道教育大 へき地教育推進フォーラム 道教委の池野総務政策局長 地域に密着した学校を(学校 2020-12-25付)
道教育大学は17日、第18回へき地教育推進フォーラムのシンポジウムをオンライン開催した。「日本の未来の教育を創造するへき地・小規模校教育の可能性」をテーマに4人のパネリストが発表し、道教委の池野敦総務政策局長はへき地・複式校、小規模校における地域と密着した学校づくり、ふるさと教育の可能性を説いた。
へき地小規模校教育の発展と普遍的な応用化を目的として毎年開催しているもの。
道教育大学旭川校を会場にことし3月に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で開催時期を変更。オンラインによる連続フォーラムとした。
日本教育大学協会へき地小規模校教育研究校など、道内外の教育関係者約200人が参加した。
はじめに、千葉胤久旭川校キャンパス長が「今回のシンポジウムが未来の教育の在り方を考え、そして貴重な示唆を皆さんに与えてくれる機会になるということを期待している」と述べた。
続いて、道教委の池野総務政策局長が「地域と密着し過疎地域の未来を先導する北海道のふるさと教育の可能性」と題して発表。3密回避のための間隔確保や国における小学校の少人数学級拡大など、少人数での活動の価値が大きく見直されているとし「これまでのへき地・複式校、小規模校の価値を見直し、高める機会にある」と指摘した。
地域とともにある学校づくりのため、子ども本来の良さ、努力や成果をPRすること、ホームページなどで学校の活動や目的を情報発信することの重要性を示した。学校に登校できない子どもに端末やルーターを貸与する「まなLabo」展開事業、道研が実施している遠隔合同授業の内容を紹介した。
続いて、道教育大旭川校へき地・小規模校教育研究センター員の水上丈実教授、渥美伸彦准教授が「個に応じた少人数学級と主体的な学習を先導するへき地・小規模校の教育」をテーマに、主体的・対話的な学習において「見える化」を進める振り返りの方法、若手教員の育成にもつながる模擬授業の事例を紹介した。説明的能力を概念形成能力に引き上げることで知識・理解を深める授業、ICTを活用した対話的な授業など、道内へき地校の実践と成果を示した。
信州大学学術研究院の伏木久始教授は、「自律的な学習活動を先導するへき地・複式授業の理念と方法」をテーマに発表。
多様性の配慮が個別最適化された学びの実現につながると説き「小規模校が次世代教育のフロンティアとなり、子どもたちの教育を高めてほしい」と期待した。
このあと、へき地・小規模校における実践と可能性について協議した。
(学校 2020-12-25付)
その他の記事( 学校)
紋別高 タイの学校と遠隔交流 友好を確かめ合う オリジナルTシャツ披露
【網走発】紋別高校(花松均校長)で昨年12月中旬、紋別市の海外青少年短期留学事業の一環としてタイのウドムスックサー学校の生徒との3回目のオンライン交流が開かれた。紋別高総合ビジネス科の1年...(2021-01-06) 全て読む
富良野市樹海小が兵庫の小学校と 互いの生活を伝え合う 遠隔交流 気候の違いに驚き
【旭川発】富良野市立樹海小学校(三木勝仁校長)3・4年生は12月中旬、兵庫県西脇市立双葉小学校とのオンラインによる遠隔交流学習を行った。学校紹介や質疑応答などを通して、地域や文化による違い...(2020-12-28) 全て読む
富良野市樹海小 端末持ち帰りの取組 ルールや環境整備徹底 冬季休業の学習をサポート
【旭川発】本年度から1人1台の端末が導入されている富良野市立樹海小学校(三木勝仁校長)。日常的な授業における活用に加え、出席停止時の遠隔による授業参加や、持ち帰りによる家庭学習などを積極的...(2020-12-25) 全て読む
幌加内小と附属旭川小 遠隔合同授業 対話的学びで考え広げ 4年算数「くらべ方」
【旭川発】幌加内町立幌加内小学校(米津理臣校長)と道教育大学附属旭川小学校(南部正人校長)は18日、ビデオ会議システムGoogle Meetを活用し、4年生を対象とした遠隔合同授業を行った...(2020-12-25) 全て読む
紋別高 AI活用した生徒評価 教育活動の効果を可視化 客観性もたせ各項目分析
【網走発】紋別高校(花松均校長)は、AIによるアセスメント・ツール「Ai GROW」を活用した生徒の資質・能力の評価に取り組んでいる。「向上心」「思いやり」など、客観的な評価が難しい項目に...(2020-12-25) 全て読む
学校力向上実践指定校 北広島市大曲小 既習の方法で解答導く 公開研究協議会で算数披露
道教委が進める学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校・北広島市立大曲小学校(比良彰男校長)は18日、同校で公開研究協議会と地域連携研修事業研修会を開いた。ウェブ会議システムZoomを用...(2020-12-24) 全て読む
リポート 旭川建協 人手不足解消へ講座 元教員 人材育成で活躍 普通科等卒業の若手向けに
◆離職防ぐ対策開始 旭川建設業協会(川島崇則会長)は、初の普通科高校等卒業者を対象とした土木技術者入門講座を6月から4回にわたり実施。講師は元旭川工業高校教諭の宮川淳氏が務めた。 建...(2020-12-24) 全て読む
【PICK UP2020】No.6 “地域”“探究”で授業改善 帯広三条高の取組
十勝管内普通科高校で初の進学重視型の単位制を導入し、管内有数の進学校である帯広三条高校(合浦英則校長)は、同校における教育活動にある課題を感じていた。進学校として大学や専門学校などへの進学...(2020-12-22) 全て読む
道議会質疑 予算特別委員会(令和2年9月30日)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼田中英樹委員(公明党) 【答弁者】 ▼鈴木...(2020-12-21) 全て読む
【PICK UP2020】No.6 北見市北中 学校経営方針実現へ力量発揮 主幹教諭の複数配置
管理職を補佐し、学校現場の様々な課題に対応する主幹教諭。校内の体制強化、保護者・地域住民および関係機関との連携・調整の円滑化などが期待されている。 道内における主幹教諭の配置は、平成2...(2020-12-21) 全て読む