【解説】令和の日本型学校教育 答申
(解説 2021-01-28付)

 中央教育審議会は、26日にオンライン開催した第127回総会で答申「令和の日本型学校教育の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」をまとめた。同日、渡辺光一郎会長が田野瀬太道文部科学副大臣に提出した。

 教育関係団体からのヒアリングやパブリックコメントなどを経て、昨年12月の前回総会で答申素案を提出。14日の初等中等教育分科会特別部会合同会議で答申案を示し、委員の意見をもとに文言を修正した。

 答申は、第I部の総論、第Ⅱ部の各論の2部構成。2020年代を通じて実現を目指す学校教育を「令和の日本型学校教育」と位置付け、実現に向けた今後の方向性を示している。

 各論は「幼児教育の質の向上」「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方」「ICTを活用した学びの在り方」など9項目で構成。

 義務教育においては、令和4年度を目途に小学校高学年からの教科担任制の本格的な導入、教員の養成等の在り方を提起。小・中学校両方の免許取得の促進、中学校の免許を保有する教員が小学校の専科指導の経験によって小学校免許を取得できるよう、制度の弾力化を図るとした。

 高校教育においては、普通教育を主とする学科の弾力化・大綱化を明記。ICTを活用した学習では対面指導と遠隔・オンラインとのハイブリッド化による指導の充実を掲げた。6年度の小学校教科書改訂までの間、紙との併用が可能な学習者用デジタル教科書・教材を普及促進する。

 今後、検討を要する事項として、教職員の養成・採用・研修等の在り方、自主的・自律的な学校を支援し、社会の変化に迅速・的確に対応する教育委員会の在り方を提起している。

(解説 2021-01-28付)

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