善への取組を支援する。

▽学校間・地域間連携の推進

 学力や体力・運動能力の向上など諸課題の解明のため、幼稚園・保育所から高校までの縦・横の円滑な連携・接続と、地域の教育力の活用を図る小中一貫教育やコミュニティ・スクールの導入へ準備を進める。

▼教育環境の整備・充実

▽教育委員会による支援の充実

 昨年12月に策定した町立学校における働き方改革アクション・プランに基づき、保護者や地域住民の理解を得ながら、教職員の勤務時間を客観的に把握するとともに、健康管理の充実に向けた取組を主体的に進め、教職員が子どもたちと向き合える時間を確保し、教育活動に専念できる環境の整備に努める。

 災害時等の緊急時における保護者への迅速な周知や、学校教育活動全般での情報伝達を円滑に行うため導入した一斉メール送信システムの有効活用を図り、学校運営の円滑化に努める。

 さらに、町奨学金制度については、国の動向や社会経済情勢の変化などに対応するため貸付型を廃止し、すべて給付型奨学金に見直して支給金額を拡充するとともに、入学前の予約申込制度を新たに設け、利用しやすい制度として運用する。

▽小・中学校の再編整備の推進

 本年度から10ヵ年を計画期間とする町立学校再編整備計画を策定し、町民の意見などを的確に把握しながら、計画的な推進に努める。また、再編整備を進めるに当たって、国庫補助を受けるための要件となる学校施設個別施設計画(長寿命化計画)の策定に取り組む。

【社会教育活動の充実】

 自ら学び続ける喜びと意欲を養うことを目指してわんぱくチャレンジスクールや週末きっずスクールを実施する。

 町民の多様な学習活動を支援するため、生涯学習推進事業での成年友結学級や地域学習講師派遣事業を実施するとともに、乳幼児や小学生の子どもをもつ家庭を対象に家庭教育学級を開設する。

(市町村 2019-04-25付)

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