釧路局 働き方改革推進会議 より良い職場環境へ 教頭業務見直し案など共有(道・道教委 2020-11-02付)
各市町村教委の教育長などが出席した
【釧路発】釧路教育局は10月26日、釧路総合振興局庁舎で管内学校における働き方改革推進会議を開いた。川端雄一局長をはじめとする幹部職員、各市町村の教育長、校長、教頭など約20人が出席。鶴居村で実施している働き方改革推進事業の進ちょく状況や、教頭業務の見直し案などについて情報を共有。より良い職場環境づくりに向けて意見を出し合った。
川端局長があいさつしたあと、道教委の指定を受けて事業を進めている鶴居村立鶴居小学校の田中敏行校長、鶴居村教委の村上明寛教育長が中間報告を行った。
引き続き、上川教育局の川島政吉主幹が、新型コロナウイルス感染症対策下での働き方改革をテーマに講話。働き方改革を実行するプロセスや、推進するためのポイントなどを示した。
このあと、昇任教頭向けのマニュアル案、教頭業務の見直し案について、中野超企画総務課長が説明した。
マニュアル案については、記載する内容・項目等を解説した。
業務見直し案については、業務の移行・分担案、簡略化・効率化案、廃止項目案を提示。今後、市町村教委、校長会、教頭会に意見照会する考えを示した。
最後に業務見直し案について意見交換。
出席者は学校だよりの配布の在り方や、事務職員との連携などを取り上げ、活発に意見を交わした。
◆時間外勤務が減少 推進校・鶴居小が中間報告
道教委の働き方改革推進事業の推進校・鶴居村立鶴居小学校の田中敏行校長は、事業の中間報告を行った。教職員の共通理解のもと、打ち合わせ時間の短縮化、タイムカードの活用などに取り組んだことを説明。時間外勤務が減るなどの効果が上がっていることを報告した。
中間報告の概要はつぎのとおり。
▼学校の現状
教職員18人が在籍。年齢構成は20代・30代各4人、40代7人、50代3人。
▼アンケート調査
6月に教員向けアンケート調査を実施。「持ち帰り業務がある」「仕事量が多く日常生活、家庭生活を犠牲にしていると感じる」などの声が多数上がった。
また、時間外勤務の要因では「授業準備」「会議・打ち合わせ」が挙がった。
その一方、「職場内の雰囲気は良い」「仕事にやりがいを感じている」といった前向きな意見も挙がっていた。
▼目標
目標として「子どもたちの豊かな心、確かな学び、健やかな体の成長のために、全教職員が意欲と情熱をもち、やりがいのもてる環境のもとで、明るく元気に生き生きと子どもたちと向き合える学校」を設定。スローガンは「小さな積み重ねが1年後の成果につながる」とした。
▼ワークショップ
全教職員が参加して2回開催。打ち合わせ時間の短縮化など、重点的に取り組む3つの項目を決定。また、若手教員の希望でデータの蓄積と活用にも取り組むこととした。
教育の質を高めるための方策についても話し合い、「自己有用感・自己肯定感」「現状の質の向上」「時間の確保」がキーワードになることを確認した。
▼重点的に取り組む項目
▽打ち合わせ時間の短縮化
課題「朝打ちが長い」を解決するため、長くても3分以内で終えるようにした。そのため、ホワイトボードを活用した周知、付せんを活用した議題の精選、長引きそうな議題は夕打ちへの移行に取り組んだ。
成果として、子どもたちとかかわる時間の拡大や新しい朝の動きがみられた。
▽会議・研修の時間設定
課題「会議がいつも長引く」を解決するため、事前に議題ごとの時間を設定することや、会議・研修内容を精選し、夕打ち、ミニ研修に移行することに取り組んだ。
成果として、教材研究時間の確保や見通しをもち、計画していた仕事ができるようになった。
▽タイムカードの活用
課題「どのくらい超過勤務しているのか見直す機会がない」を解決するため、タイムカードの管理継続、毎月の集計表の個別配布に取り組んだ。
成果として、タイムマネジメントの意識化や協働体制の強化につながった。
▽データの蓄積と活用
課題「すべての単元でゼロから学習計画を考えるのは時間がかかる」を解決するため、中堅・ベテラン教員などの指導案や教材などを共通フォルダで整理することに取り組んだ。
成果として、特に初任者教員がデータを活用しながら子どもたちの実態に合わせた計画を立てられるようになった。
▼教職員が発案した取組
自学ノートの担任外の丸付け、ノー会議ウィーク、学級費の事務一括処理・管理など、教職員が自主的に具体的な取組を考案。管理職が取組をあと押ししたことで、やらされ感のない、持続可能な取組が増加した。
▼スクール・サポート・スタッフ(SSS)
8月末から1人配置。丸付け業務、図書整理、給食配膳、校内消毒、教室設営、教材づくりなどを補助することで教員の負担を大幅に軽減した。教員から「本当に助かっている」との声が多数上がった。
▼事業の成果と課題
▽成果
・時間外勤務月60時間以上の教員がゼロに
・共有と協働意識の高まり
・職員の意識改革
・意識化から行動化へ
・SSSの活用
▽課題
・協働体制の在り方と工夫
・教職員自ら動き出す体制、雰囲気づくりのさらなる促進
・効率化から効果の実感へ
(道・道教委 2020-11-02付)
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