全道代表高校長研究協議会 道教委所管事項・上 
(道・道教委 2019-10-08付)

 道教委主催の令和元年度第3回全道代表高校長研究協議会における各課所管事項の説明概要はつぎのとおり。

◆高校教育課

【教育課程】

▼教育課程研究協議会

 道央会場は12月5~6日に札幌市で、道北会場は12月11~12日に旭川市で開く。

 本研究協議会において、先月開催された「世界津波の日」高校生サミットに参加した高校生がサミットの取組内容や成果について報告することを予定している。各学校の防災に対する意識の啓発につなげていただきたい。

▼教科・科目等の授業時数の確保

 各学校においては、各月末や学期末などの時期に、定期的に授業の実施状況を確認するとともに、授業時数が当初予定した時数を下回っている場合は、年度末までの授業時数を見通した上で、必要に応じて、冬季休業等を活用し確実に補充などの措置を講じていただきたい。

【公立高校入学者選抜】

▼入学者選抜に関する説明会の開催

 10月中に各管内において、入学者選抜実施要項等をまとめた『令和2年度道立高校入学者選抜の手引』をもとに、入学者選抜に関する説明会を開催する。

 各学校においては、教職員に対し、説明会での説明事項に基づき、実施要項の内容の周知徹底を図るとともに、校内の入学者選抜業務における二重、三重の点検体制や情報管理体制を整備し、公正にして厳正かつ円滑な入学者選抜が行われるよう、万全の準備に努めていただきたい。

▼特別な配慮を必要とする生徒への対応

 平成28年4月1日から障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)が施行され、障がいのある人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、過重な負担とならない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な合理的な配慮を行うことが求められている。

 入学者選抜にかかる特別な配慮について、障がい等のある生徒とその保護者から相談を受けた場合には、まず、要望を詳しく聞き取るとともに、在籍中学校から支援の状況などを情報収集し、その上で、教育局とも相談し、道立高校としてできることとできないことを整理して、本人や保護者に丁寧に説明していただきたい。できないことについては、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて、受検者や保護者が不安なく受検できるよう誠実に対応いただきたい。

 平成31年度入選において、協議書に推薦入学者選抜の受検について記載がなかったものの、実際には、推薦入学者選抜の面接等を受検し、その際、協議済みの学力検査における特別な配慮の内容を踏まえて、学校の判断で独自に対応した事例があった。特別な配慮を必要とする生徒の出願についての協議は、学力検査時と推薦の面接時の対応が異なることが考えられるため、各高校においては、協議書の提出の際、推薦入学者選抜の受検の有無についても確認を徹底し、適切に対応いただきたい。

 また、第2次募集や定時制課程における第2次募集終了後の入学者選抜については、期日が限られていることから、特別な配慮を必要とする障がい等のある生徒からの出願が見込まれる場合などは、校長が受検者、保護者、高校教育課等との打ち合わせや協議に要する十分な時間などを考慮した上で、選抜にかかる日程等を定めていただきたい。

 入学者選抜における特別な配慮についての協議の件数は増加傾向にあり、様々なケースがみられることから、本年度も『特別な配慮対応マニュアル』に参考となる事例を追加し、各管内の入学者選抜に関する説明会で配布する。

 特別な配慮にかかる協議が円滑かつ適切に進むよう、本マニュアルを活用いただきたい。

▼英語の聞き取りテストにかかわる放送機器の点検

 各学校においては、放送機器について、シミュレーションを複数回実施するなど、入念な点検を行うとともに、放送機器の突発的な不具合など、不測の事態に備えた危機管理体制を整備し、緊急対応策を教職員全員で確認していただきたい。

 英語の聞き取りテストのシミュレーションについては、後日、各教育局を通じて連絡する。

▼第2次募集の円滑な実施

 合格発表から第2次募集の合格発表までは、短期間に多くの業務が続くため、校内の報告体制および教頭を窓口とした中学校、高校間における連絡体制を整備していただきたい。

 本年度も、合格者の入学意思の確認から第2次募集の合格発表までの実施マニュアルを作成し、中学校および高校に送付する。

【各種事業等】

▼道高校「未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業」

 授業改善セミナーについて、令和元年9月3日付教高第1214号通知で、教科指導講座および進学指導講座のスペシャリストを委嘱した。今後、担当指導主事が会場校と日程などについて打ち合わせをさせていただくので、配慮をお願いする。

 総合的な探究の時間推進プロジェクトにおけるモデル校事業およびプロジェクト研究事業の各指定校においては、所管の教育局と連携して取組の充実を図るとともに、取組状況等をWebページに掲載するなど、他校などへの普及に努めていただきたい。

 本年度の学力テストの実施に当たり、学力テスト開発委員を委嘱・招集し、2回の協議会を開催する。前年度の学力テストに基づき、正答率などの検討・分析を行い、改善を図ることとしているので、理解願う。なお、学力テストおよび学習状況等調査の実施にかかる通知等については、例年どおりの日程で進める予定であるので、承知おき願う。

▼教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習・指導方法の改善の推進のための実践研究(SCRUM)

 本事業は最終年度となることから、各指定校においては、実践研究の成果等のまとめをお願いする。なお、報告書の作成や学校Webページの充実の観点から、協議等の様子を写真で記録するなどの対応をお願いする。

 各拠点校を中心に圏域研究協議会を開催するに当たっては、本事業の成果等の普及を図るため、教務などを担当する教員の積極的な参加をお願いする。

 遠隔システムを活用した全道指定校連絡協議会を10月21日に開催するので、協力校および連携校についても積極的な参加をお願いする。

 全道連絡協議会研究大会は、12月に開催する。参加人数に限りはあるが、道費で旅費を措置することとしているので、積極的な参加をお願いする。

▼道高校道徳教育推進事業

 全体計画の作成について、高校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行うものであることから、校長の方針のもと、道徳教育推進教師を中心に、全教師が協力して作成していただきたい。

 道徳教育については、家庭や地域社会との共通理解を深める必要があることから、各学校で作成している教育計画や学校Webページ等に掲載するなど、全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に公表していただきたい。

▼高校英語力向上事業

 平成30年度における本事業の指定校の取組をまとめた資料を、令和元年9月5日付事務連絡で各学校あてに送付した。

 各学校においては、英語の授業の改善・充実に向けて本資料を活用いただきたい。

 本事業の最終年度であることを踏まえ、本年12月に札幌市内で指定校が一堂に介し、全道フォーラムを開催する。

▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業

 今後、高校生メディカル講座および地域医療体験事業を開催する実施校は、生徒の参加および管内の他の高校への参加の呼びかけについて配慮いただきたい。

 11月26日、札幌医科大学と連携し、医学部医学科進学希望者を対象に岩見沢東高校で開講する高校生メディカル講座は、遠隔システムを活用して他校にも配信する。

 詳細が決定次第、案内を送付するので、医学部医学科進学希望者が在籍し、受信を希望する学校は、教育局を通じて高校教育課まで連絡いただきたい。

▼北海道学び推進月間

 12月に各校種の取組の実践例をまとめたリーフレットを作成・配布する。各学校においては、今後の取組の参考にしていただきたい。

 リーフレットの作成に当たり、教育局から依頼があった場合は情報提供など協力をお願いする。

【高校における特別支援教育】

▼特別支援教育スーパーバイザー等の派遣

 令和元年度「教育上特別な支援を必要としている生徒の状況および支援の状況の把握について」の結果を踏まえ、対象生徒への支援や指導の充実に向け、10月から来年2月にかけて、教育局配置の特別支援教育スーパーバイザーや特別支援学校の教員(パートナー・ティーチャー)を派遣することとしているので、積極的に活用いただきたい。

 本年度は、全日制120校、定時制20校に派遣する予定。

▼高校等における通級による指導

 本年度も通級指導担当教員を校内研修等の講師として派遣する高校通級指導担当教員活用事業について、令和元年9月13日付教高第1275号で通知した。高校等における通級による指導の理解促進に向け、活用いただきたい。

 10月上旬に高校における通級による指導にかかる調査を実施し、2年度から通級による指導を実施する可能性のある学校と、対象となる生徒の状況を把握する。

【政治的教養を育む教育(主権者教育)】

 平成31年4月7日執行の道知事選挙における18・19歳の投票率は42・8%という結果であり、本道の有権者全体の投票率58・34%よりも約16%低い結果となった。

 この結果を踏まえ、道内の高校等における取組の一層の充実を図るため、各学校の取組を掲載したWebページを高校教育課のページにリンクさせていただき、情報の共有化を図ることとした。

 すべての道立高校等に掲載を求めるものではないが、公民科や特別活動、総合的な探究の時間等における取組、外部機関との連携・協力による議会の傍聴、模擬議会などの主権者教育の視点による取組を行った場合は、学校Webページに掲載していただきたい。なお、掲載後は所管の教育局高校教育指導班に情報提供するようお願いする。

【消費者教育の充実】

 平成31年3月28日付文部科学省通知「高校学習指導要領における家庭科の履修学年に関する改正について」において、30年6月の民法の改正によって、令和4年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられることを踏まえ、2年度以降の高校入学生が成年となる第3学年よりも前に、家庭科の消費生活にかかわる内容を学習することになるよう、家庭科の履修学年について規定された。

 具体的には、移行措置として、30年度以降の入学生について、新高校学習指導要領の契約の重要性および消費者保護の仕組みに関する規定の事項を加えて指導することとしていることのほか、令和2年度および3年度の入学生については、「家庭基礎」「家庭総合」の「2(3)生活における経済の計画と消費」、「生活デザイン」の「2(2)消費や環境に配慮したライフスタイルの確立」を、それぞれ第1、2学年のうちに履修させること、また、4年度以降の入学生については、「家庭基礎」「家庭総合」の「C持続可能な消費生活・環境」を、それぞれ第1、2学年のうちに履修させることと規定された。

 各校においては、次年度以降の教育課程表をあらためて見直し、適切に編成・実施するようお願いする。

【ウポポイ(民族共生象徴空間)】

 令和2年4月24日に開設する予定であるが、年間100万人の利活用者を目標としている。

 元年5月24日付教義第262号で通知したが、多数の来館につながるよう学校行事などで積極的に活用していただきたい。

【高校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材】

 本教材が文科省のWebページに掲載されたので、令和元年10月2日付で事務連絡を送付した。

 教科「情報」を担当する教員が、本研修用教材を活用し、「情報Ⅰ」を指導する準備を進めるとともに、現在行われている授業においても有効に活用いただきたい。

【就職指導】

▼令和2年3月卒業予定者の求人・求職状況(8月末現在、道労働局調査)

 求職者数は前年同期比110人増の7862人、道内求人数は422人増の1万6781人、道内求人倍率は0・02ポイント増の2・13倍となった。

▼就職を希望する生徒への対応

 各学校においては、今後とも管内の企業訪問を積極的に行うなどして、生徒の希望に沿った求人を確保するとともに、企業に応募前職場見学を依頼するほか、各教育局に配置しているキャリアプランニングスーパーバイザーを活用し、生徒の適性に応じたキャリアカウンセリングを実施するなどして、一人でも多くの生徒が希望する職業に就くことができるよう、きめ細かな指導に努めていただきたい。

 新規高卒者対象の就職面接会が10月29日から全道9ヵ所で開催される。各学校においては、就職を希望する生徒に対して積極的に参加するよう働きかけをお願いする。

 求人募集等で企業などの事業所から訪問を受ける場合には、地域との連携した教育を推進する視点や、今後の就職状況の変化を踏まえ、自校の生徒の状況を丁寧に説明するなど、適切に対応していただきたい。

【キャリア教育】

▼地域の職業についての理解促進

 インターンシップなどの体験的な学習活動を通して、地域にどのような仕事や企業があるか知っておくことが重要である。こうしたことから、各教育局が実施する高校就職促進マッチング事業に、卒業後に地元に残ることを希望する生徒やその保護者はもとより、大学進学等で地元を離れる希望をもつ生徒やその保護者に対しても、積極的な参加を促すようお願いする。

 また、大学進学等を希望する生徒に対して、総合的な探究の時間において、大学の研究活動を調査するインターンシップや、教員など大学卒業が前提となる資格を要する職業等を対象としたアカデミックインターンシップを導入するなどして、地域の様々な職業についての理解促進が図られるよう、積極的に取り組んでいただきたい。

▼道ふるさと・みらい創生推進事業

 10月31日に開催する全道フォーラムについては、令和元年8月21日付教高第1154号で通知した。当日は、各指定校の生徒による発表や意見交換などのほか、運営も生徒が行うこととしており、すべての道立学校でYouTubeの高校教育課チャンネルにて視聴できるようにしている。各学校において、地域課題の解決等を通じた探究的な学びを実現する取組の参考としていただきたい。

 総合的な探究の時間では、各学校が定める目標および内容について、地域や社会とのかかわりを重視することとなっている。SSHおよびSGHの研究指定校における科学的な探究活動や英語によるグローバルな情報発信などの取組のほか、高校OPENプロジェクト研究指定校や職業学科における科目「課題研究」の取組事例を取りまとめた実践事例集を作成し、11月を目途に各学校へ配布することとしているので、各学校においては、こうした事例集を参考にするなどして、地域の実態に応じた地域課題探究型のキャリア教育の充実に取り組んでいただきい。

【道立高校におけるコミュニティ・スクール】

 道立高校における学校運営協議会の設置については、これまで、所在する市町村内に道立高校が1校である場合を優先してきたが、設置の促進を図るため、本年8月30日付教高第1206号で、同一市町村内に複数校ある地域への設置等について、新たに基本方針に明記し通知した。

 令和2年度の設置からは、同通知に記載した基本方針を踏まえた積極的な検討をよろしくお願いする。

【小規模校に関する取組】

 特に小規模校においては学校の魅力化を図ることが求められており、そのためには、各学校が中学生や保護者などを対象にアンケート調査を実施し、各学校に対するイメージやニーズなどを把握する必要がある。

【公立学校の制服等】

 各学校における制服の指定や業者の選定方法、保護者の負担軽減のための取組等の調査結果については、平成31年2月22日付教高第2299号「公立学校の制服等に関する調査について」で通知した。

 通知に基づき、自校の制服の仕様や価格などをあらためて見直す機会を設けるなど、各学校の実態に応じた取組を進めるようお願いする。

(道・道教委 2019-10-08付)

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