【解説】デジタル教科書　在り方骨子案

（解説 2021-01-29付）

　文部科学省は２７日の第８回デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議で、中間まとめに向けた骨子案を示した。デジタル教科書の本格導入に向け必要な観点を整理。紙の教科書の特性も踏まえ、紙とデジタルの教科書の関係を十分に検討すべきとし、紙・デジタル教科書の５つの活用例を示した。

　会議では、将来的なデジタル教科書やデジタル教材の在り方を見据え、学校現場で有効活用するための在り方を検討。昨年１２月、児童生徒の健康に関する留意事項の周知・徹底を図り、必要な対応策を講じることなどを前提に、各教科の授業時数の２分の１未満としていた使用基準を令和３年度から撤廃することを提言した。

　骨子案では、デジタル教科書の制度概要、発行・普及状況、諸外国での使用状況などを示し、デジタル・紙の教科書の関係や検定などの制度面も含め、十分に検討する必要性を示した。

　本格導入に向け、必要な観点として、児童生徒や教員が使用しやすい標準的な規格や機能の整理、学習指導要領やデジタル教材と連携するためのシステム間の共通規格の整備、障がいのある児童生徒や外国人児童生徒に配慮した活用などを提起。教員のＩＣＴ活用指導力向上に向け、好事例の収集、整理、発信の支援のほか、効果的な学習活動の実現に必要な指導力を明確化すべきとした。

　紙とデジタル教科書の関係を詳細に検討する必要性を挙げ、①すべての教科等でデジタル教科書を使用②すべてまたは一部の教科等で紙とデジタルの教科書を併用③一部の学年または教科等でデジタル教科書を導入④設置者ごとに当該年度で使用する教科書を選択⑤すべての教科等でデジタル教科書を使用し、必要に応じて紙の教科書を使用―の５つの例を示した。

(解説 2021-01-29付)