道教委　リモートで幼児教育相談　新しい研修法の可能性　名寄市立大・今野教授が見解

（道・道教委 2020-10-19付）

　道教委は１５日、ウェブ会議システムを活用した幼児教育相談員派遣事業のリモート検証を実施した。名寄市立大学の今野道裕教授が北見北光幼稚園（吉田耕一郎園長）における保育の様子を遠隔で視察し、助言。今野教授は、緊張させることなく集中して遊ぶ幼児の様子を見ることができたとし、「新しい研修方法としての可能性がある」と述べた。

　新型コロナウイルス感染症の影響や相談員の負担軽減の観点から、従来の幼児教育相談員派遣事業の取組を補完するために試行。

　要請園である北見北光幼と、相談員の所属する名寄市立大、道幼児教育推進センターのある道庁別館をウェブ会議システムで接続して実施した。

　はじめに、吉田園長がタブレットで園内の保育活動の様子を撮影。今野教授や道幼児教育推進センターの職員がスポンジなどを食材に見立てた料理ごっこ、落ち葉を使った粘土遊び、人形を入れるかばんづくりなど、様々な遊びに元気いっぱい取り組む幼児の様子を視聴した。

　研究協議で今野教授は、自由な保育において幼児の変容をみつける視点・感覚をもつことが重要と指摘。遊び方一つでも様々な方法で取り組めること、失敗することの大切さを子どもたちに伝えることなど、年少・年中・年長の各段階で助言した。

　リモート助言について、今野教授は「大人が訪れて幼児を緊張させてしまう従来の研修と異なり、子どもたちが集中して遊んでいる様子を見ることができた。新しい研修方法として可能性がある」と感想を。多面的に見ることができないこと、音声や画面構成などの課題もあるとした上で、遠隔で参加できるメリットを強調した。

　吉田園長は、園内のWi―Fi環境などの整備が必要とした上で「大学の関係者に遠隔で参加してもらうことは、地方にとって非常に有効」と話した。

(道・道教委 2020-10-19付)