公立高・特校長会議の道教委所管事項説明② 生涯学習推進局長、教育職員局長、学校教育局高校配置担当局長が説明
(道・道教委 2019-05-14付)

高・特校長会議大川局長
大川祐規夫生涯学習推進局長

◆電子メディア適切な利用を ネイパル活用で授業改善へ 生涯学習推進局

▼ネット利用を含めた望ましい生活習慣の定着 

 ネット利用を含めた望ましい生活習慣の定着については、学校・家庭・地域が一体となって取り組まなければならない喫緊の課題であり、道教委では、PTAなどを通して電子メディアとの適切な付き合い方に関する情報の普及・啓発など、電子メディアとの過度な接触時間を見直す取組を行っている。

 各学校においては、電子メディアとの適切な付き合い方について指導いただくとともに、保護者に対しても一層の啓発に努めていただきたい。

▼道民カレッジ

 道民カレッジは、産学官が連携して道内各地で行われている様々な学習機会を体系化することによって、北海道の創造に寄与する人材を育成することを目的に実施しているもの。道民カレッジ事務局が実施する主催講座と、趣旨に賛同いただいた団体等の講座を登録していただく連携講座があり、毎年、多くの講座を登録いただいている。

 本年度も各学校で実施している学校開放講座等について、引き続き、道民カレッジ連携講座として登録していただきたい。

 また、開放講座の参加者や教職員、生徒の皆さんに対する道民カレッジへの入学奨励もお願いする。

▼ネイパルの利用促進

 このたびの学習指導要領の改訂では、各校種ともあらためて体験活動の重要性についてふれられていることを受け、道教委では、道立青少年体験活動支援施設ネイパルの取組等を紹介するリーフレットを作成し、前年度末に全教員に配布している。

 ネイパルにおける集団宿泊活動等の体験活動が、学校における「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善への支援につながるよう取り組んでいく。一層のネイパルの利用促進をお願いする。

▼アートギャラリー北海道「北海道みらい地図」

 北海道命名150年の昨年、道内各地の美術館が連携する「アートギャラリー北海道」がスタートした。

 道高文連の協力を得て、高校生20人が協同して北海道の未来を展望する絵画「北海道みらい地図」を制作し、11月から2月までの間、道庁赤れんがで展示されたのち、本年度は近代美術館で展示されている。ご覧いただきたい。

 また、道立美術館・博物館では、土曜日、高校生は常設展を無料で観覧できる。生徒の利用について周知をお願いしたい。

◆メンタルヘルス対策を 公務・通勤災害防止重要に 教育職員局

【給与等にかかる事項】

▼教員特殊業務手当(部活動指導手当)の見直し

教員特殊業務手当の部活動指導手当について、本年度見直しを行った。

支給要件である部活動指導業務の従事時間を、4時間程度から3時間程度に、支給金額を1日につき3600円から2700円とするよう、条例・規則等を改正した。

本年度と次年度の2年間については、経過措置によって「3時間程度2700円」と「4時間程度3600円」の2区分を設けている。留意いただきたい。また、再来年度からは、原則どおり「3時間程度 2700円」の1区分のみとなる。

▼公務・通勤災害の防止

平成30年度の全体認定件数は、公務災害・通勤災害を合わせて384件であり、前年比10件減少するも、医療機関等への給付費などは多額。働き方改革の実現に向け、公務災害の発生はその事務処理に本人や事務職員など相当の時間が割かれることから、未然防止は重要である。

高校の発生件数は30年度97件、特別支援学校の発生件数は30年度61件。所属長は、普段から職場環境を十分に把握し、災害防止に関する工夫や、教職員の安全に対する意識を啓発するなど、災害のない環境づくりに努めてほしい。

▼納税

自動車税や固定資産税等の納税は、教職員が自己責任で行うものであるが、期日までに対応しなかった場合は、自治体や国から道教委に対し給与支払調査が行われる。道立学校を含め、道教委全体では、毎年100件を超える回答をしている。

教育公務員は、子どもたちにルールを教える立場であり、より一層法令を順守すべき立場にある。

また、自動車税は道の基幹税目であり、北海道で働いている教職員は早期の納付に努めるべき。今後、コンプライアンス研修の機会等を活用し、納税意識の徹底等、適切な納税について周知してほしい。

【福利厚生にかかる事項】

▼過重労働による健康障害防止対策

 道立学校職員の過重労働による健康障害防止対策取扱要領では、これまで直近1月に100時間を超えた人などを、医師による面接指導の対象としていたが、労働安全衛生規則の改正によって、直近1月に、80時間を超えた人などを医師による面接指導の対象とした。

 また、道人事委員会の勧告を踏まえ、直近1月に100時間を超えた人や直近の2ヵ月から6ヵ月までのいずれかの1月当たりの平均従事時間が80時間を超えた人に対しては、職員からの申出の有無にかかわらず医師の面接指導を実施することとした。

 所属長として、職員の勤務時間の把握・確認を行い、適切に産業医等への報告および医師による面接指導の実施をお願いする。

▼ストレスチェック制度

 全道の教職員の精神疾患による病気休職者は依然として多い状況。

 メンタルヘルス対策の取組は喫緊の課題であり、道教委では、平成26年に改正された労働安全衛生法に基づき、すべての道立学校の教職員を対象にストレスチェックを実施した。

前年度の受検状況は、道立学校全体で96・3%の受検率で、29年度に比べ0・8ポイント増加。しかし、受検率が80%未満の学校が2校あるなど、依然として受検率が低い学校もある。

 ストレスチェック制度は、教職員の心の健康の保持増進を図る上で、極めて重要な取組である。本制度を効果的なものとするためにも対象となるすべての教職員が受検することが望ましい。すべての受検対象者に対し受検するよう勧奨してほしい。

▼道立学校職員等のメンタルヘルス計画

 教職員が心身ともに健康であることは、よりよい教育活動の推進につながることになる。

 このような観点から、道立学校職員等のメンタルヘルス計画の中で、年1回は職場研修を実施すること、各学校において衛生委員会の活性化を図り、メンタルヘルス対策を推進すること、メンタルヘルス・アクションプランを策定し計画的に取組を進めることなどを示している。

 各学校においては、メンタルヘルス対策の一層の取組を行っていただきたい。

▼心の健康相談事業等

 道教委と公立学校共済組合道支部では、ホテルライフォート札幌に心の健康総合相談室を設置。教職員本人やその家族、所属長等を対象とした電話相談、面接相談に応じている。

 面接相談については、専用室を設け、プライバシーに配慮したより相談しやすい環境を整備。相談に当たっては、精神科医師や保健師に加えて教育行政の精通者を配置し、心の健康にかかわる各種制度上の相談等にも対応していく。

 メンタルヘルス不調の予防のためにも本事業の周知と活用についてお願いする。また、前年度に引き続き、管理監督者を対象としたメンタルヘルスセミナーを後志・渡島・上川・根室の4ヵ所で開催予定であり、積極的な参加をお願いする。

▼特定健康審査等の受診・利用促進

 公立学校共済組合では、生活習慣病予防の徹底を図るため、40歳以上の組合員および被扶養者に対し、メタボリックシンドロームに着目した特定健診および特定保健指導を実施。組合員の特定健康診査の受診状況は、ほぼ100%の受診率となっており、特定保健指導の対象者には、食生活や生活習慣の改善に向けた指導として学校訪問型特定保健指導を行う。

被扶養者の利用者は、平成29年度実績では、特定健康診査が利用率37・8%、特定保健指導が0・9%。被扶養者は、特定健康診査の無料の受診券、特定保健指導も無料の利用券の活用が可能である。

 引き続き、職員や配偶者の特定健康診査の受診および特定保健指導の利用促進について、配意願う。

▼ホテルライフォート札幌の利用促進

 ホテルライフォート札幌では本年度も、組合員やその被扶養者等を対象に利用促進に向けた取組を行う。

 宿泊については、組合員等のニーズを踏まえ、禁煙ルームの予約がしやすくなるよう3月から客室全体における禁煙ルームの割合を55%から73%に拡充した。

部活動の遠征、修学旅行等の学校単位での利用のほか、各種会議宴会等の教育関係団体などでの利用も含め、積極的な利用をお願いしたい。また、組合員オンライン予約などの利用について職員に周知してほしい。

◆地元進学率向上が鍵 学校間連携、積極的に活用 学校教育局高校配置担当

▼高校配置計画

 昨年3月に策定した「これからの高校づくりに関する指針」はもとより、本年3月に策定した道高校教育アクションプログラムにおいても、広域分散型の地域構造をもつ本道においては、全国を上回るスピードで進む人口減少や、中学校卒業者数の減少などを背景に、高校の小規模化が進んでおり、地方創生の観点からも、地域の教育機能の維持向上、とりわけ地域振興の核として、生徒に持続可能な社会の創り手としての資質・能力を育成するため、高校の機能強化を図る必要があるとの認識を示した。

 本年度は、すでに決定済みの令和2年度、3年度の配置計画に4年度の計画を加えた3年間の計画を策定する。例年同様、6月上旬に計画案を示したい。

 4年度の中卒者数は全道で800人以上の増加となり、特に、石狩学区では500人を超える増加が見込まれているが、5年度以降は、各学区において再び減少傾向に転じることなどを踏まえた検討が必要。

 高校教育においては、一定程度の学校規模は必要との考えではあるが、単に高校の存続、学校規模の維持という視点ではなく、「地域にどういう高校が必要なのか」という視点で高校づくりに取り組みたい。

 特に、小規模高校の維持・存続には、地元進学率の向上が鍵であり、どういう高校であれば地元の中学生やその保護者のニーズに応えることができるのか、そのために道教委として何ができるのか、各地域の実情を踏まえ、各学校や地域の方々とともに、高校の在り方を考えていく。

▼道立学校間連携

 教員が相互に連携する学校に出向いて授業を行うことによって教育課程の維持充実を図り、教育活動の一層の推進に資することを目的としており、年度の途中からでも実施可能となっている。

 また、平成29年度から特別支援学校との連携も可能としている。積極的に活用してほしい。

▼通学費等補助制度

 前年度は、全道で36人を対象に補助を行った。該当校においては申請漏れがないよう、事務手続きを適切に行っていただきたい。

▼コミュニティ・スクール

 道立高校におけるコミュニティ・スクールは、3月および4月の教育委員会において、新たに5校の学校運営協議会の設置を決定し、全部で13校となった。

 今後については、準備の整った学校から順次、コミュニティ・スクールの導入を進めていく。

 また、道教委では、小・中・高校等におけるコミュニティ・スクールの導入促進や取組の充実を図るため、本年度、各管内で推進協議会を、また、道内4ブロックでコーディネーター等協議会を開催する予定であり、導入校および導入を検討している学校においては、積極的に参加していただきたい。

▼就学支援金事務等

 来年度からマイナンバーを利用した就学支援金システムの運用が始まる。本年度は運用に向けて、マイナンバーの写しを取りまとめ、データ等の作成を行うこととしている。協力をお願いする。

 また、授業料の徴収や還付については、校内のチェック体制等を十分確認してほしい。

この記事の他の写真

高・特校長会議宇田局長
宇田賢治教育職員局長
高・特校長会議山本局長
山本明敏学校教育局高校配置担当局長

(道・道教委 2019-05-14付)

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