道都市教委連等文教施策要望への道教委回答〈下〉 密接に連携図り学力向上 幼児教育無償化へ財源確保(道・道教委 2020-11-18付)
▼学校教育の振興充実について
(1)義務教育費国庫負担制度の維持
道教委としては、義務教育費国庫負担制度は、義務教育の根幹をなすものであり、国の責務において確実に財源を保障するべきものと考え、これまでも国に対して全国都道府県教育長協議会や教育委員協議会を通して必要な財源が確保されるよう要望してきており、今後とも、引き続き国に働きかけるとともに、知事部局とも連携し、必要な財源の確保に努めていきたい。
(2)全国学力・学習状況調査等の学力向上策の推進
道教委としては、できるだけきめ細かく分かりやすい調査結果を示す観点から、報告書の内容について不断の工夫改善を行っている。
平成26年度からは、市町村教委がこれまで取り組んできた施策等の成果として、教科や質問紙のデータや分析結果、今後、重点的に推進する施策等を掲載するなどの改善を加え、市町村の成果や課題が明らかになるよう工夫した。
また、29年度からは、教育委員会や学校が実効性のある学力向上の取組を検討する際に活用できるよう、学校が調査結果を分析し授業改善に活用する事例等を掲載した『資料編』を作成し、学校の実態に合った改善策を講じることができるよう支援している。
中学校英語「話すこと」調査について、国では、次回、令和4年度の実施を予定しており、平成31年度(令和元年度)の調査の検証結果を踏まえて調査方法等を検討するとしている。道教委では、国の動向を注視しながら対応していく。
ほっかいどう学力・体力向上運動については、本道の子どもたちに望ましい生活習慣や学習習慣を身に付けさせることをねらいとした保護者向けリーフレットの作成・配布などに取り組んできており、今後も多くの方々の協力を得ながら、学校・家庭・地域・行政が一体となった取組を推進していく。
道教委としては、今後も、市町村教委と意見交換するなど密接に連携を図るとともに、より一層、きめ細かな分析に取り組み、市町村教委や学校の取組がさらに充実するよう工夫していく。
(3)就学援助の財源措置拡充―重点
道教委としては、市町村が必要な就学援助を行えるよう、補助金や交付税の財源措置の拡充についてこれまでも国に要望しているが、市町村の認定要件や援助項目に違いがあることから、国においてガイドラインを策定することや、生活保護基準の見直しに伴い、3年度以降の就学援助に影響が出ないよう財源措置することなどについて、引き続き要望していきたい。
(4)幼児教育の無償化の適正実施
幼児教育の無償化の実施に当たっては、すべての子どもが良質で適切な教育を受けるとともに、保護者の経済的な負担が軽減されるよう、また、新たに地方負担を生じさせることがないよう、関係部と連携し、国に対し、必要な地方財源を今後も確実に確保するよう、要望していきたい。
(5)中学校の全道大会・全国大会に対する引率教員の旅費の充実
道教委としては、昭和56年度から日本中学校体育連盟が主催する全国中学校体育大会にかかる引率旅費を措置してきており、平成25年度からは、10人以上の生徒を引率する場合、引率者1人の加算ができるよう改善した。
道中学校体育連盟が主催する地区大会(地域およびブロック大会も含む)にかかる引率旅費についても、25年度から新たに全国大会同様の措置をした。
全道大会の引率旅費の措置については、厳しい道財政の状況から難しいと考えているが、運動部活動の在り方に関する今後の国の動向等を注視しながら、引き続き検討していきたい。
また、文化的諸行事の全道大会・全国大会の部活動引率旅費については、中学校文化連盟の組織化の進展状況等を注視しながら、検討していきたい。
(6)生徒指導旅費等の十分な確保
生徒指導旅費については、家庭訪問や校外指導など生徒指導を行う際の旅費として予算措置しており、配分された旅費を超えて対応しなければならない事案が生じた場合は、必要に応じて市町村や学校に配分された旅費全体の範囲内で調整を行うなど、弾力的に運用することとしている。
厳しい財政状況にあるが、引き続き、予算の確保に向け努力していきたい。
(7)校外学習指導旅費の十分な確保
各学校における校外学習指導がより円滑に実施されるよう、学校の実態の把握に努めるとともに、厳しい財政状況にあるが、引き続き必要な予算の確保に努めていきたい。
(8)教職員の研究会・研修会にかかる旅費の十分な確保
教職員の研究会・研修会等への出席旅費については、これまで自主的・主体的な研修活動や学校の研究課題にかかわる調査研究を奨励するため校内教職員研修促進費を予算措置してきた。24年度からは、学校の小規模化の問題に対応するため、事業名を校内・地域教職員研修促進費に変更し、複数の学校が合同で研修できる地域連携型の地域連携研修を実施するとともに、26年度からは、新たに特別支援学校を対象とするなど拡充してきており、今後も引き続き必要な予算の確保に努めていきたい。
(9)へき地児童生徒援助費のスクールバス購入費の補助拡充
スクールバス購入費の補助限度額の引き上げや通学距離要件など補助要件の見直しを行い、児童生徒の通学手段を確保するための施策を充実するよう、引き続き国に要望していきたい。
また、スクールバスの運営費に対する国庫補助金制度の新設については、実現が極めて難しい状況にあると思われるが、道教委としては、引き続き国に対し、市町村の実情に合った財政措置を講ずるよう要望していきたい。
(10)学校におけるNHK放送受信料の免除措置の継続
日本放送協会(NHK)の放送受信料の免除措置については、義務教育諸学校等における教育内容の一層の充実・向上と放送教育の普及・拡大の観点から、これまで、国に対して要望してきている。今後ともNHKの動向を注視しながら、引き続き国に対し、NHKへの働きかけについて要望していきたい。
高校におけるNHKの放送受信料の免除措置については、NHKにおける放送の普及という所期の目的が概ね達成されたことや、施設については行政で負担すべきという国会の指摘もあり、昭和58年度に廃止された経緯があるため、再び免除措置を設立することは難しい状況にあると思われるが、道教委としては、今後の推移を注視しながら対応していきたい。
(11)教育の情報化を着実に推進するための支援措置の拡充―重点
道教委としては、全国都道府県教委連と連携し、国に対して、機器の保守管理や更新時の費用についても国庫補助の対象とし、継続的かつ十分な財政支援を行うよう、要望してきており、今後も引き続き、必要な対応を行っていきたい。
公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金の令和元年度補正予算事業については、2年度中に事業が完了しない場合は、事故繰越の協議を自治体において財務局に行うよう国が説明している。
また、公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金および公立学校情報機器整備費補助金の2年度補正予算分については、繰越明許費として国会の承認を得ているため、事情によって業務が遅延した場合には繰越が可能であり、何らかの事故等によって3年度中に完了しなかった場合には、事故繰越の協議を自治体において財務局に行うよう国が説明している。
このことから、まずは、工事の方法等について検討し2年度中の完了を目指していただくようお願いする。
なお、要望内容については、国への要望を検討していきたい。
また、デジタル教科書について、国では、ことし7月7日にデジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議を開催し、会合において、6年度(2024年度)の次期教科用図書の改訂に併せて小学校でデジタル教科書を本格導入する方針を示し、新たな制度設計を進めるとしており、義務教育段階での1人1台端末環境の整備が加速される中、デジタル教科書の普及が見込まれることから、要望内容については、国に伝えていきたい。
(12)地域にとって重要な役割を果たしている小規模高校の存続―重点
職業学科については、地域の産業を担う人材の育成などの観点から、地域の産業構造や特色、高校が地域で果たしている役割などを踏まえ、配置計画を検討していく。
また、人口減少社会への対応や地域創生の観点から、地域の教育機能の維持向上を図るため、学校運営への支援や教育活動への参画・協力を得るためのコミュニティ・スクールの導入、市町村や地域の関係団体等のほか、小学校や中学校などの他校種との連携による、地域の特性や教育資源を生かした小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業、高校生が地域社会の一員としての意識をもって、課題解決に取り組む高校OPENプロジェクトなどに取り組んできた。
今後においても、第2期道創生総合戦略や道総合教育大綱を踏まえ、地域と協働して、子どもたちに選ばれる魅力ある高校づくりを推進するため、地域の教育資源を活用した取組例や体制・環境整備の方策等を記載した手引を作成するとともに、学校や地域ごとの課題等を把握し、適切な指導助言に努めるなどして、高校の魅力化に取り組んでいきたい。
(13)高校生徒遠距離通学費等補助事業の充実および拡大
通学費等補助制度は、道立高校の募集停止に伴う進路変更や通学費負担等の増加など、学習環境の激変を緩和する観点から創設したものであり、従来から高校のない地域との均衡にも考慮し、補助期間を5年としている。このような制度の趣旨を考慮すると、補助期間の延長は難しいものと考えているが、地域別検討協議会などでの要望を踏まえ、控除額を引き下げて1万円を超える額を補助することとしたほか、月ごとに補助金の支払いができるよう改善してきている。
また、この制度の対象となる地域の生徒に対しては、公立高校生徒奨学金によって、通学費等補助の補助期間終了後においても、期限を設けずに、貸付限度額の引き上げを行っており、こうした制度の周知も図り、生徒の修学機会の確保に努めていきたい。
(14)北方領土問題に関する学習の充実
北方領土に関する学習を一層充実するため、学習指導要領に北方領土に関する内容をさらに具体的に記述するよう、これまでも国に要望しており、引き続き要望していきたい。
▼学校安全、学校保健および学校給食の振興充実について
(1)学校の安全体制の強化
児童に対する被害防止教育の推進については、道教育推進計画に小・中・高校のすべての学校における防犯教室および防犯訓練の実施を目標指標に掲げ、取組を推進している。
子どもたちが安心して学習できる体制の整備については、スクールガード・リーダーの確保や養成、学校支援のボランティアの協力を得た見守り活動等によって、児童の安全を見守る体制の拡充や警察等の関係機関との連携による児童の安全確保の徹底が図られるよう取り組んでいる。
また、登下校時間帯の通学路における警察等のパトロール強化については、これまでも各種会議などの場を通じて、道警や関係団体等に対して、通学路の巡回パトロールや街頭活動の強化の働きかけを行ってきており、今後も継続していきたい。
(2)教育情報分野におけるセキュリティクラウドの構築
道の知事部局と市町村の首長部局において運用している自治体情報セキュリティクラウドは、マイナンバー制度の導入およびその重大リスクを回避するため、国が補助金を創設して全国的に整備を進めた経緯がある。
こうした事情を踏まえると、教育情報分野において同様のシステムを構築することは、難しい状況にある。
なお、国が元年12月に公表した『教育の情報化に関する手引』では、「教育委員会・学校においては、システム更改時などにおいて、実現したい環境、必要なコスト(費用面・運用面)、現状のシステムの環境等を踏まえ、クラウドサービスの活用も有力な選択肢として検討を進めることが望ましい」とされている。
道教委としては、道の情報担当部局とも連携しながら、国の動向等を注視しつつ、今後の対応を検討していきたい。
(3)携帯電話やインターネットの利用による有害情報や被害から子どもを守る取組推進
啓発活動については、学校における情報モラル教育の充実はもとより、年に数回、教職員・保護者向けおよび児童生徒向けの啓発資料を作成し、道内すべての公立学校へ送付するとともに、道教委ホームページへ掲載するなど、ネットトラブルの未然防止に努めている。
また、リーフレットを作成し、道内公立学校に配布するとともに、電気通信事業者等の協力を得て配布する啓発活動を行っている。
さらに、前年度は、よつ葉乳業㈱の協力のもとポスターを作成し、公立学校をはじめ、道立の教育施設への掲示も行った。
情報モラルに関する指導者等の養成については、各管内でネットパトロール講習会や保護者向け学習会を開催するとともに、教員や指導主事をそれらの研修会の講師として養成するため指導者養成研修会を毎年開催している。
有害情報に対するフィルタリング利用の促進については、道および道警と連携し、電気通信事業者に対し、要請を行っている。
法整備にかかる国への要望について、これまでも、有害情報や犯罪被害・トラブルから子どもを守るために学校のネットパトロールを支援する事業の拡充や電気通信事業者にとどまらず、インターネットに接続可能な機器に対するフィルタリングサービスの提供義務の対象範囲の拡大など、法的規制について、国に対して働きかけてきたが、従来の方法では監視できないSNSなどにおけるネットトラブルの防止対策についても要望していきたい。
(4)フッ化物洗口にかかる経費負担
フッ化物洗口については、道歯・口腔の健康づくり8020推進条例などに基づき、児童生徒にかかる歯・口腔の健康づくりの推進を図るため、1校でも多くの学校等で実施されるよう、市町村教委へ協力をお願いしてきた。
また、未実施市町村における円滑な導入の支援の一環として、知事部局と連携し、平成25年度からは、道都市教委連などの要望を受け、新規にフッ化物洗口を実施する公立の学校等に対して、初年度分の薬剤支援を行っている。
道教委としては、今後も、知事部局と連携し、新規にフッ化物洗口を実施する学校等への負担軽減措置について検討していきたい。
(5)学校給食施設・設備にかかる交付金等の改善充実―重点
学校施設環境改善交付金については、26年度事業実施分から、基準面積および建築単価の改訂やアレルギー対策室をドライシステムによって新増改築する事業が創設されるほか、建築単価についても毎年度引き上げられるなど、より実工事費に近い交付金制度に改善されていると考えているが、引き続き、各市町村における事業活用にかかる状況や課題について把握するとともに、交付金の充実について国に希望していきたい。
老朽化に伴う給食設備の更新にかかる補助制度の創設について、引き続き、国に要望していきたい。
なお、現在、市町村、一部事務組合等の共同調理場の整備は、道地域づくり総合交付金の対象事業となっていないが、合併市町村が共同調理場を整備する場合で、各総合振興局・振興局が特に必要と認める事業については、交付金事業の対象になっている。
(6)栄養教諭の定数改善および旅費等の予算の確保
栄養教諭の食に関する指導に要する旅費については、栄養教諭の配置校・共同調理場間の距離、移動方法等の状況を把握し、所要の措置を講じているところであり、引き続き予算の確保に努めていきたい。
また、道教委としては、これまでも、栄養教諭を中心として、児童生徒により安全で安心な給食を提供するとともに、食に関する指導の充実が図られるよう、食物アレルギー等の児童生徒にかかる情報共有や個別指導、また、地域の自然や文化、産業等に理解を深め、食への感謝の念を育むための地場産物の活用など、学校、家庭、地域が連携した食育の推進に取り組んできている。
現行の基準以上に栄養教諭を配置し、こうした取組を一層充実させるためには、国の新たな定数改善が必要であり、道単独での実施は、現段階では難しいものと考えており、今後とも、全国都道府県教委連などと連携しながら、栄養教諭等の定数措置の拡充について、国に対して強く要望していきたい。
(7)給食にかかる助成制度の拡充
道教委としては、学校給食用物資の安定的供給にかかる補助制度の充実について、引き続き、国に要望していきたい。
(8)食物アレルギー対応食の提供等に必要な学校生活管理指導表の文書料にかかる補助制度の創設―重点
学校給食におけるアレルギー対応について、就学援助が必要な児童生徒への学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)の作成等に要する経費の財政措置を、引き続き国に要望していきたい。
▼その他文教施策の充実について
(1)国指定文化財の保存管理費用に対する助成の拡大
国庫補助事業の対象の拡充については、これまでも国に要望してきたところであり、引き続き要望していきたい。
史跡の維持管理については、面積にかかわらず一律に特別交付税が措置(1件につき年間62万円から113万円が交付)されているが、要望の趣旨を踏まえ、国に働きかけていきたい。
記念物にかかる国庫補助事業の補助率引き上げについても、国に働きかけていきたい。
(2)道立図書館の図書資料費の確保
道立図書館では、道内図書館網のセンターとして、市町村立図書館や学校図書館への協力貸出しなどの支援、利用者へのインターネット予約貸出しを行うとともに、道民カレッジ連携講座や市町村立図書館職員等を対象とする研修事業などを行っている。道財政が厳しい状況にあるが、今後も道民や市町村立図書館等からの要望に応えられるよう図書資料の整備充実等に努めていきたい。
(3)社会教育施設の改修にかかる補助制度の創設
道教委としては、社会教育施設の現状等を踏まえ、引き続き全国都道府県教委連と連携を図りながら、社会教育施設の改修にかかる補助制度の創設などについて国に要望していきたい。
(4)へき地等学校の級別指定にかかる基準の改正
へき地等学校の級別区分については、へき地教育振興法施行規則で定める基準に基づき、その学校等のへき地性を基準点数および調整点数によって点数化し、その合計点数に応じて決定することが基本とされており、28年1月1日に級別指定の見直しを行った。
現行の指定基準は、22年4月に施行されたへき地教育振興法施行規則の一部改正によって約20年ぶりに見直しが行われたものであり、今後とも、国や他都府県の動向を注視し、社会・生活環境の変化に応じたへき地の相対的な格差を反映した基準となるよう、必要に応じて国への働きかけなどを検討していきたい。
(5)農山漁村地域等における高度情報通信網の整備促進―重点
国の第2次補正予算において、光ファイバー整備事業が盛り込まれ、道(知事部局)においては、未整備の地域に対し、事業を実施するよう働きかけていると承知している。
道教委としては、こうした地域の整備状況を踏まえながら、北海道にふさわしいICT教育の在り方や高速大容量通信網の有効性などについて、道総合教育会議の場において知事との協議を深めていきたい。
(6)教育の事務の広域化にかかる運営体制の改善
26年に改正された地方教育行政の組織および運営に関する法律では地方公共団体の長が大綱の策定や総合教育会議の設置を行うこととされており、地方自治法上、地方公共団体の組合も地方公共団体の一つであることから、一部事務組合でも、その長(管理者)が、本法に基づき大綱を定め、総合教育会議を設置することとなる。
このことから、地域住民の意向のより一層の反映や地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化を図るとともに、広域的に行う教育行政を推進するなど、適切な事務処理が図られるよう配慮いただきたい。
(7)地域学校協働活動の促進
地域学校協働活動については、これまでも国に対し財源措置の拡充を要望してきているところであり、今後とも、全国都道府県教委連などとも連携しながら、国に要望していきたい。
(8)地方財政措置(光熱水費)の増額―重点
国においては、公立小・中学校等の冷房設備にかかる光熱水費として69億円程度を算定したほか、基準財政需要額の算定方法を改正し、冷房設備の光熱水費その他の公立小・中学校の運営等に要する経費の財源を充実しており、令和元年度における光熱水費の単位費用積算基礎額については増額されていることから、道教委としては、今後の動向を注視しながら対応していきたい。
道都市教育委員会連絡協議会(長谷川雅英会長)と道都市教育長会(同)が道教委に提出した新型コロナウイルス感染症への対応に関する緊急要望事項に対する道教委の回答はつぎのとおり。
▼GIGAスクール構想の加速にかかる支援について
国では、「地方単独事業として、3人に1台を配るまでの費用は基準財政需要額の算定上、すでに含まれている」と示しており、国庫補助の対象とすることは難しい状況であるが、国への要望を検討していく。
なお、道教委としては、教育水準の維持向上を図るため、全国都道府県教委連と連携し、国に対して、機器の保守管理や更新時の費用についても国庫補助の対象とし、継続的かつ十分な財政支援を行うよう、要望してきており、今後も引き続き、必要な対応を行っていく。
家庭でのオンライン学習支援については、国に対して、通信機器やPC端末等の貸与にかかる補助制度を新設するとともに、児童生徒のインターネット等への接続費用を無料とするなど、国において事前に通信事業者と連携した支援策を講じることや、校内通信量の増加に伴う校外通信ネットワークの高速大容量化については、国の責任のもと、必要な財政措置を講じるよう、要望してきており、今後も引き続き、必要な対応を行っていく。
国では、ICT人材の紹介を手がける団体・事業者の取組なども今後紹介するとしており、道教委としては、そうした国や他の自治体の情報収集を図り、必要な情報の提供に努めていく。
▼学校再開後の教育課程の再編成について
道教委としては、各学校において学習指導要領に示された内容を確実に指導することができるよう、学校再開に当たり、年間指導計画の見直しを検討する際の留意点として、「児童生徒の過度な負担とならないよう十分配慮すること」「地域や学校の実情を踏まえ、時間割編成の工夫や長期休業期間の短縮、土曜授業の実施などの取組を効果的に組み合わせること(長期休業期間中の登校日は、夏・冬合わせて20日程度が想定されること)」などを示した。
また、教育局の指導主事は、各学校の実情に応じたきめ細かな指導助言に努め、学校を支援している。
国の補正予算を活用し、市町村のニーズを把握しながらの少人数指導、家庭学習の準備や放課後の補習等の学習指導にかかるサポーターなど学習保障に必要な人材を緊急的に追加配置することとし、学校の指導体制のさらなる充実に努め、子どもたちの学びを最大限保障していきたい。
▼4月以降の臨時休業に伴う財政支援について
4月以降の学校給食のキャンセルに伴う保護者および事業者等への補償については、令和元年度に創設された学校給食費返還等事業および衛生管理改善事業を継続するとともに、公立および私立学校にかかる経費は国が全額負担するよう、引き続き国に要望していきたい。
修学旅行の中止や延期にかかるキャンセル料等については、国が創設した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金によって、修学旅行の中止や延期に伴う追加的な経費に充当できる。
道教委としては、適切に国の支援制度の周知に努めていく。
▼3年度道立高校入学者選抜学力検査における配慮事項について
文部科学省からの3年度高校入学者選抜等における配慮事項に関する通知や、各地域における学習状況等を踏まえ、特定の受検者が不利にならないよう、3年度公立高校一般入学者選抜における学力検査の出題範囲について、中学校第3学年の学習内容の一部を出題範囲から除外することとした。
(道・道教委 2020-11-18付)
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