4割「進学費確保できず」 石狩市の実態調査で母子世帯回答
(市町村 2019-09-26付)

 石狩市は、子育て世帯と若者に関する生活実態等調査の結果をまとめた。平成30年4月1日時点における就学前児童世帯、就学児童世帯と、市内に住民登録がある15~21歳の若者を対象にアンケート形式で実施。教育に関する困りごととして、「将来の子どもの進学費を確保できない」と回答した割合が母子世帯では4割を占めた。中学3年生のときの暮らし向きについて、ひとり親世帯の若者の3割が「苦しかった」「やや苦しかった」と回答した。

 調査は、子どもがいる家庭の生活実態や支援ニーズ、若者の現在の意識などを把握することで今後の支援の在り方や子ども・子育て施策を検討していく際の基礎資料とすることが目的。①子ども・子育て家庭の生活実態等②若者に関する実態等―の2つの調査結果を整理した。

 調査基準日(30年4月1日時点)における就学前児童世帯、就学児童世帯と、市内に住民登録がある15~21歳の若者を対象にアンケート形式で実施。

 また、両親世帯、ひとり親世帯(または母子・父子世帯)別に回答を分けたほか、生活困窮度(高い・やや高い・低い)別に3階層に分けた。

 結果をみると、子ども・子育て家庭の生活実態調査等では、教育に関する困りごととして、母子世帯の40・9%が「将来の子どもの進学費を確保できない」と答えた。

 子どもにどの段階まで教育を受けさせたいかとの質問に対して、「4年制大学以上」と回答したのは困窮度が低いと考えられる世帯で43・2%と最も多く、困窮度が高いと考えられる世帯で17・9%と2割を割り、母子世帯では26・3%となった。

 一方、「高校」までと回答したのは困窮度が高い世帯で31・7%、母子世帯で26・3%と比較的高い傾向がみられた。

 奨学金の利用については「返還義務がなければ利用したい」と考える保護者がどの世帯においても5割以上を占めた。

 返還義務があっても利用したいと考える保護者も2~3割程度おり、母子世帯でやや高い傾向がみられるものの世帯類型で差はみられない。

 若者に関する実態等調査では、中学3年生時の家族形態について「両親世帯」が83・0%、「母子世帯」が13・0%、「父子世帯」が2・9%。中学3年生のときの暮らし向きについて、「ゆとりはあった」「ややゆとりはあった」と回答した割合は、両親世帯では41・6%であるのに対し、ひとり親世帯では17・0%。

 また、「苦しかった」「やや苦しかった」と回答した割合は、両親世帯では15・1%であるのに対し、ひとり親世帯ではその2倍の33・0%だった。

 将来について、中学3年生のときの暮らし向きが苦しかったと答えた若者は「希望がない」「どちらかと言えば希望がない」と回答する割合が35・7%と他のグループに比べ高い傾向がみられた。

 大学等への進学について、世帯類型別では、ひとり親世帯の39・5%が「進学はしたいが能力面で不安」、21・1%が「進学はしたいが費用面で不安」と回答。

 暮らし向き別では、「苦しかった」と回答した若者のうち、「進学はしたいが費用面で不安」が40・3%、「進学はしたいが能力面で不安が」24・7%を占め、「進学する必要性を感じない」という回答も14・3%あった。

(市町村 2019-09-26付)

その他の記事( 市町村)

令和3年3月ちえりあ改修工事開始 研修等の代替施設検討 貸会議室やホテルなど 札幌市教委

 札幌市教委は、令和3年3月から始まる札幌市生涯学習総合センター(ちえりあ)の改修工事に伴い、教育相談事業や教職員の研修に活用できる代替施設を検討している。教育相談等の事業は貸会議室など一時...

(2019-09-30)  全て読む

統合校開校に先駆け大空町教委 公設塾が28日プレオープン ゼミ等で生徒支援

 【網走発】大空町教委は、女満別高校と東藻琴高校を統合した新しい高校の開校に先駆けて、公設塾をあす28日にプレオープンする。「3つの身づくり」をコンセプトに、個別のカリキュラムによる学習やゼ...

(2019-09-27)  全て読む

3定札幌市議会代表質問(令和元年9月25日) 

◆きめ細かな支援へ 窓口設置を検討 相談支援体制の充実  相談支援体制の充実について質疑が行われた。  市教委は、市教育センターなど複数の相談窓口のほか、相談員の増員を通して相談支援体制...

(2019-09-27)  全て読む

札幌市教委が危機対応研修を初開催 心のコントロールを 校長ら315人参加

札幌市教委危機対応研修  札幌市教委は25日、市内ちえりあで札幌市危機発生時の対応に関わる研修会を開いた。今回初めて開催したもの。市立園・学校の園長・校長315人が参加。講義・演習を通して危機発生時の対応や心のコン...

(2019-09-27)  全て読む

3定札幌市議会で長谷川教育長答弁 4年度公立夜間中学開校へ 道内初、基本計画は来年度

 札幌市教委の長谷川雅英教育長は25日、道内初となる公立夜間中学について、令和4年4月の開校を目指して準備を進める方針を示した。学校の目指す姿や開設場所など、札幌市として公立夜間中学について...

(2019-09-27)  全て読む

3定札幌市議会で長谷川教育長 小3・4年へ拡大検討 35人以下の少人数学級

 札幌市教委の長谷川雅英教育長は24日、小学校1・2年と中学校1年で導入している35人以下の少人数学級について、小学校3・4年への拡大を検討する考えを示した。3定札幌市議会代表質問で中川賢一...

(2019-09-26)  全て読む

3定札幌市議会代表質問(令和元年6月24日)

◆「活かす力」などバランスよく育成 全国学力調査の結果  全国学力・学習状況調査について質疑が行われた。  市教委はこれまでの全国学力・学習状況調査の結果から、計算方法を言葉で表現する力...

(2019-09-26)  全て読む

札幌建設業協会主催の現場見学会 働くイメージ膨らませ 北海学園大2年生35人参加

 北海学園大学工学部社会環境工学科の学生は19日、札幌市建設局と札幌建設業協会(岩田圭剛会長)主催の建設現場見学会に参加した。ICT機械を活用する「芸術の森地区新設小校地粗造成」など2現場を...

(2019-09-26)  全て読む

小樽市教委が学力向上実践交流会 より良い授業づくりへ 道教委指定・菁園中会場に

小樽市教委学力向上実践交流会  【小樽発】小樽市教委は9月上旬、市立菁園中学校(名取俊晴校長)で学力向上実践交流会を開いた。小・中学校の校長や教頭、教諭など74人が参加。授業参観やグループ協議を行い、より良い授業づくりに...

(2019-09-24)  全て読む

24日から札幌市議会代表質問 小学校少人数学級など 子のスポーツ参加も質疑

 札幌市議会の第3回定例会代表質問が、きょう24日からスタートする。教育関係では、小学校における3・4年生の少人数学級や、障がいのある子どものスポーツ参加などについて質疑が行われる見通し。 ...

(2019-09-24)  全て読む