道教委2年度教育行政執行方針 少人数学級を拡大 社会で活きる力など重点
(道・道教委 2020-02-28付)

 道教委の佐藤嘉大教育長は27日、1定道議会で令和2年度教育行政執行方針を説明した。「子ども一人ひとりの学びを支える教育の充実」「地域創生を支える教育行政の推進」を掲げ、重点政策として「社会で活きる力の育成」など4点を提起。少人数学級の拡大による学習指導の改善・充実などの施策を示した。

 佐藤教育長は、新年度に臨む基本姿勢として「子どもたち一人ひとりの学びを支える教育の充実」「地域創生を支える教育行政の推進」を挙げ、学力・体力の向上をはじめとする教育施策の充実、地域の発展を支える教育行政を推進する意向を示した。

 本年度の重点政策として、①社会で活きる力の育成②豊かな人間性と健やかな体の育成③連携・協働に基づく学校づくり④学びを活かす地域社会の実現―の4点を提示。

 ①では、義務教育において各管内の実態に応じた学力向上の取組を推進し、少人数学級の拡大や専科教員増員によって、学習指導の改善・充実を図る考えを表明した。

 幼児教育では、研修・助言の機会の充実や小学校教育との連携・接続を促進し、高校教育では、新学習指導要領を踏まえた教育課程のPDCAサイクルの確立や学習の質を高める授業改善を推進。

 特別支援教育では、障がいのある子どもの就労促進に向けた体制づくり、ICTに関連した多様な進路に対応できる教育活動を推進するとした。

 英語教育では、教員の指導力向上を図るほか、海外の複数地域への高校生の留学を支援。キャリア教育では、高校で大学等と連携した新しい人材育成プログラムの構築に取り組む。

 ②では、いじめの積極的な認知と組織的な対応、不登校の初期段階からの組織的・計画的な支援、児童虐待における関係機関との迅速な連携などの未然防止・早期対応に取り組む。また、子どもたちをネットトラブルから守る情報モラル教育の充実を図る。

 体力向上に向けては、体育を専門とする教員の配置や巡回指導を実施。東京オリンピック・パラリンピックのマラソン・競歩・サッカー競技の札幌開催を踏まえ、オリパラ教育を推進する。

 ③では、ふるさと納税を活用した特色ある高校づくり、積極的に学校改革に取り組む高校長の庁内公募・登用を推進。

 ICT関連では、義務教育における遠隔教育の実践研究に取り組むほか、高校における遠隔授業の配信機能の集中化を試行。道立高校における情報通信ネットワークの充実も進め、先進的な授業実践の研究に取り組む。

 不足する教員志願者の確保に向けては、高校生による小・中学校でのインターンシップを計画的に実施するほか、教員養成大学との連携を強化する。

 学校における働き方改革では、部活動指導員やスクール・サポート・スタッフの配置を拡充。

 3月にも作成予定の学校における業務改善手引書に基づき、取組を確実に推進する。

 ④では、民族共生象徴空間ウポポイ開設を踏まえたアイヌ文化の普及啓発、アイヌ民俗文化財の保存・伝承活動を支援。

 北東北と連携した縄文遺跡群の世界遺産登録に向け、埋蔵文化財センターと連携して体験学習を実施するとした。

 また、道内全体をアートの舞台とするアートギャラリー北海道の一層の充実を図る。道立美術館の多言語化の促進など、インバウンドを呼び込むための情報発信の強化に取り組む。

(道・道教委 2020-02-28付)

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