中教審分科会で高校普通科改革案　設置者判断で新学科を　医ケア拠点校設置も

（国 2020-07-20付）

　中央教育審議会の初等中等教育分科会「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会（第１１回）」が１７日、文部科学省で開かれた。学校設置者の判断で「学際科学的な学びに重点的に取り組む学科」などの設置を可能とする高校普通科の改革案を示したほか、通信制高校における仮称・通信教育実施計画の策定・明示の義務化、中学校区における医療的ケアの実施拠点校の設置などを挙げた。

　各部会から検討状況を報告。新しい時代の高校教育の在り方ワーキンググループからは、「新時代に対応した高校教育の在り方」の論点整理を示した。

　各学科・課程共通で取り組むべき方策として、「卒業の認定」「教育課程の編成・実施」「入学者の受け入れ」におけるスクール・ポリシーの策定・公表、地方公共団体等との協働体制の構築による探究的な学びの提供などを挙げた。

　普通科の改革案では、学校設置者の判断によって「学際科学的な学びに重点的に取り組む学科」「地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学科」「その他、普通教育として求められる内容で、特色・魅力ある教育を実現すると認められる学科」の設置を可能とする必要性を示した。

　通信制高校においては、各年度における添削指導、面接指導、試験の年間計画をまとめた仮称・通信教育実施計画の策定・明示の義務化、国における仮称・自己点検チェックシートの策定などを盛り込んだ。

　新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議からは、インクルーシブ教育システム構築に向けた施策の方向性を提示。特別支援学校の教員の専門性向上のため、養成段階で発達障がいなど全学校種で課題となっている内容を学べるよう再検討するほか、共通で修得すべき資質・能力を示すコアカリキュラム策定の必要性を挙げた。

　このほか、医療的ケアが必要な児童生徒の増加に対処するため、中学校区における医療的ケアの実施拠点校の設置を提案。個別の教育支援計画を、ＩＣＴを活用して学校内外で共有するため、特別支援教育に配慮した校務支援システムの開発など必要な研究推進の必要性を示した。

　９月の第１３回会議で各部会での議論をまとめた中間まとめ案を策定し、年度内に文部科学大臣に答申する。

(国 2020-07-20付)