紋別高 AI活用した生徒評価 教育活動の効果を可視化 客観性もたせ各項目分析
(学校 2020-12-25付)

 【網走発】紋別高校(花松均校長)は、AIによるアセスメント・ツール「Ai GROW」を活用した生徒の資質・能力の評価に取り組んでいる。「向上心」「思いやり」など、客観的な評価が難しい項目について、AIによる補正・分析を加えた評価を年に複数回行うことで、生徒の成長と教育活動の効果を可視化し、生徒の資質・能力の向上や学校教育目標の具現化を図る。

 同校は、学校教育目標「将来の夢に向かって、自らすすんで意欲的に学ぶ人間を育てる」「“考える力”“感じる力”“想像する力”“表現する力”を身に付けた人間を育てる」「人とのかかわりを通して、責任感と思いやりをもつ人間を育てる」のもと、育てたい力として、①向上心②自主性③論理的思考能力④感性⑤想像力⑥表現力⑦コミュニケーション能力⑧責任感⑨思いやり―の9つを設定。

 これらの資質・能力の評価方法として、ルーブリック評価や生徒の自己評価などが挙げられるが、教員の主観による評価の偏りや、評価にかかる教員の負担などが課題となっている。

 育てたい9つの力について個人の主観に左右されない客観的に評価し、効果的・効率的なカリキュラム・マネジメントを展開するため、Institution for a Global Society㈱が提供するアセスメント・ツール「Ai GROW」を活用することとした。

 Ai GROWは、スマートフォンやタブレット端末を用いた質問への回答をAIが補正・分析し、生徒一人ひとりの潜在的な性格(気質)と資質・能力(コンピテンシー)を可視化する。

 気質診断は初回のみ実施。回答にかかる時間や操作する指の動きをAIが分析し、「内向性があるか外向性があるか」「保守性があるか開放性があるか」などの傾向を明らかにする。

 コンピテンシー計測は、複数回実施可能。生徒の自己評価と3人からの他者評価の結果をAIが補正・分析し、25項目のコンピテンシーを評価する。同校では、育てたい9つの力に対応した「創造性」「論理的思考」「疑う力」などの12項目を重視している。

 結果は、生徒用個人レポートや管理者画面でフィードバックすることができ、生徒の特性把握や進路指導・キャリア教育など様々な教育活動で活用する。

 すべての生徒が自分の強みや課題を客観的に認識することで、自己肯定感の向上や課題解決に向けた行動をとるなど、生徒一人ひとりの資質・能力の向上を目指す。

 また、指導要録や調査書作成にかかる教員の負担軽減など、働き方改革の側面からの効果も期待している。

(学校 2020-12-25付)

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