文科省 平成30年度生徒指導上の諸課題調査 いじめ認知は大幅増15950件 小・中の不登校6420人過去最多(道・道教委 2019-10-18付)
文部科学省は17日、平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を公表した。本道の状況をみると、公立小・中・高校における暴力行為の発生件数は、前年度に比べ138件増の804件。全校種で増加しており、特に小学校で大きく増えたことが分かった。いじめの認知件数は、7957件増の2万86件で過去最多。特に小学校で6694件増の1万5950件と大幅に増加した。不登校児童生徒数は、小・中学校合わせ854人増の6420人で平成3年以降最多を記録した。
暴力行為、いじめ、不登校、中途退学の状況を調査・分析し、未然防止、早期発見・早期対応につなげていくため、文科省が毎年度、調査し公表しているもの。道内分では、札幌市立学校を含む公立小・中学校、高校、特別支援学校など1928校を対象に調査した。
公立小・中・高校における暴力行為の発生件数は、前年度比138件増の804件。全校種で増加している。特に小学校で大きく増えており、その行為種別では、対教師暴力が72件増の90件と大幅に増加した。
公立小・中・高・特別支援学校のいじめの認知件数は、7957件増の2万86件で過去最多を記録。特に小学校は、6694件増の1万5950件と大幅に増加した。
道教委は主な理由として「ささいなけんかやふざけ合い、暴力行為等であっても、児童生徒の感じる被害性に着目し、背景にある児童の調査を丁寧に行い認知するという考え方のもと、各学校で初期の段階から積極的に認知することが浸透してきた」と分析している。
いじめの解消状況をみると、公立学校全体で「いじめが解消しているもの」が0・3ポイント増の96・8%、「解消に向けて取り組み中のもの」が0・1ポイント減の3・2%だった。
不登校児童生徒数は、小・中学校合わせ854人増の6420人で平成3年度の調査開始以降で最多。内訳は、小学校が343人増の1539人、中学校が511人増の4881人といずれも大幅に増加した。学年別では、小・中学校ともに、全学年で増加している。
中学校における1000人当たりの不登校生徒数をみると、5・2人増の39・5人と高い。不登校の要因は「不安」「無気力」「学校における人間関係に課題」の順に割合が高かった。
通信制を除く公立高校の不登校生徒数は、33人増の825人とやや増加した。
高校の中途退学者数は、30人増の1521人。中途退学の理由は、「学校生活・学業不適応」が35・9%、「進路変更」が28・3%で多かった。
道教委は、今後も学校の教育活動全体を通して、自分や他人を大切にする心や、望ましい人間関係を築く力を育むための取組を進める。また、生徒指導上の諸課題について未然防止、早期発見・早期対応に向け、教育相談体制の充実、関係機関と連携した支援体制の整備・充実に努めていく。
(道・道教委 2019-10-18付)
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