「世界津波の日」高校生サミット 相互にネットワーク拡大 大会宣言採択 世界と固い絆
(道・道教委 2019-09-12付)

世界津波の日高校生サミット北海道開催・全体
道内高校生が奥尻島での事前学習ツアーの内容を報告

 道、道教委主催の「世界津波の日」2019高校生サミットin北海道が10日から2日間、札幌市内の道立総合体育センターで開催された。大会テーマは「記憶を未来へ、備えを明日へ~北の大地からイランカラプ テ。自然災害の脅威と対応を学ぶ」。日本を含む44ヵ国の高校生約400人が一堂に会し、防災・減災の取組について意見を交換。過去の災害の脅威や防災の知識を学び、復興のため、相互のネットワークを広げるとする大会宣言を世界に発信し、各国との絆を深めた。

 サミットは、日本が国連総会で「世界津波の日(11月5日)」を提唱し、平成27年に採択されたことを契機として、28年から毎年、国内で開催している。

 初の北海道開催となった今大会は、全体テーマ「記憶を未来へ、備えを明日へ~北の大地からイランカラプ テ。自然災害の脅威と対応を学ぶ」を設定。地震や津波などの自然災害の影響を最小化できる国土強靱化を担う将来のリーダーを育成するとともに、世界各国との絆を深めることを目的としている。

 国内からは、71校の高校生と引率者約260人、海外からは43ヵ国59校の高校生と引率者約260人が参加。生徒数は道内・国内合わせて約400人となった。

 大会はすべて英語で進行。開会式と総会の内容は、世界にLIVE配信された。

 初日は「知識を得る~過去の教訓の伝承」「意識を高める~災害への備えと迅速な避難」「復興に向け行動する~社会貢献、被災当事者と支援者の視点」の3テーマで分科会。生徒たちは12のブースに分かれ、自国の自然災害の歴史や災害に備える防災教育の実践を紹介。防災意識の向上や、政府が講じるべき施策などを問題提起した。

 開会式のオープニングアトラクションでは、札幌白石高校吹奏楽部の生徒が歓迎演奏。参加各国の紹介のあと、サミット議長を務める札幌国際情報高校2年生の井戸静星さん、札幌日本大学高校1年生の桐越航君が開会を宣言した。

 続いて、鈴木直道知事が登壇。北海道南西沖地震、北海道胆振東部地震など過去の災害を振り返り、防災意識を高めるサミット開催の意義を強調し、命の大切さや今後への備えについて学ぶよう期待した。その上で「互いの心にふれあうことで絆を深め、世界中に同年代のネットワークを築くことを期待している」と述べた。

 つぎに、奥尻高校、江差高校の生徒が、8月に奥尻町で実施した事前学習ツアーについて報告。過去の災害の記憶を伝承し、自らを守る防災の知識を学ぶ必要性を示した。

 タイ、ロシアの生徒は、サミット開催に先駆けて釧路市など1市7町で実施したスタディツアーを報告。奥尻高校や釧路湖陵高校など道内高校生との交流を通して育んだ絆や、防災関連施設で学んだ知識を伝えた。

 2日目、道知事公館で記念植樹・記念碑除幕式を実施。参加各国の生徒は44本の苗木を植樹した。

 道立総合体育センターに移動して総会を開催。あいさつに立った佐藤嘉大教育長は、サミットを契機に各国の高校生が絆を深めるとともに「国や地域を問わず、世界中で津波の脅威について関心が高まることを期待している」と述べた。

 安倍晋三首相のビデオメッセージを上映したあと、分科会の討議内容について報告。未来の自然災害に備えるため、過去の災害の脅威や防災の知識を学び、復興のため、相互のネットワークを広げるとする大会宣言をまとめ、世界に発信した。

 最後に、札幌南高校書道部が書道パフォーマンスを披露。巨大な紙の上に立ち、音楽に合わせて力強い書作品を完成させた。

 今後、サミットの内容をまとめた報告書を作成・公表する。10日の開会式、11日の総会・閉会式の様子は、動画配信サイトYouTubeで配信している。

(道・道教委 2019-09-12付)

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