函館市立幼稚園・学校のＣＳ　本年度設置率１００％達成　学校核に地域づくり

（市町村 2019-07-11付）

　【函館発】学校を核とした地域づくりの推進に取り組む函館市教委では、平成２８年の五稜郭中学校を皮切りに、３０年度に小学校３０校と中学校２０校で３６協議会を設置。本年度は市立幼・小・中・高校全校で全４９協議会を設置した。中核市の市立幼・小・中・高の設置率１００％は全国的に珍しいといい、道内の中核市では初となった。

　今後、地域や家庭、関係機関と連携した取組を進め、各校が地域とともにある学校の実現を目指していく。

　市教委は運営協議会設置推進に向け、２９年度から地域や保護者が理解促進を目的にコミュニティ・スクール（ＣＳ）をテーマにした教育振興フォーラムの開催や、ＣＳに関する資料およびリーフレットの作成などを進め、地域と学校がより密接に協力する体制づくりに取り組んでいる。

　昨年、市教委が３０年度導入校５０校で実施したＣＳ導入の成果に関するアンケートでは、８割以上の学校が「学校と地域が情報を共有するようになった」と回答。地域との連携強化が着実に進んでいる。

　前年度から先行的にＣＳを設置した学校のうち、青柳中学校と中学校区内の青柳小学校、弥生小学校、あさひ小学校では、中学校区内４校によるＣＳ「青柳ネット」を設置。各校長のほか、町会役員や保護者など２１人が委員を務め、年３回の全体協議を開催した。

　各校に、学校支援部会と地域活動部会の２つのワーキンググループを設置。学習支援や校外生徒指導を行っている。青柳中の山口哲也教頭は「教職員や地域のＣＳに対する理解は深まっている。ワーキンググループの活動も今後充実していくはず」と、地域との連携強化を実感している。

　また、市教委は学校指導監２人のうち、菊池守晃指導監をＣＳ対応の専任として配置。学校訪問を通して、各校の活動状況の把握や課題解決の方法などを助言しながら、各学校の活動充実を目指していく。

(市町村 2019-07-11付)