札幌市 児童虐待防止取組方針 若年層への対策掲げる 段階的に支援メニュー開発(市町村 2020-05-18付)
札幌市は、13日に開いた児童虐待防止対策推進本部会議で、各部局との連携による具体的な取組方針を明らかにした。検証報告書による提言から、7つの方針を提示。うち、教育委員会との連携における取組では、昨年6月に発生した2歳女児虐待死亡事案を踏まえ、若年層における虐待防止対策を掲げた。10代中盤から20代前半に焦点を当て、高校退学者の実態調査など新たな支援メニューの開発に段階的に取り組んでいく。
検証報告書における提言では、①区および生活圏を単位とした支援体制の強化の必要性②母子保健体制の見直し、乳幼児健診の改善の必要性③アセスメントと支援方針の共有を軸とする協働体制の構築と進行管理の徹底の必要性④児童相談所における介入機能と役割の明確化の必要性⑤専門的力量をもつ職員を育成する体制の構築⑥思春期・若年期に焦点を当てた支援の枠組みの創設の必要性⑦過去の検証報告書の進ちょく状況についての検証機会の必要性―の7項目が挙げられた。
昨年6月、国は児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法を一部改正。法改正を踏まえ、市は児童相談所の体制強化や各市長部局との連携強化を図っていくことを目的に取組を推進している。
7つの方針のうち、教育委員会と連携する取組では、①において、子どもとかかわる機関や地域の支援団体とのつながりを深め、地域全体で子どもを重層的に見守る環境を整えることを目的に、子どもコーディネーターやスクールソーシャルワーカー(SSW)に対して、要保護児童対策地域協議会の個別検討会議への積極的参画を働きかけ、支援に必要な情報を共有するとしている。
子どもコーディネーターの市内全地区への展開に向けた体制の検討やスクールソーシャルワーカーの活用の促進・体制強化に向けた検討を進め、学校や子どもの居場所において困難を抱える子どもや家庭の把握、必要な支援につなげる取組を推進する。
本年度から、子どもコーディネーターの活動地域を50地区から61地区に拡大。今後も市内全87地区への展開に向けて体制づくりを検討していく。
⑥では、高校との連携・支援体制を構築することを方針に掲げた。昨年6月に市内で発生した2歳女児虐待死亡事案では女児の母親が10代で妊娠・出産を経験したほか、高校中退歴があった経緯などから、高校へのスクールソーシャルワーカーの派遣について一層の活用を図るほか、不登校傾向や福祉につなぐ必要がある生徒を早期に発見し、支援していく方針。
中学校卒業時および高校退学時の進路未定者について、学校から若者支援総合センターに情報を提供し、卒業および退学後にも引き続き支援を受けることができるよう連携していく。
また、高校との連携強化による潜在ニーズの掘り起こしに加え、10代中盤から20代前半に焦点を当てた新たな支援メニューとして、退学した生徒などの実態調査に努めることなどを検討。
取組対象高校については、市立学校以外の道立高校や私立高校なども含むことも検討しており、場合によっては道とも連携を図っていく。
(市町村 2020-05-18付)
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