新たにアイヌ文化の本 2年度市町村活動支援事業 道立図書館
(道・道教委 2020-02-25付)

 道立図書館の令和2年度市町村活動支援事業がまとまった。学校図書館サポートブックス事業では、民族共生象徴空間ウポポイの開設に合わせ、新たに「アイヌ文化を知る本」セットを追加。事業貸出しでは、しかけ絵本セットの内容を一部更新した。

 事業は、市町村立図書館等や学校図書館の活動の活性化、子ども読書活動の推進を図るもの。図書館活動支援、学校図書館連携支援の2本を柱に支援事業を展開している。

 学校図書館サポートブックス事業では、新年度、新たに「アイヌ文化を知る本」セットを追加。ウポポイの開設に合わせ、小・中学生向けにアイヌ民族の歴史や文化を学べる本をそろえる。

 内容をリニューアルした「授業お役立ちセット」では、新学習指導要領に合わせ、小学校国語(光村図書出版、教育出版)の3~6年生の教科書で紹介されている本を用意。

 「北海道を知る本」では、文化・歴史編と自然・動植物編の2種類に分け、よりコンパクトに利用しやすくした。

 支援貸出事業における事業貸出しでは、従来のしかけ絵本セットのほか、季節の行事などを内容とするテーマごとのセットを用意。イベントや展示など、利用目的に応じた選択が可能になる。

 申込は各教育局を通じて行うこととなっており、各教育局が設定した締切日までに申し込む。随時受付の事業貸出しや年度当初以外の大量一括貸出しは、直接同館に申し込むこと。

 2年度の事業概要はつぎのとおり。

【図書館活動支援】

▼運営相談=16件

 市町村図書館等や教育委員会を訪問し、運営全般についての助言や情報提供、事業企画の支援などを行う。相談形態などは実情に合わせて対応。

▼重点運営支援=1件

 図書館設置や読書活動の推進を図ろうとする市町村に対し、年間を通して重点的に支援。新刊書総計800冊程度を貸し出すほか、複数の支援事業を組み合わせて行い、活動の活性化を目指す。

▼支援貸出

▽大量一括貸出し=40市町村程度

 年間1200冊程度を上限として、1度に100~300冊までの図書を数ヵ月単位で貸し出す。住民や学校への貸出しなどにも活用できる。在庫の範囲内で随時受け付けている。

▽事業貸出し=随時受付

 大型絵本やしかけ絵本、外国語絵本など、子どもたちに人気がある資料を貸し出す。図書館まつりなど、学校や保育所、健診会場で行う事業、ボランティア団体などが主催する事業で活用できる。しかけ絵本セットでは、季節の行事などで活用できるテーマごとのセットを新たに用意。

▼相互協力促進=8件

 各地域の図書館振興協議会の研修会や、複数団体が合同で行う研修会・学習会等に、同館職員を講師として派遣。申込団体の希望に応じたテーマで実施し、内容に応じた助言、情報提供などを行うなど、地域の相互協力の促進を支援する。

【学校図書館連携支援】

▼学校図書館運営相談・道立学校図書館運営相談=14件

 市町村立図書館等による学校図書館への支援や、道立学校の図書館の運営などについて、助言や情報提供を行う。相談形態などは内容に応じて柔軟に対応する。

▼学校ブックフェスティバル=15件

 小・中学校に同館の児童書・絵本を貸し出す。本は、すべて表紙を表にして床に広げ、その中から児童生徒に読みたい本を選んで借りてもらう。準備や運営を通じて、市町村立図書館等と学校との連携促進を図る。ボランティアやPTAとの連携の深化も期待できる。

 原則として1市町村当たり1校で、複数校での合同実施も可能。貸出期間は1ヵ月で、児童生徒数×10冊を目安に、500~2000冊程度を提供する。

▼学校図書館サポートブックス=71件

 学校の朝読、調べ学習などで活用できる本をセットで貸し出す。中高生向け図書や授業に役立つ図書のセットも用意。「アイヌ文化を知る本」セットを新たに追加し、12種類29セットとなった。

(道・道教委 2020-02-25付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委2年度教育行政執行方針 少人数学級を拡大 社会で活きる力など重点

 道教委の佐藤嘉大教育長は27日、1定道議会で令和2年度教育行政執行方針を説明した。「子ども一人ひとりの学びを支える教育の充実」「地域創生を支える教育行政の推進」を掲げ、重点政策として「社会...

(2020-02-28)  全て読む

鈴木知事が道政執行方針説明 地域づくりや世代交流を 4分野で重点施策示す

 道の鈴木直道知事は27日、1定道議会で、道政執行方針を説明した。「連なる好機」「課題解決に向けた挑戦」など4分野における重点施策を提示。これからの社会において必要な資質・能力の育成に向け、...

(2020-02-28)  全て読む

道教委が全国体力等調査報告書 小学女子 7管内で全国以上 中学女子“運動嫌い”増加傾向

体力合計点管内別状況表  道教委は、『令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果報告書』をまとめた。体力合計点が全国平均を上回った管内は、小学校男子で4管内、小学校女子で7管内、中学校男子で1管内。中学校女...

(2020-02-27)  全て読む

補正含め前年と同規模に 鈴木知事が2年度予算案説明

 鈴木直道知事は21日の会見で、道の令和2年度予算案について説明した。当初予算一般会計は前年度2定補正後と比べ1・4%減の2兆8201億円。実質的に一体執行する前年度補正予算分を含めた予算規...

(2020-02-26)  全て読む

新年度教育費予算案で佐藤教育長 予算執行の実効性確保 遠隔教育など新規事業説明

教育費予算案発表佐藤教育長  道教委の佐藤嘉大教育長は21日、令和2年度教育費予算案の発表に当たり、会見に臨んだ。学力・体力向上など、児童生徒に直接かかわる事業をはじめ、学校における働き方改革や本道の地域特性を踏まえた...

(2020-02-26)  全て読む

渡島局 元年度教育実践表彰 10者が晴れの栄誉に 27日表彰式

桔梗小山本主幹教諭  【函館発】渡島教育局は令和元年度渡島管内教育実践表彰の受賞者を決定した。本年度は、学校教育では北斗市立上磯小学校など4校1団体と個人3人が受賞。また、社会教育では2団体が受賞した。表彰式を...

(2020-02-25)  全て読む

LAN整備に27億 元年度の教育費補正案 道教委

 道教委は、27日開会の令和2年第1回道議会定例会に提出する教育費補正予算案(令和元年度最終補正)を発表した。  40億400万円の増額補正で、既計上額と合わせた本年度教育費の総額は406...

(2020-02-25)  全て読む

道教委の2年度教育費予算案 1.1%減 3926億円 遠隔授業配信拠点を新設

道教委の令和2年度教育費予算案  道教委は21日、令和2年度道教育費予算案を発表した。総額は前年度補正後対比2・1%減の3926億5348万円で、新規14事業を盛り込んだ。遠隔授業配信機能集中化推進事業には662万円を充て...

(2020-02-25)  全て読む

小学校35人以下少人数学級 3・4年生に順次拡大  3ヵ年で 2年度は36校 道教委

 道教委は、令和2年度から3ヵ年計画で、35人以下の少人数学級を小学3・4年生に順次拡大する。新学習指導要領の全面実施に向けた措置で、2年度予算案に関連経費を計上。元年10月1日時点での見込...

(2020-02-25)  全て読む

2団体3個人を選出 上川局 管内教育実践表彰

上川局多寄中小野教諭  【旭川発】上川教育局は、令和元年度管内教育実践表彰受賞者を決定した。学校教育では、南富良野町立南富良野小学校や名寄高校など、社会教育では道社会教育委員連絡協議会の大島峰夫会長など、2団体3...

(2020-02-25)  全て読む