【解説】ＩＣＴ活用　子の健康に留意

（解説 2021-01-25付）

　小・中学校における令和３年度からの１人１台端末の本格導入に向け、児童生徒の健康面への影響に関する関心が高まっている。２１日の参議院本会議代表質問で菅義偉首相は、児童生徒の視力と日常生活の関連を検討し、ＩＣＴ活用に関するガイドブックに反映する考えを示した。

　文部科学省は昨年１２月の学習者用デジタル教科書の今後の在り方に関する検討会議において、各教科の授業時数の２分の１未満としている学習者用デジタル教科書の使用基準を来年度から撤廃する方針を決定。その前提として、児童生徒の健康に関する留意事項の周知徹底、必要な対応方策やＩＣＴ活用に関する教員の指導力向上の施策を講じることを示した。

　授業で端末を使用する場合には３０分に１回、２０秒程度画面から目を離して休めるよう指導すること、目と端末の画面との距離を３０～５０㌢㍍離すことが必要としている。

　文科省の３年度予算案では、学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業に６５００万円を計上。

　実証研究校においてデジタル教科書使用による効果・影響を検証し、教員の授業実践に資するための事例集や研修動画を作成するほか、全国でアンケート調査を実施し、初めて使用するケースも含めた多数のデータをもとに効果を検証。傾向・課題等の分析を行うとしている。

　菅首相は、今後、ＧＩＧＡスクール構想を推進して教育現場でＩＣＴの活用を進めるに当たり、児童生徒の健康に留意する必要性を指摘。

　デジタル端末を使う機会が増えていく中、児童生徒の視力と日常生活の関連を文科省においてあらためて検討し、ＩＣＴ活用に関するガイドブックに反映するとした。

(解説 2021-01-25付)