道教委の2年度教育費予算案 1.1%減 3926億円 遠隔授業配信拠点を新設(道・道教委 2020-02-25付)
道教委は21日、令和2年度道教育費予算案を発表した。総額は前年度補正後対比2・1%減の3926億5348万円で、新規14事業を盛り込んだ。遠隔授業配信機能集中化推進事業には662万円を充て、3年度の本格実施に向け地域連携特例校への配信を試行する。5年度の全国高校総合体育大会の準備、北海道文化の国内外への発信などを行う。また、継続事業では学校の働き方改革関連として、スクール・サポート・スタッフを増員した。
新規事業をみると、学力向上推進事業に3126万円を計上し、学校全体の組織的な改善サイクルの確立、授業改善推進チームの活用、小中一貫教育の支援などに力を入れる。
小・中・高校英語教育支援事業には281万円を措置。バランスのとれた英語力の育成に向け、小学校から高校までの学習到達目標「Hokkaido CAN―DOリスト」を設定し、系統的な指導を行う。
体力向上支援事業では658万円を計上し、自校のほか複数市町村の小学校を巡回して指導する小学校体育エキスパート教員を配置。体育科教員の指導力向上の実践的な研修を実施する。
産業教育では、実践的職業教育推進事業に2458万円を措置。工業高校と農業高校各1校を指定し、大学・企業と連携してロボットやスマート農業などの先端技術を活用した職業教育に取り組む。
5年度全国高校総合体育大会準備事業には1068万円を充て、インターハイ開催へ準備委員会や専門委員会を立ち上げる。
外国人への家庭教育支援事業には391万円を措置し、外国人保護者を対象に日本の子育て習慣等のガイドブックを作成する。
遠隔授業配信機能集中化推進事業に662万円を計上。遠隔授業配信拠点を設置し、3年度の本格実施に向けた試行に取り組む。配信先の対象校は、地域連携特例校など25校を想定している。
高校生対流促進事業費には989万円を措置し、コーディネーターを配置して特色ある教育環境の整備や下宿先確保の支援など、道外・域外からの高校生の地域留学を促進する。
道教職魅力発信事業費には255万円を計上し、道内若手教員によるPR動画、北海道の教職の魅力をPRするリーフレット作成に取り組む。
社会教育では、道青少年フロンティアリーダー養成事業に785万円を計上し、中高生を対象に将来の地域リーダー養成に向けた体験学習、地域課題研究を実施する。
芸術文化活動では、インバウンド・アートプロジェクト事業に1124万円を措置。道立美術館で常設展の多言語化、日本文化の鑑賞・体験プログラムなどを実施する。デジタル・北海道アートミュージアム事業には2300万円を計上し、道立美術館ホームページをリニューアルする。
高校生留学促進関連事業では、従来のカナダ、アメリカに加え、新たにロシア・サンクトテルブルク市、中国・北京市、ニュージーランド、オーストラリアタスマニア州との交換留学を開始する。
拡充事業をみると、学校の働き方改革関連ではスクール・サポート・スタッフの配置人数を前年度から20人増の87人に拡大するほか、複数の指定校で学校の働き方改革の推進に向けた好事例の普及を図る。
学校建設関係では、高校校舎改築費に2800万円を措置し、新十津川農業高校校舎、厚岸翔洋高校寄宿舎改築の基本設計に着手する。
知的障がい特別支援学校校舎等整備費には12億円を計上し、札幌養護学校の狭あい化対応、苫小牧養護学校の未設置地域対応に着工する。
主要事業はつぎのとおり。
◆一般事業関係
《社会で活きる力》
【学力・体力向上総合推進事業費】=4695万円―新規
▼学力向上推進事業費=3126万円
本道の児童生徒の学力向上を図るため、学校全体の組織的な改善サイクルの確立や、授業改善などに取り組む。
▽検証改善サイクルの確立促進
・全国学力・学習状況調査結果の分析
・学力向上に関する教育局へのヒアリングの実施
・組織力強化会議の開催(14管内、校長・教頭等)
・チャレンジテストの実施(年6回)
▽授業改善推進チームの活用
・チーム・ティーチングによる授業者への指導助言
・校内研修や資料による情報提供
・管理職との協議
▽小中一貫教育の支援
・義務教育学校や小中一貫型小学校・中学校を目指す指定校への指導助言
・カリキュラム編成等にかかる全道研修会の開催(14管内)
▽生活・学習習慣の定着
・子どもの望ましい生活習慣・学習習慣定着フォーラムおよび研修会の開催(14管内)
・保護者向けリーフレットの作成・配布
▽学校サポーターの活用
・休日や長期休業中等の学習サポート
・地域の社会人や教員を目指す大学生を学校サポーターとして派遣(48市町村)
・市町村と大学の連携体制構築の普及促進
▼小・中・高校英語教育支援事業費=281万円―新規
バランスの取れた英語力を身に付けるため、小学校から高校までの学習到達目標「Hokkaido CAN―Doリスト」を設定し、系統的な指導を行う。
▽共通取組
・推進校において、小3から高3まで10年間の学習到達目標を設定
・小学校42校(3校×14管内)、中学校14校(各管内1校)、高校4校(1校×4ブロック)を指定
・小・中・高校合同研修会の開催(各管内年1回)
・学識経験者との意見交換会の開催(年2回)
▽小・中学校
・中学校教員の乗り入れ授業を実施し、ガイドブックや実践事例集を作成・配布
・全国学力・学習状況調査や英検IBAを活用した授業改善の実施
▽中高連携
・推進校(高)4校で公開授業を実施し、高校での指導状況を共有(年1回)
▼未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業費=629万円
新学習指導要領が4年度から順次実施されることに伴い、主体的・対話的で深い学びや大学入試改革等に対応するため、授業改善にかかる研究等を実施する。
▽主体的・対話的で深い学び
・授業実践・改善の研究
・カリキュラム・マネジメントの確立に向けた研究
▽学びの基礎診断
・道学力評価テストの実施とテスト結果を授業改善につなげる取組
▽高大接続
・総合的な探究の時間にかかる実践研究
・大学と連携した探究活動合宿(1会場)、学習合宿の実施(全道4会場)
▼体力向上支援事業費=658万円―新規
児童生徒の体力向上を図るため、体育専科教員の配置・巡回による授業改善や、体育科教員の指導力向上のための実践的な研修を実施する。
▽小学校での体育専科教員活用
・授業研究や管内課題の解決に向けた協議を実施(4ブロック)
・チーム・ティーチングによる指導
・近隣校の体力向上の取組への指導助言
▽小学校体育エキスパート教員
・複数市町村の小学校を巡回し指導助言
・市町村の課題等を踏まえた保護者・子ども向け研修会を開催
▽授業実践セミナー
・指導力の優れた教員による公開授業等の実践的な研修を実施(4ブロック)
▼障がい者就労促進地域連携事業費=347万円
障がいのある生徒の職業的自立を図るため、関係部と連携して就労を促進するとともに、就労継続に向けた体制を整備する。
▽地域と連携した就労促進(全道6地域)
・就労支援サポートチームの支援(学校・障害者就業・生活支援センター・ハローワーク等)
・企業や卒業生による職業講話などを実施
・小・中・高・特別支援学校キャリア教育連携推進会議による教員の能力向上
▽情報通信技術の活用
・職域拡大WG会議を設置しICT活用能力育成プログラムを開発
・大学と連携したICT関係の資格取得に向けた講習会の実施
▼道ふるさと・みらい創生推進事業費=2316万円
企業や大学、地域住民等と連携した産業・キャリア教育の推進を図るため、関係部と連携したインターンシップの実施や、地域課題の解決に向けた指定校での研究を実施する。
▽総合的なインターンシップ
・農林水産や建設所管部と連携した体験実習や交流、講習会の実施
・高大連携によって、外国人留学生との交流を通じた擬似留学体験の実施
▽研究テーマ
・GAP認証、本道産業の発展を支える人材、地域を守り支える人材の育成等
▽全道フォーラム
・生徒による研究発表(1回)や研究成果の普及
▼実践的職業教育推進事業費=2458万円―新規 将来の本道産業を支える人材を育成するため、工業高校と農業高校において、大学や企業との連携による実践的な職業教育を実施する。
▽実施校
・工業高校・農業高校各1校
▽人材育成協議会
・経済団体、企業、大学、行政等で職業高校の支援策や教育内容を協議(年2回)
▽講演
・大学教授や企業の先端技術者による講演
▽実践教育
・ロボット、スマート農業等の先端技術を用いた実践的職業教育を実施
▼新規学卒者就職対策推進費=5121万円―拡充
高校生の勤労観・職業観の育成や就職対策の充実を図るため、インターンシップや職場訪問の実施のほか、キャリアプランニングスーパーバイザー(進路相談員)を配置する。
▽インターンシップ(第2学年)
・職業科の全生徒および普通科等の生徒の3分の2(元年度半数)対象(3日間)
・教職の魅力を伝える小・中学校でのインターンシップを実施
▽企業訪問
・進路指導担当教員による学校への理解促進、企業ニーズの把握等(186校)
▽進路相談員
・就職相談、就職情報の提供等(14教育局に14人配置)
▼道立学校ふるさと応援事業費=224万円
北海道の次代を担う人材を育成するため、ふるさと納税等を活用し、道立学校の特色ある教育活動や、グローバル人材育成等の充実を図るための取組を支援する。
▽寄附の募集
・総合政策部と協力した広報や基金管理
・寄附に対する礼状や報告書の作成
▽各道立学校
・事業費や設備費など、指定校の特色ある教育活動の充実に活用
▽道立学校全体
・生徒の海外留学支援や姉妹校提携にかかる費用などの取組の充実に活用
【グローバル人材育成推進事業費】=1834万円
▼道グローバル人材育成キャンプ事業費=190万円
国際社会に対応できる英語力やコミュニケーション能力を備えた人材を育成するため、グローバル人材育成キャンプを実施する。
▽道グローバル人材育成キャンプ
・海外留学や英語を活用する企業への就職を希望する生徒を対象(全道3会場)
・宿泊型2会場、日帰型1会場(各会場30人)
・グローバル化の進展をテーマとしたグループディスカッション等の実施
・国際企業経営者や外国人留学生との交流
▽運営協議会
・各高校で実施可能なプログラム策定に向けた検証(キャンプ参加教員等)
▼帰国・外国人児童生徒等教育推進事業費=373万円―拡充
帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな指導を行うため、受入校への指導助言や日本語の指導方法等に関する研修などを実施する。
▽指導員派遣
・有識者による学校への訪問・相談支援(小・中15↓28校、幼・高・特0↓16校等)
▽教員研修
・指導方法等に関する研修、情報共有等による指導力向上(4ブロック・年1回)
▼高校生留学促進関連事業費=1270万円―新規・拡充
本道のグローバル化を支える人材育成を推進するため、高校生の留学を促進する。
▽交換留学支援
▽カナダ(アルバータ州)
・20人(元年度10人)
・派遣・受入各2ヵ月
▽アメリカ合衆国(ハワイ州)
・5人(元年度5人)
・派遣・受入各1ヵ月
▽ロシア連邦(サンクトペテルブルク市)―新規
・3人
・派遣・受入各2週間
▽中華人民共和国(北京市)―新規
・3人
・派遣・受入各2週間
▽ニュージーランド―新規
・3人
・派遣・受入各2週間
▽オーストラリア(タスマニア州)―新規
・3人
・派遣・受入各2週間
▽留学支援等
・10日以上1ヵ月未満の短期留学を希望する高校生への支援
・留学経験者の体験講話や海外駐在経験者による講演等
《豊かな人間性育成》
【いじめ・不登校等対策推進事業費】=2億4926万円
▼子ども相談支援センター事業費=2254万円
いじめや不登校など学校等で生じる様々な問題の解決につなげる支援を行うため、子どもや保護者からの直接相談を受ける取組を実施する。
▽電話相談
・いじめや不登校等の悩み相談
・毎日24時間体制、フリーダイヤル
・専任相談員の配置
▽問題解決支援
・臨床心理士・社会福祉士の機動的派遣、関係機関との連携等
▽その他
・カード・リーフレット等周知資料の作成・配布
▼子どもの人間関係づくり推進費=395万円
児童生徒の好ましい人間関係を築き、いじめ・不登校等の未然防止を図るため、中1ギャップへの対応にかかるモデル事業などを実施する。
▽中1ギャップ問題未然防止
・中学校1年生への取組(10市町村10中学校区で実施)
・児童生徒交流小・中合同研修会・学級環境適応調査等
・中1ギャップ問題にかかる効果的な取組を行う教員の配置(実施中学校に1人)
▽児童生徒仲良しコミュニケーション活動奨励
・仲良しコミュニケーション活動の事例紹介
・どさん子☆子ども地区会議(14管内)
・どさん子☆子ども全道サミット
▼いじめ等対策総合推進=2億2276万円―拡充
いじめや不登校などの問題を抱えた児童生徒の早期発見や、問題の早期解決を図るため、カウンセリング事業や相談体制を整備する。
▽スクールカウンセラー活用
・小・中学校=通年型104人208校(元年度同数)、巡回型40人142校(元年度32人128校)、そのほかの小・中学校934校への派遣(元年度960校)
・高校=通年配置道立高校132校(元年度125校)、そのほかの道立高校62校(元年度69校)へ派遣
▽教育相談員セミナー=教育相談員等の資質向上(全道5地域)
▽教育相談体制支援=ネット上で心理・福祉の専門家等の指導助言(小中校77校)、緊急相談対応
▽いじめ問題等対策連絡協議会
・道いじめ問題等対策連絡協議会、地域いじめ問題等対策連絡協議会の開催
・啓発資料の作成・配布
▽外部専門家チーム
・外部専門家チームが重大事案等に対し、学校・市町村教委に助言
・有識者、臨床心理士等で構成(全道4地域に設置)
▽スクールソーシャルワーカー
・社会福祉士、精神保健福祉士などの地域の人材の活用
・39市町村45人(元年度35市町村41人)
・大学教授、経験者等によるスクールソーシャルワーカーへの指導
・連絡協議会の開催(年2回)
▽ネットパトロール
・児童生徒の危険なネット上の投稿を監視
・教職員の検索技術向上や保護者等への情報提供を行う研修会の開催
▽SNSを活用した相談体制
・SNS相談窓口を開設し、臨床心理士等による相談、効果的な実施方法の検証
・緊急性の高い相談は、道教委が関係機関と連携して対応
《健やかな体の育成》
▼5年度全国高校総合体育大会準備費=1068万円―新規
5年度に開催する全国高校総合体育大会(インターハイ)の準備のため、準備委員会や専門委員会を設置する。
▽準備委員会=競技会場等を審議・決定(道教育長、道高体連会長等で構成)
▽専門委員会=先催県の視察や基本方針の策定、大会愛称等の募集を実施
▼オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業費=589万円
子どもたちが異文化の理解を深め、スポーツへの関心が高まるよう、オリンピック・パラリンピック教育を推進する。
▽推進拠点校
・オリンピアン・パラリンピアンによる講話を実施
・スポーツの価値や外国の文化等を学習(拠点校15校、協力校75校)
《学びを支える地域・家庭との連携・協働の推進》
▼幼児教育推進事業費=1380万円
幼児教育施設の公私・施設類型にかかわらず、一体的に質の向上を図るため、道幼児教育振興基本方針に基づき本道の幼児教育の振興を支える体制づくりを進める。
▽企画調整=課題等の検証のため、外部委員会(関係団体の長等)および検討部会を設置
▽研修体制=保育者や小学校教員等を対象に意見交流、遠隔・園内研修等を実施(14管内)
▽指導助言
・大学教授等によるスーパーバイザーを配置し、研修体制の相談等を実施
・エリアスーパーバイザーを配置し、地域の幼児教育相談員に研修・助言(7圏域)
・幼児教育相談員を配置し、施設の要請によって園内研修等を支援(14管内)
・園内研修や円滑な幼小接続のための実践事例集を作成・配布
▽情報提供等
・園内研修や自己啓発のための教材のオンデマンドによる配信等
・幼児教育推進センターのホームページで研修や幼児教育相談員等の情報を提供▽実践研究
幼小間の連携・引き継ぎにおける課題検証のためモデル事業を実施(5地域)
▼外国人への家庭教育支援事業費=391万円―新規 子どもをもつ在留外国人の保護者を対象に、日本の子育て習慣等のガイドブックを作成する。
▽理解啓発=日本の子育て習慣等を多言語で解説したガイドブックを道内全市町村に配布
▽高校生等奨学給付金事業費=13億376万円―拡充
授業料以外の教育費負担の軽減を図るため、所得基準に該当する世帯に対して、教科書費、教材費、学用品費等の費用を給付する。
▽対象者等
・所得基準=市町村民税所得割非課税
・対象者数=全学年約1万5000人見込
▽給付金額
・生活保護受給世帯=年3万2300円
・第1子の高校生等がいる世帯=年8万4000円(元年度8万2700円)、通信・年3万6500円
・23歳未満の被扶養者がいる世帯で第2子以降の高校生等がいる世帯=年12万9700円、通信・年3万6500円
▼高校における学習サポーター派遣事業費=205万円
学業不振等を理由とする中途退学者や不登校が多い学校に対し、在校生の個別学習等への対応や学び直しを支援する。
▽対象校=学業不振等を理由とする中途退学者や不登校が多い学校(14校)
▽事業内容=学習支援員による生徒の学び直し等への支援
▼夜間中学等に関する検討費=15万円
学齢期を経過し就学の機会が提供されなかった人などに対し、公立夜間中学の設置など就学機会の提供を検討する。
▽協議内容等(年2回)
・夜間中学の設置主体や設置場所などの基本方針
・就学の対象者や道・市町村の役割など
《学びをつなぐ学校づくり実現》
▼遠隔授業配信機能集中化推進事業費=662万円―新規
遠隔授業の配信機能の集中化によって、地域連携特例校に多様な教科・科目を配信する。
▽遠隔授業集中配信
・配信拠点から複数校に同時配信し、進学等に対応した授業を履修
・受信校との打ち合わせ、ガイダンスを実施
・遠隔授業の質の向上に向けた会議を開催
▼高校生対流促進事業費=989万円―新規
高校生の地域留学を促進するため、高校と地域が連携し、特色ある教育環境の整備や道外高校生に対するPRを実施する。
▽コーディネーター配置
・観光等特色ある教育環境整備や下宿先確保等の支援を実施
・退職校長、地域おこし協力隊任期終了者を想定(3人)
▽コンソーシアム=学校・市町村・企業等と連携し、学校の魅力化について協議
▽マッチング=学校見学会の開催や各種イベント出展など道外高校生へのPRを実施
▼学校力向上に関する総合実践事業費=585万円
指定地域・指定校における校長等のリーダーシップの向上や、教育課程の改善に関する取組を通じて、学校の総合力を向上させる包括的な学校改善を推進するとともに、その成果を全道に普及する。
▽実践指定校・指定地域
・指定校=小・中43校、指定地域=14地域
・カリキュラム・マネジメントや授業改善等
・校長等のリーダーシップの向上に関する取組等
▽推進協議会=大学教授や退職校長等による実践指定校への助言、事例発表(年3回)
▽共同研究会議=実践成果の普及・拡大方法を共同研究(年4回)
【学校における働き方改革推進】=1億8820万円
部活動指導員やスクール・サポート・スタッフを配置するとともに、教職人材確保のための教職の魅力を発信する。
道教委職員による指導助言や指定校における実践によって好事例を普及する。
▼学校部活動の総合的な支援体制構築事業費=4420万円
教員の負担軽減を図るため、学校部活動に地域の外部人材などの部活動指導員を配置し、指導方法の研修などを実施する。
▽指導員の配置
・道立学校121人、市町村立中学校82人(27市町村)を配置
・道は、市町村に対し報酬および交通費等の経費の3分の2を負担
▽指導員研修
・指導方法や練習時間の設定、体罰の禁止などの研修を実施(各管内年2回)
▽専門家の意見交換
・校長会や道スポーツ協会、競技団体が現状や課題等について意見交換(年3回)
▼スクール・サポート・スタッフ配置事業費=1億4144万円―拡充
教員の負担軽減を図り、児童生徒に向き合うことができる体制を整備するため、地域人材をサポートスタッフとして配置する。
▽サポートスタッフの配置等
・配置数=市町村立小・中学校87人(元年度67人)
・学習プリント等の印刷など
・負担軽減の成果目標の設定と効果の検証
▼道教職魅力発信事業費=255万円―新規
教職人材確保のため、北海道の学校や教職の魅力をPRし、教職に就きたいという意識を醸成する。
▽大学への説明=道内外の大学生に北海道の学校や教職の魅力を説明(年29回実施)
▽PR動画作成=道内の若手教員が活躍する姿を映像化、説明会での使用やSNSでの発信
▽リーフレット作成=北海道の教職の魅力をPRするリーフレットを作成し、高校や大学へ配布
《学びを活かす地域社会の実現》
【ほっかいどう生涯学習ネットワークカレッジ事業費および視聴覚センター事業費】=2528万円
道民の学習意欲の向上を図るため、インターネット講座等の実施を通じて道民カレッジの内容の充実を図る。
▼地域活動インターネット講座
▽地域活動に関する専門的な講座の提供
▽地域活動に関する講座の学習コンテンツを作成
▼地域活動実践講座・連携講座
▽地域課題に取り組む生涯学習支援
▽地域活動を実践する人材の養成
▽ほっかいどう学関連講座
【北海道青少年フロンティアリーダー養成】=785万円―新規
将来の地域リーダーを養成するため、中高生を対象に体験学習や地域課題研究を実施するとともに、指導者養成のための研修会を開催する。
▼事業調整会議=道教委と道が連携し、事業内容や運営方法を検討(年2回)
▼養成アカデミー
▽ネイパル6施設が実施するジュニアリーダーコースへの参加(60人程度)
▽全道地域づくり交流会(道実施事業)への参加(30人程度)
▼指導者養成=社会教育関係団体職員を対象に研修会を開催(2日間)
【インバウンド・アートプロジェクト事業費】=1124万円―新規
道立美術館において、常設展の多言語化や日本文化の鑑賞・体験プログラム等を通じてインバウンド対応を実施する。
▼インバウンド対応
▽英語による作品解説の作成
▽浮世絵などの日本文化鑑賞や茶道などの体験プログラムの実施
▽電子マネーに対応した機器の導入
【デジタル・北海道アートミュージアム事業】=2300万円―新規
道立美術館のホームページのリニューアルを行い、コレクションや展覧会、施設情報等を国内外に発信する。
▼情報発信
▽多言語化やスマートフォン、タブレットへの対応のためホームページを改良
【アイヌ文化保存対策費】=935万円
アイヌ文化財をつぎの世代に継承するとともに、道民の理解促進を図るため、アイヌ文化財の調査・記録や保存・活用および伝承活動を支援する。
▼民俗文化財調査
▽生活や生産生業に関し、民俗技術の伝承状況を調査
▽故・金成マツのノートの翻訳・整理
▼伝承・活用
▽民俗技術・民俗芸能伝承講座の実施、工芸作品の展示や民俗芸能の公開
▼専門職員等研修
▽市町村立博物館等の学芸員や文化財保護行政職員等対象の専門研修を実施
◆胆振東部地震等の災害 東日本大震災・防災教育
【被災児童生徒支援等交付金事業費】=2136万円
北海道胆振東部地震等の大規模災害および東日本大震災によって被災し、就学が困難となった幼児児童生徒に対する就学支援等を行う。
▼小・中学校=2117万円(学用品費・医療費・給食費等)
▼特別支援学校・学級=19万円(学用品費・通学費・給食費等)
【被災児童生徒の心のケア対策費】=393万9000円
北海道胆振東部地震等の大規模災害および東日本大震災によって被災した児童生徒等の心のケアや教職員災・保護者等への助言・援助等のため、スクールカウンセラーを派遣する。
▼カウンセラー派遣=要望に応じて配置校または緊急派遣によってカウンセリングを実施
【防災教育推進事業費】=969万円
学校における危機管理体制の確立や児童生徒の防災意識等の向上を図るため、実践的な防災教育を行う学校を支援する。
▼実践的安全教育モデル構築事業
▽防災教育や安全教育の指導方法の開発・普及、専門家による指導助言
▽防災・交通安全・防犯に関する事業を各1市町村へ委託
▼その他
▽防災パンフレットの配布(小・中・高・特の新1年生)
◆学校建設関係
▼高校大規模改造費=40億4450万円
高校の校舎等の安全性を確保し、教育環境を整備。
▼2年次目=芦別、札幌東陵、札幌工業、小樽潮陵、登別青嶺、八雲、北見柏陽
▼着工=札幌西、札幌西陵、江別、伊達、帯広工業、釧路東、体育施設1校
▼高校校舎改築費=2825万円―新規
長寿命化改修が不可能とされた施設の改築。
▼改築・基本設計=校舎・新十津川農業、寄宿舎・厚岸翔洋
▼学校体育施設整備費=1億1789万円
高校・特別支援学校の体育施設を整備する。
▼屋外運動場=照明施設設計1校、着工1校
▼水泳プール=上屋シート・鉄骨等7校
▼特別支援学校大規模改造費=16億3888万円
特別支援学校の校舎等の安全性を確保し、教育環境を整備する。
▼2年次目=余市養護しりべし学園分校、美深高等養護あいべつ校、小平高等養護、帯広聾
▼着工=函館盲、旭川盲、中札内高等養護幕別分校、中標津支援、体育施設1校
▼空調設備
▽設計=高等部単置校を除く空調設備未設置校(29校)
▽着工=高等部単置校(3校)
▼知的障がい特別支援学校校舎等整備費=12億90万円
校舎の狭あい化について、計画的に改善を図るとともに、特別支援学校未設置地域において、既存施設を活用し、小・中学部を整備する。
▽着工・狭あい化対応=札幌養護
▽着工・未設置地域対応=苫小牧市
▼アスベスト対策工事費=9億4786万円
道立学校および所管施設の煙突に含まれるアスベストの除去を行い、校舎等の安全性を確保する。
▽着工=道立学校41校、所管施設3施設
(道・道教委 2020-02-25付)
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【函館発】渡島教育局は令和元年度渡島管内教育実践表彰の受賞者を決定した。本年度は、学校教育では北斗市立上磯小学校など4校1団体と個人3人が受賞。また、社会教育では2団体が受賞した。表彰式を...(2020-02-25) 全て読む
LAN整備に27億 元年度の教育費補正案 道教委
道教委は、27日開会の令和2年第1回道議会定例会に提出する教育費補正予算案(令和元年度最終補正)を発表した。 40億400万円の増額補正で、既計上額と合わせた本年度教育費の総額は406...(2020-02-25) 全て読む
小学校35人以下少人数学級 3・4年生に順次拡大 3ヵ年で 2年度は36校 道教委
道教委は、令和2年度から3ヵ年計画で、35人以下の少人数学級を小学3・4年生に順次拡大する。新学習指導要領の全面実施に向けた措置で、2年度予算案に関連経費を計上。元年10月1日時点での見込...(2020-02-25) 全て読む
2団体3個人を選出 上川局 管内教育実践表彰
【旭川発】上川教育局は、令和元年度管内教育実践表彰受賞者を決定した。学校教育では、南富良野町立南富良野小学校や名寄高校など、社会教育では道社会教育委員連絡協議会の大島峰夫会長など、2団体3...(2020-02-25) 全て読む
道教委がSSWフォーラム開く 積極的活用へ実践例学ぶ 春日井市SSW・尾崎氏ら講演
道教委は14日、札幌市内の道第2水産ビルで第2回スクールソーシャルワーカー連絡協議会兼スクールソーシャルワーカーフォーラムを開いた。愛知県春日井市学校教育課スクールソーシャルワーカー(SS...(2020-02-21) 全て読む
道教委が被災地学校支援研修会 災害に備え知識習得 研修の動画 3月Web公開
道教委は19日、遠隔システムで道立教育研究所と13管内の会場を接続し、被災地域の学校支援に関する研修会を初開催した。兵庫県教委の震災時・学校支援チーム「EARTH」のメンバーによる講義・演...(2020-02-21) 全て読む
道青少年有害情報対策実行委が会合 SNS起因の被害防止を フィルタリング普及促進
有害情報や通信機器等のトラブルから道内の青少年を守る取組を展開する道青少年有害情報対策実行委員会の本年度会合が18日、札幌市内のかでる2・7で開かれた。構成員18人が出席し、本年度の取組や...(2020-02-21) 全て読む