体研連が釧路市等で第56回大会 小中一貫した研究成果発信(関係団体 2019-10-24付)
全道各地から約230人が参加した
【釧路発】道学校体育研究連盟(=体研連、中野正毅委員長)は11日、釧路市生涯学習センターなどを会場に、第56回道学校体育研究大会釧路大会を開いた。道内各地から約230人が参加。大会主題「自ら運動と向き合い、夢中になれる子供の育成~つながる体育学習」のもと、釧路管内の小・中学校4校で授業を公開したほか、分科会や記念講演などを通して、小中9年間を見通したカリキュラム研究の成果などを全道に向けて発信した。
体研連は、全道統一研究主題「自信がつく体育学習の充実」のもと、全道各支部での共通性と独自性を生かした研究を展開しており、本年度で6年目を迎えた。
大会は、体研連釧路支部が主管。将来の予測困難な時代を見据え、系統性を踏まえた9年間カリキュラムを基盤に、①知識・技能のつながり②対話的な学びへのつながり③主体的な学びへのつながり―を視点にして、生きる力の育成を目指すこととした。
開会式に先立ち、釧路市立桜が丘小学校、鳥取西中学校、釧路町立遠矢小学校、白糠町立白糠中学校(授業会場は釧路市立桜が丘中学校)が授業を公開した。
釧路市生涯学習センターで行われた開会式では、中野委員長があいさつ。釧路大会が10年振り5回目の開催となることにふれ「釧路支部が進めてきた小中9年間のカリキュラムの研究成果を全道に発信する機会」と強調した。
来年度に迫った小学校の新学習指導要領の全面実施に向け「研究成果の活発な交流をしてほしい」と述べ、大会の成功に期待した。
続いてあいさつに立った新谷修大会実行委員長は、釧路支部で進めてきた研究を説明し「どの子にとっても自信がつく体育学習の充実につなげてほしい」と呼びかけた。
このあと、釧路教育局の井川智次長と釧路市教委の岡部義孝教育長が祝辞を述べた。
井川次長は、川端雄一局長の祝辞を代読。習得した知識・技能の活用や運動する子としない子の二極化傾向を示した上で「生涯にわたる健康保持の増進や豊かなスポーツライフを実現する資質・能力の育成が重要」と強調した。
岡部教育長は、NBAで活躍する八村塁選手が中学時代に勝つためにはチームが一つになることが大切と話しことを紹介し「体育は確かな人間性を育む。生きる力を身に付けるための研究成果の発信を」と期待を寄せた。
開会式終了後、連盟の山形昇平研究部長が本部基調報告、大会実行委員会の所桂太郎研究部長が研究発表を行った。
分科会では、2つの分科会に分かれてグループワークに取り組んだ。
また、桐蔭横浜大学教授の松本格之祐氏が「体育の授業で大切にしたいこと」と題して記念講演。「運動が苦手な子でも体育が好きになれるような工夫と経験をさせてあげてほしい」と期待を込めた。
◆運動と向き合い、夢中に 釧路管内4校が授業公開
道学校体育研究大会釧路大会では、開会式に先立ち釧路管内の小・中学校4校で授業を公開した。釧路市立桜が丘小学校(梅内尚子校長)と白糠町立白糠中学校(佐藤毅校長)は「機械・器具を使っての運動遊び・器械運動」(跳び箱)、釧路町立遠矢小学校(千葉徹校長)と釧路市立鳥取西中学校(幸村仁校長)は「ボール運動・球技」(バスケットボール)を行った。運動と向き合い、子どもが夢中になり、つぎの学びへとつなげる授業を展開した。
白糠中は、釧路市立桜が丘中学校を会場として、自校の1年A組(生徒数33人)の跳び箱運動の授業を公開した。
同校は前年度から白糠町立白糠小学校との分離型小中一貫校となっており、小・中の教員が各教科の特性や単元内容などを生かした乗り入れ授業を行っている。児童生徒の実態に合わせた9年間のカリキュラムをもとに作成された単元計画に基づき、運動と向き合い、意欲的に取り組む姿を育んでいる。
本時は13時間扱いの4時間目。単元の目標を「集団で動きをシンクロさせるアーティスティック(ATST)パフォーマンスに取り組むことを通して、基本技術の名称や行い方、関連する体力について理解し、関心をもって取り組めるようにする」と設定した。
白糠小の久保達哉教諭と白糠中の尾崎稔教諭が開脚跳びで仲間と着手や着地を合わせるために技を滑らかに行うポイントを主体的に見つける授業を展開した。
ウォーミングアップタイムでは、前時の動きを確認するため用意された連結跳び箱やロイター板などを使い、授業開始前から主体的に準備運動に取り組んだ。
久保教諭が本時の目標「着手と着地を合わせるにはどうしたらよいか」を提示。「パンッ、トン」という音のリズムをヒントに工夫することを促した。グループごとに、視線の位置や体の傾き、「パンッ、トン」の音のタイミングなどを互いにアドバイスしながら様々な意見を出し合い、修正点を確認し合った。
そのあと、苦手な生徒と飛べる生徒が2人ペアとなり同時にスタート。「パンッ、トン」を意識しながら跳べる生徒の動きと音に合わせたことで、成功する生徒が増え始め、体育館には「できた」という歓声が響いた。
白糠中の年代香教頭は「子どもの実態をより細かく把握することが意欲づけとなり、自信をもって取り組むことにつながった」と9年間のカリキュラムの効果を強調した。
久保教諭は「9年間のカリキュラムなどの系統性と小中のつながりを意識したことで、主体的に活動していた。子どもの実態に合わせた目標設定が大切」と話した。
(関係団体 2019-10-24付)
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