渡島局 元年度教育実践表彰 10者が晴れの栄誉に 27日表彰式
(道・道教委 2020-02-25付)

桔梗小山本主幹教諭
山本昇吾主幹教諭

 【函館発】渡島教育局は令和元年度渡島管内教育実践表彰の受賞者を決定した。本年度は、学校教育では北斗市立上磯小学校など4校1団体と個人3人が受賞。また、社会教育では2団体が受賞した。表彰式を、27日に道立函館美術館で執り行う。

 受賞者はつぎのとおり。=敬称略=

【学校教育】

▼北斗市立上磯小学校(三浦哲也校長、児童数441人)=学校全体での包括的な授業改善の推進

長年にわたり、学校教育目標「豊かな子 学ぶ子 創る子 思いやる子」の実現を目指し、知・徳・体の調和のとれた子どもの育成に取り組んでいる。

 特に、「Try! Try! やってみよう 努力しよう!」を合言葉に、習熟度別指導の充実、教科担任制の導入や道徳科の授業改善等を推進し学校全体で包括的な授業改善を図るとともに、学校、家庭および地域が連携・協働した教育実践を広く発信するなど、管内の教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。

 また、校訓である「文武両道」の具現化に向け、上小元気アップチャレンジなどの体力向上の取組、社会性や人間性を育む課外活動の充実にも力を入れ、その成果は高く評価されている。

▼函館市立北中学校(滝澤智子校長、生徒数232人)=生徒の学力向上や自己管理能力の育成

 長年にわたり、学校教育目標「自らめあてをもち粘り強く学習する生徒 豊かな心をもちみんなのために尽くす生徒 健康や安全につとめ進んで運動する生徒」の実現を目指し、「自ら考え 自ら学び 主体的に行動する生徒」の育成に取り組んでいる。

 特に、平成30年度から、渡島教育局研究指定校として、「“生き抜く力”を育む学習指導の工夫」をテーマに研究に取り組むとともに、小・中学校の接続を意識した授業づくりを推進するなど、管内の教育活動の改善・充実に大きな成果を上げている。

 また、生徒の学力向上および自己管理能力の育成に向け、自己管理手帳を活用した生活習慣改善の取組、卒業時の15歳の姿を見通したキャリア教育の実践にも力を入れ、その成果は高く評価されている。

▼函館聾学校(海田俊昌校長、生徒数10人)=地域社会とともに共生社会の担い手を育成する教育実践

 長年にわたり、管内における小中高の在籍児童生徒に対する教育相談活動について中心になって取り組むなどの地域支援に努めるとともに、就労継続支援A型事業所と連携して弁当を商品開発し、販売するなど、地域社会とともに教育活動に取り組んでいる。

 特に、令和元年度は道社会福祉協議会の学童・生徒のボランティア活動普及事業の指定校として、清掃活動や募金活動に取り組むとともに、木育においては幼稚部が地元の保育園と連携した木工作、小学部は木材加工会社の見学・体験を行うなど、社会に開かれた教育課程の実践において大きな成果を上げている。

 また、社会で活躍する卒業生をロールモデルとした、自分らしい生き方を探求する「生き方教育」の推進を通して、共生社会の担い手を育成するなど、キャリア教育の充実として高く評価されている。

▼函館五稜郭支援学校(田近憲二校長、生徒数29人)=専門教科を生かした知的障がい教育におけるキャリア教育の実践

 長年にわたり、管内最初の職業学科設置の高等部として、開設以来、社会で必要な資質・能力の育成を目指し、生徒一人ひとりの障がいの状態にきめ細かく対応した学習活動の展開に取り組んでいる。

 特に、ビルクリーニングの取組では、地域の公共施設や民間企業等と連携した清掃実習を通して、清掃に関する知識・技能の確実な習得に成果を上げるとともに、平成30年度全国障害者技能大会沖縄大会ビルクリーニング種目において、本道の特別支援学校高等部在学者として初となる金賞を獲得するなど、大きな成果を上げている。

 また、高等部開設当初から30年度末までの卒業生のうち、就職した生徒の割合が平均で89・2%となるなど、知的障がい教育におけるキャリア教育の実践として、高く評価されている。

▼山本昇吾(函館市立桔梗小学校主幹教諭)=包括的な学校改善や人材育成の充実に貢献

 長年にわたり、教職員をまとめるリーダーとして指定事業の取組や公開研究会等を取り仕切るとともに、平成30年度からは、主幹教諭として学び続ける学校の具現化に向け、尽力してきた。

 特に、令和元年度から、学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校として包括的な学校改善を支えるとともに、プログラミング教育事業の研究実践校として新学習指導要領の理念を実現する授業改善を中心となって進めるなど、学校力向上の取組に多大な貢献をしている。

 また、日常的な人材育成を充実させるとともに、学校運営が組織的・効率的に機能するよう、校務支援システムの活用や校務分掌間の調整の中核を担うなど、その取組は高く評価されている。

▼佐藤崇行(七飯町立大中山中学校主幹教諭)=校務運営組織の改善および中学校外国語教育の振興発展に貢献

 長年にわたり、校務運営組織の改善に中心的な役割を担い、平成28年度からは、主幹教諭として校内組織の活性化を進めるとともに、校内の授業改善に尽力してきた。

 特に、外国語科の学習指導において優れた実践を積み重ねるとともに、生徒が楽しく英語に親しむことができるよう、地域全体の授業改善を推進する役割を担い、七飯町小中高英語連絡協議会のブロック長として優れた取組を管内に発信するなど、外国語教育の改善・充実に多大な貢献をしている。

 また、渡島中体連剣道専門委員や渡島檜山学校剣道連盟事務局長として剣道の普及に努めるとともに、部活動を通じた生徒の健全な心身の育成に寄与するなど、その取組は高く評価されている。

▼白鳥宏之(函館中部高校主幹教諭)=コミュニケーションツールとしての英語力を高める指導の実践

 長年にわたり、暗記重視だった英語指導をコミュニケーションツールの視点からグループディスカッション等を中心とした授業に転換させるなど、英語力を高める先進的な教育実践に取り組んでいる。

 特に、英語教育における指導的な立場として、道教委主催の教育課程研究協議会や授業実践講座、他県での英語教育に関する研修会などで講師を務めるなど、道内のみならず全国の高校英語科教諭の指導力の向上に多大な貢献をしている。

 また、校内では放送部の顧問として生徒がもつ潜在能力を引き出し全国大会出場へ導くなど、その卓越した指導力は、高く評価されている。

▼道南特別活動研究会(鈴木敏文会長)=管内の特別活動の改善・充実の推進

 長年にわたり、管内の特別活動の研究の中核として、「特別活動こそ、子どもの個を大切に無限の可能性を伸ばす場を提供し教育を見直す」という理念の実現に向け、活動に取り組んでいる。

 特に、令和元年度第63回全国特別活動研究協議大会北海道・函館大会の開催に当たり、運営の中心として大会を成功に導くとともに、新学習指導要領に基づく特別活動の実現に向けた研究の推進に努め、その成果を全道・全国に発信するなど、特別活動の改善・充実に、大きな成果を上げている。

 また、会員が積極的に授業を公開し実践的な研究協議を行うとともに、長期休業期間に外部講師による教育講演会を開催し、教員研修の充実に努めるなど、その成果は高く評価されている。

【社会教育】

▼もりまち太鼓保存会(佐々木主計代表、会員数16人)=郷土芸能である太鼓を通じて地域の活性化に貢献

 長年にわたり、町内外の催事等各種イベントにおいて、森町の青年が中心となり、地元の自然をテーマとした曲等を演奏することを通じて郷土芸能を伝承するとともに、地域の活性化に貢献している。

 特に、70回を数えるもりまち桜まつりにおいて、発足以来毎年演奏を披露しており、町内外に広くその活躍が知られ、町の郷土芸能として定着している。そのほか、介護施設や福祉施設の慰問も行っており、社会福祉の充実にも貢献している。

 また、小・中学生も所属しており、若い世代への伝統芸能の継承が行われるとともに、小学校社会科副読本『わたしたちの森町』において、町に伝わる郷土芸能として掲載されている。

▼砂原権現太鼓保存会(新谷春勝代表、会員数19人)=子どもたちの活躍による郷土芸能の継承

 長年にわたり、小・中学校の子どもたちが中心となり、町内外の催事等各種イベントにおける演奏を通じて、郷土芸能の継承および地域活性化に貢献している。

 特に町外での活動について、日本のまつり(札幌市)、北海道洞爺湖サミット歓迎三千人太鼓(函館市)、函館開港150周年など幅広く行っており、地域文化の発信とともに、学校外で活躍の場が広がり、子どもたちの自己有用感の育成につながっている。

 また、高校生も所属しており、異年齢間での学びの場となるとともに、小学校社会科副読本『わたしたちの森町』において、町に伝わる郷土芸能として掲載されている。

この記事の他の写真

大中山中佐藤主幹教諭
佐藤崇行主幹教諭
中部高校白鳥主幹教諭
白鳥宏之主幹教諭
道南特別活動研究会
道南特別活動研究会
8I、もりまち太鼓保存会
もりまち太鼓保存会
8J、砂原権現太鼓保存会
砂原権現太鼓保存会

(道・道教委 2020-02-25付)

その他の記事( 道・道教委)

鈴木知事が道政執行方針説明 地域づくりや世代交流を 4分野で重点施策示す

 道の鈴木直道知事は27日、1定道議会で、道政執行方針を説明した。「連なる好機」「課題解決に向けた挑戦」など4分野における重点施策を提示。これからの社会において必要な資質・能力の育成に向け、...

(2020-02-28)  全て読む

道教委が全国体力等調査報告書 小学女子 7管内で全国以上 中学女子“運動嫌い”増加傾向

体力合計点管内別状況表  道教委は、『令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果報告書』をまとめた。体力合計点が全国平均を上回った管内は、小学校男子で4管内、小学校女子で7管内、中学校男子で1管内。中学校女...

(2020-02-27)  全て読む

補正含め前年と同規模に 鈴木知事が2年度予算案説明

 鈴木直道知事は21日の会見で、道の令和2年度予算案について説明した。当初予算一般会計は前年度2定補正後と比べ1・4%減の2兆8201億円。実質的に一体執行する前年度補正予算分を含めた予算規...

(2020-02-26)  全て読む

新年度教育費予算案で佐藤教育長 予算執行の実効性確保 遠隔教育など新規事業説明

教育費予算案発表佐藤教育長  道教委の佐藤嘉大教育長は21日、令和2年度教育費予算案の発表に当たり、会見に臨んだ。学力・体力向上など、児童生徒に直接かかわる事業をはじめ、学校における働き方改革や本道の地域特性を踏まえた...

(2020-02-26)  全て読む

新たにアイヌ文化の本 2年度市町村活動支援事業 道立図書館

 道立図書館の令和2年度市町村活動支援事業がまとまった。学校図書館サポートブックス事業では、民族共生象徴空間ウポポイの開設に合わせ、新たに「アイヌ文化を知る本」セットを追加。事業貸出しでは、...

(2020-02-25)  全て読む

LAN整備に27億 元年度の教育費補正案 道教委

 道教委は、27日開会の令和2年第1回道議会定例会に提出する教育費補正予算案(令和元年度最終補正)を発表した。  40億400万円の増額補正で、既計上額と合わせた本年度教育費の総額は406...

(2020-02-25)  全て読む

道教委の2年度教育費予算案 1.1%減 3926億円 遠隔授業配信拠点を新設

道教委の令和2年度教育費予算案  道教委は21日、令和2年度道教育費予算案を発表した。総額は前年度補正後対比2・1%減の3926億5348万円で、新規14事業を盛り込んだ。遠隔授業配信機能集中化推進事業には662万円を充て...

(2020-02-25)  全て読む

小学校35人以下少人数学級 3・4年生に順次拡大  3ヵ年で 2年度は36校 道教委

 道教委は、令和2年度から3ヵ年計画で、35人以下の少人数学級を小学3・4年生に順次拡大する。新学習指導要領の全面実施に向けた措置で、2年度予算案に関連経費を計上。元年10月1日時点での見込...

(2020-02-25)  全て読む

2団体3個人を選出 上川局 管内教育実践表彰

上川局多寄中小野教諭  【旭川発】上川教育局は、令和元年度管内教育実践表彰受賞者を決定した。学校教育では、南富良野町立南富良野小学校や名寄高校など、社会教育では道社会教育委員連絡協議会の大島峰夫会長など、2団体3...

(2020-02-25)  全て読む

道教委がSSWフォーラム開く 積極的活用へ実践例学ぶ 春日井市SSW・尾崎氏ら講演

道教委SSWフォーラム  道教委は14日、札幌市内の道第2水産ビルで第2回スクールソーシャルワーカー連絡協議会兼スクールソーシャルワーカーフォーラムを開いた。愛知県春日井市学校教育課スクールソーシャルワーカー(SS...

(2020-02-21)  全て読む