根室局 働き方改革中間報告会 教育活動の外部化推進 別海町野付中 地域等が協力(道・道教委 2020-11-24付)
発表する飯田校長
【釧路発】根室教育局は11月上旬、中標津町総合文化会館しるべっとで管内学校における働き方改革推進事業中間報告会を開いた。別海町立野付中学校の飯田雄士校長が同校の取組を報告。削減できる可能性のある業務をリストアップした上で、組織運営や学校行事を見直し、保護者や地域の理解と協力を得て、コミュニティ・スクール(CS)などを活用した教育活動の外部化を進め、年間100コマ以上を委託した経緯を説明した。
道教委は本年度、働き方改革推進事業について、管内では推進地域に別海町、推進校に野付中を指定している。
中間報告会には、松田俊也局長をはじめ、教育局職員、管内市町の教育長、校長、教頭など約20人が出席。
松田局長があいさつしたあと、野付中の飯田校長、別海町教委の登藤和哉教育長がそれぞれ進めている事業の中間報告を行った。
また、ウェブ会議システムZoomで報告会に参加した上川教育局の川島政吉主幹が、野付中、別海町教委の取組について講評するとともに、新型コロナウイルス感染症対策下での働き方改革をテーマに講話。働き方改革を実行するプロセスや、推進するためのポイントなどを示した。
野付中・飯田校長の中間報告概要はつぎのとおり。
▼令和2年度から「やめられるかも」リスト
昨年、1年間をかけて、全教職員から「やめられるかも」(案)を募集。「バス乗車指導を保護者に協力してもらう」「地域主催行事の引率を地域に協力してもらう」など、随時、案を受け付けて評価し、リストを作成した。全教職員の思いを集計し、教務部と生徒指導部による検討後に、校長が見直しを決定した。
▼働き方改革推進方針の策定
ことし5月、「大きな心に広い視野。教師の豊かさこそが、子どもの笑顔を創る!」をキーワードとして策定した。
▽定着していることの継続
部活動休養日、9日以上の学校閉庁日、1月単位の変形労働時間制、勤務時間のスライド等の活用、空き時間を活用しての学年・分掌会議、職員会議・校内研修時の休憩時間個別付与など、すでに定着している取組を継続。
▽カリキュラム・マネジメント
QRコードによる客観的な勤務時間の把握、教職員への意識調査による本校の良さと課題の洗い出し、人事評価シートへの位置付け、対負担効果・対時間効果の視点で考え、具体化。
▽組織運営の見直し
業務分担を均等化(平準化)する。隙間時間を有効に活用するムダムラの排除。依頼できる業務を見極めながら効果的にスクールサポートスタッフを活用する。
▽学校行事の精選・見直し
行事の目的の明確化、行事の統合、生徒自治の促進・繁忙期(3・4月)業務の軽減、2学年宿泊研修後に生徒・引率教員は一日振替休業、職場体験受入事業所や職業人講話講師をCSであっせん等。
▽保護者、地域への発信と協働
学校運営協議会、PTA役員会、授業参観全体懇談会および学校ブログにおいて働き方改革について情報を発信。保護者や地域に対して理解を求め、CS等を活用して教育活動の外部化を推進し、年間100コマ以上を委託。部活動についても安定した複数顧問体制に向けた「部活動数1減」をPTA役員会で提示。
▼今後の働き方改革への提言
▽部活動大会前の期間限定での勤務時間のスライド制の導入
▽教頭の働き方改革を進めるため、管理職の勤務時間のスライド=校長と教頭の勤務時間をずらすことによって、生徒が在校している時間をカバー
(道・道教委 2020-11-24付)
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