胆振東部地震1年 被災地の今 早来中で新校舎建設へ 微震に反応する子も(学校 2019-09-06付)
【室蘭発】道内初の震度7を観測した北海道胆振東部地震が発生して、きょう6日で1年。地割れが発生して校舎が利用できなくなっていた安平町立追分小学校では、ことし1月から自校での授業を再開した。早来中学校は依然、仮設校舎で授業を続けている。町は新校舎の建設に向け準備中。いまだ微震に反応する子どももおり、学校関係者は「災害は決して過去のものではない」と話す。
地震発生後、火力発電所の緊急停止に伴い、道内ほぼ全域にわたって停電(ブラックアウト)が発生。この日は発電設備を保有する離島を除き、多くの幼稚園や学校が臨時休校となった。
特に被害の大きかった胆振管内では、安平町の追分小と早来中で地割れのために校舎が利用できない状況に。ボーリング調査の結果、追分小は地盤の安全性が確認され、ことし1月から自校での授業を再開した。早来中は仮設校舎での授業を続けている。
安平町は早来中の新校舎建設に当たり、老朽化が進む早来小学校との一体型の校舎の建設に向けた検討を開始。10日にも新校舎建設基本計画のパブリックコメント結果を示す見通しで、令和4年度中の利用開始に向けた準備を進めている。
地震発生後1年が経過し、胆振管内のある学校の教頭は児童生徒の様子について「落ち着きを取り戻しているものの、微震に反応して体調を悪くする子どももいる」と話す。
地震では、多くの学校で児童生徒の安否確認など情報収集に支障を来した。ある小学校では、安否確認の在り方を再検討し、保護者への引き渡し訓練を開始した。
ある高校では、大規模な津波を想定した避難訓練を9月に初めて実施。関係者は「浸水地域に指定されていない地域だが、万が一のことを想定して行った」と。今も、災害は決して過去のものではないという。
(学校 2019-09-06付)
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