上社連が全道大会に代え研究協議会 課題解決する授業実践 当麻小拠点にオンラインで(関係団体 2020-12-02付)
札幌や釧路などの会員も参加し協議した
【旭川発】上川地区社会科教育連盟(=上社連、蟹谷正宏委員長)は、全道社会科教育研究大会上川大会に代わる研究協議会をオンラインで実施している。道社会科教育連盟(=道社連)に所属する各地区の会員がウェブ会議システムZoomで参加。11月20日、当麻町立当麻小学校を拠点に実施した中学校の歴史分野部会では、事前に動画で視聴した授業について研究協議し、研究の深化と発展を目指した。今後は、小学校2部会で同様の協議会を予定している。
上社連の研究主題は「社会とつながり、よりよい未来を探究する子の育成~見方・考え方を豊かにし、課題を確実に解決する社会科授業」。本年度は4ヵ年継続研究の2年次目に当たり、「社会的事象の意味を解き明かす単元計画」「身に付けた資質・能力の活用と評価」の2点を研究の視点に授業づくりを進めてきた。
本年度、道社連の全道大会が上川で開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止に。研究を止めることなく全道に発信しようと、大会で公開予定だった研究授業の動画を限定配信し、全道各地区の会員にZoomでの参加を募って研究協議を行うこととした。
歴史部会を皮切りに、今後は小学校4年部会、6年部会でも同様の協議会開催を計画している。
11月20日の歴史部会は、当麻小を拠点に、上社連のほか、札幌や釧路、空知、留萌など全道の会員10人以上がオンラインで参加した。
はじめに、歴史部会長を務める鷹栖町立鷹栖中学校の熊谷潤一教諭が授業づくりについて説明。
主に、①単元の課題とまとめ②単元のワークシート③応用問題―の3点に力を入れて授業改善を進めてきたことを紹介した。
①では、単元課題を毎時間掲げて意識させることで、学習の見通しをもたせるとともに、時間ごとの授業のつながりを明確化。②については、生徒の学びの足跡を残すワークシートの活用によって、最終時のまとめにつなげた。③は、問題を多面的・多角的に考えさせるとともに、既習の知識・技能を活用させる場面として設定している。
授業は、当麻町立当麻中学校の冨岡拓斗教諭が2年2組で実施した「明治維新と立憲国家への歩み」。単元を貫く学習課題に「明治時代前期はどのような時代だろうか」を掲げている。
全8時間の最終時に当たる本時では、グループでの話し合いを踏まえ、個人で「明治時代前期の諸政策の成果と課題」についてのまとめをワークシートに記述する授業を展開。
研究協議では、単元を貫く課題設定や本時における応用問題のねらい、生徒の思考を促す工夫など、授業づくりの視点に関連した質問が寄せられた。
最後に、後志教育局義務教育指導班の金田唯史主任指導主事が助言。研究内容を踏まえ、生徒たちが学習課題を意識して見通しをもちながらじっくりと考えることができていたことなどを評価した。
また、効果的なICT機器の活用など、今後の社会科教育の方向性についても話題に上げた。
(関係団体 2020-12-02付)
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