学校再開へ　札幌市スーパーバイザーに聞く　懸念事項　教員の必要な対応は　

（コロナウイルス関連 2020-05-29付）

　６月１日から札幌市内の学校が再開する。約３ヵ月ぶりの登校に、子どもたちの心身の状況の変化も予想される。学校再開後、子どもたちの状況から想定される懸念事項、教職員に必要とされる対応について札幌市スクールカウンセラースーパーバイザーからのアドバイスのほか、子どもたちへのメッセージを紹介する。

　スーパーバイザーは、長期の休業期間に伴い「生活のリズムが崩れてしまう」「意欲の低下から学習に取り組むことができず、学習格差が広がってしまった」「外出や運動の機会が減り、体力が落ちた」など学力や健康面の低下などが懸念されると分析。

　感染症に対する不安や恐怖感から、気持ちの落ち込みや怒りっぽいなど気分の不安定な子どもがいる一方、感染症に対して無頓着な子どももいることから、様々な状況の子どもに感染症対策をしつつ、指導していく難しさなどが考えられるという。

　このような懸念事項から、教職員に必要とされる心構えや対応として、①統一した感染対策の具体的な提示②感染リスクをゼロにできない中で学習環境の整え方の校内における共通認識―の２点が必要と指摘する。

　「世界中が現在進行形で取り組んでいることであり、１００％の正解はない。不安を抱えながら、みんなで軌道修正をしつつ、長期戦で取り組んでいこうという心構えが必要」と話している。

　学校再開後は子どもたちだけでなく、教職員も様々な対応などで非常に高いストレス状況下に置かれることが懸念されるとし、「学校を地域・社会全体で支える仕組みが必要となる」という。

　スーパーバイザーが作成した児童生徒に向けたメッセージを紹介する。

　みんな不安であたりまえなんだよ。やりたいのにできないことがいっぱいあるから。

　でも、これがずっと続くわけではない。必ず終わりが来る。だから希望をもって、今、目の前にあるできそうなことを探してやってみよう。そして、不安や不満はためずにくちにだしていいんだよ。

　それから、“たのしい”という気持ちを忘れないで。未来はあなたたちがつくっていくのだから。

(コロナウイルス関連 2020-05-29付)