【解説】教員養成大等の教員就職率

（解説 2020-01-08付）

　文部科学省は、国立の教員養成大学・学部、国私立の教職大学院における平成３１年３月卒業者・修了者の就職状況を公表した。国立の教員養成大学教員就職率は５８％、国私立の教職大学院では９１％となり、いずれも前年度よりやや減少した。

　小・中・高校などの教員養成を目的とする国立の教員養成大学・学部４４大学の教員養成課程の卒業者、国私立の教職大学院５３大学の修了者を対象に調査。調査時点は昨年９月３０日。

　国立の教員養成大学・学部における教員就職率は５８・４％となり、前年度より０・５ポイント減少。なお、ピーク時は昭和５４年の７８・５％、最低値は平成１１年の３２・０％。

　卒業者数は１万１０８９人で１２９人増、教員就職者数は６４７６人で１９人増となった。

　文科省は、卒業者数が微増傾向にある中、教員就職者数は横ばい、教員就職率は微減していると分析している。

　一方で、正規採用者数は増加、臨時的任用者数は減少しているとし、公立学校教員の大量採用が続いていること、民間企業などの採用状況が好転していることを要因として挙げている。

　国私立の教職大学院における教員就職率は、９１・３％と前年度から２・４ポイント減少した。

　現職教員学生を除く修了者数は６５４人で前年度より５３人の増。

　現職教員学生を除く修了者における教員就職者数は５９７人と３４人増加している。

　文科省は、修了者数の増加に応じて教員就職者数も増加しているとし、教員就職者数は９割を超える高い水準を維持していることから、大量採用が続いていること、修了者の教職志望者数が一貫して高い状況にあることなどを要因として挙げている。

(解説 2020-01-08付)