富良野市樹海小 端末持ち帰りの取組 ルールや環境整備徹底 冬季休業の学習をサポート
(学校 2020-12-25付)

富良野樹海小・端末持ち帰りなどの取組
各家庭との接続テストを行う上杉教諭

 【旭川発】本年度から1人1台の端末が導入されている富良野市立樹海小学校(三木勝仁校長)。日常的な授業における活用に加え、出席停止時の遠隔による授業参加や、持ち帰りによる家庭学習などを積極的に進めている。同校ICT活用推進委員の上杉直輝教諭が中心となり、ネットワークの設定による危機管理やルールづくりなどの環境を整備しながら試行錯誤。冬季休業期間中にはZoomによるオンライン学習サポートを行い、コロナ禍における学びのさらなる充実を図っていく。

 同校では、前年度の秋に市からiPad12台が校内用に配備され、ことし春には地域住民から22台の寄贈を受けたことで、全児童と教職員が1人1台の端末を使用することが可能に。4月17日には各家庭に向けてネットワーク環境調査を行い、各家庭と接続できることを確認した。

 現在、国語でのプレゼンテーションや理科の実験の動画撮影・分析、体育での動きの振り返りなど、ほとんどの授業で毎時間、端末を使用。児童・教員ともに日常的に活用できるよう、上杉教諭が中心となり、ICT機器や各種アプリに関する校内研修を重ねてきた。端末は毎日持ち帰り、日常的にオンラインでの宿題を課している。

 また、同居家族にコロナの症状がある場合も出席停止となった旨の通知を受け、登校できない児童への学びの保障として、11月から遠隔で家庭から授業に参加できるよう整備した。

 端末を各家庭に持ち帰って活用するに当たり、保護者から「危険なサイトにアクセスしてしまうのでは」など心配の声が上がっていたことから、環境整備やルールづくりについて検討を重ねた。

 ハード面からは、ウェブサイトの閲覧制限やアプリの利用制限、使っている時間帯やよく使っているアプリの解析などができる「スクリーンタイム」を設定したほか、無料で広告が少ない学習用アプリを教員が実際に使いながら厳選した。

 夏季休業期間前には、初歩的な操作を実演する動画を3種類作成。Wi―Fiの接続方法、スクリーンタイムのチェック方法、Zoomの接続方法についての動画を全校児童の端末に入れ、保護者がいつでも確認できるようにした。

 毎日、各家庭に持ち帰って活用する中で、様々な課題が発生したことから、使用ルールを「6つのきまり」としてまとめ、12月の参観日で保護者に周知した。「相手に許可なく撮影しない、他人に見せない」「家で撮影したテレビやゲームなどの動画・音楽を休み時間に視聴しない」などのきまりを、理由を添えながら伝えた。

 この冬季休業期間には、新たなステップとして、オンラインによる学習サポートを計画。

 例年、冬季休業期間中には3~5日程度登校し、支援員による学習サポートを行っているが、本年度は約1週間短縮となったことや感染症対策の観点から、登校せずに各家庭と接続して実施することとした。

 今月4日と14日に行った各家庭とのZoom接続テストでは、「心を一つに」ゲームを通して盛り上がりながら、接続に問題がないことを確認。これを踏まえ、来年1月7日に各クラス約40分ずつオンライン登校を行い、健康観察や交流の場とするほか、宿題に関する質問に対応するなど、3学期のスムーズな登校につなげていく。

(学校 2020-12-25付)

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